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タイトル:novel ファンタジー

はじめまして。黒兎 聖夜です。
まだ、未熟者ですがよろしくお願いします。
あまり投稿することはできませんが、ご了承ください。

この作品は、主人公 龍希 と 小説の精霊 エクストリカノ のお話です。

黒兎 聖夜 2010年05月19日 (水) 16時59分(770)
 
題名:プロローグ つまらない日々。

目の前は、真っ暗な海だった。
何も見えない。
何の感覚もない。

少し・・・浮かんでいる感覚があった。


「龍希様。」

上から声がふってきた。

「龍希様〜。」

聞き覚えのある声だ。

温かみのある・・・優しい声だ。

「龍希〜。」

声のトーンが下がった。嵐の前触れのようだ。

黒兎 聖夜 2010年05月21日 (金) 16時52分(771)
題名:プロローグ つまらない日々。

グラグラと真っ暗な海が左右に波立った。

「龍希!!」

いきなりの怒鳴り声に驚き、本能的に飛び起きた。

バサバサ・・・。

「!」

何か物が落ちるような音がした瞬間・・・。

        目の前に広がっていた海がひらけた。

「何やってるんですかぁ〜。」

上から降ってきた先ほどの声が言う。

龍希が声のしたほうを見た。

そこにいたのは、龍希と二つしか年齢の変わらない少女がいた。

「こんなに乱暴に扱っちゃいけませんよ。せっかく竜助様が丹精込めてお書きになったいうのに・・・。」

少女はそう言い、龍希を恨めしそうに見る。

「・・・。垣さん・・・ごめんなさい。」

垣さんと呼ばれた少女は微笑して

「私よりも、竜助様に誤ってくださいね。」

と、笑いを含んだ声で言う。

黒兎 聖夜 2010年05月21日 (金) 17時14分(772)
題名:プロローグ つまらない日々。

垣さんの言う「竜助様」は、今世紀最も波に乗っている小説家の名前だ。
垣さんがその小説家の名に様を付けるのは、その小説家が龍希の父親であるからであり、親に捨てられた垣さんをお手伝いさん兼龍希の教育係として住み込みで雇ったのが竜助だったからだ。

「つかぬことをお聞きいたしますが・・・。龍希様は、今読まれているのを合わせて何冊ぐらいお読みになられているのですか?」

垣さんが本棚の本を整理しながら聞いた。

「・・・。129冊だけど・・・。お父さんに報告するんですか?」

龍希が垣さんを横目で見ながら言った。

「それはどうかわかりませんが、後一冊でこの書斎にあるすべての本を読破してしまうなんて・・・。さすがですね。」

ほめられて悪い気和しないが、垣さんの様子がどうもおかしい。
いつもなら、「小説を読むのはいい私ことですが、少しは外で元気に遊んでくださいよ。」
と注意されるはずなのだが・・・。

「私の顔に何か付いているのでしょうか?」

いきなり垣さんに声をかけられ、ふと我にかえる。

「い・・・いえ。」

どうやら、垣さんの顔をみていたようだ。

ボーン ボーン ボーン。

玄関にある古時計が11時であることを告げる。

「さぁ。お勉強の時間ですよ。」

と、垣さんが古時計に続いて悪夢のはじまりをつげる。

あぁ。またいつもと同じつまらない日がやってきた。

この呪縛から誰かといてくれ。

つまらない日々という名の呪縛から・・・。

黒兎 聖夜 2010年05月25日 (火) 17時23分(776)
題名:プロローグ つまらない日々。


       *           *            *        

「これにて、午前の勉強はおわります。」

垣さんがそう言ってこの部屋からでていった。
今の時刻は午後三時半。
あれから四時間半やったことになる。
龍希もいい加減ヘトヘトだった。

ギィィィィィ

と古びた扉を開けた。
廊下の窓から差し込む光がつまらない勉強からのがれた龍希を照らした。

「くぅぅぅぅ・・・!」

縮こまっていたからだを伸ばすように思いっきり背伸びをした。

すると、食堂のほうから美味しそうな匂いがした。
匂いにつられて食堂のほうに体が向いてしまう。
暖かな日差しのなか龍希は廊下を渡っていき食堂へとむかっていった。

黒兎 聖夜 2010年05月26日 (水) 15時43分(778)
題名:第1話 鎖の掛けられた本

昼食も食べ終わり龍希は書斎へと向かった。
唯一読み終わってない一冊の本を読破するために。

後一冊で130冊かぁ。

そう思うとなんだか楽しくなってきた。
早く読みたい。早く読みたい。と、もう一人の自分が急かしてくる。
書斎に入り、階段を上り最後の一冊を手にとった。
その本を脇に挟み、器用に階段を下りていく。

ドサッ

と、ソファーに倒れこむように座った。

さぁ、読もう。

と思い本を見て絶句した。

「・・・。なにこれ。」 

龍希が絶句した理由、それは・・・。

「鎖が掛かってる・・・。」


黒兎 聖夜 2010年05月26日 (水) 16時07分(779)
題名:第1話 鎖の掛けられた本


「なんだよ・・・。これ。」

鎖の掛かった本を見ながら龍希がつぶやいた。
本を裏返しても鍵穴が見つからない。
それ以前にこの鎖を解く鍵のありかなどまったくもって見当がつかなかった。
力任せに グイッ と引っ張ってみた。

(痛っ!)

どこからか声がした。
辺りを見回してみるが誰もいない。
もう一度引っ張ってみる。
と・・・。

(痛い・・・。痛いってば・・・。)

また声が聞こえた。

誰だろう?

龍希はもう一度鎖を引っ張った。

(痛いってば!!!もういい加減にしろよ!!・・・ったくぅ〜乱暴者め!!)

やはり声がする。龍希は小声で声に呼び掛ける。

「誰・・・か・・居るんですか?」

すると少しの間を開けてから、驚いたような声が聞こえた。

(あ・・・あんた・・・。お・・・俺の声が・・・き・・聞こえるのか?)

黒兎 聖夜 2010年05月29日 (土) 09時24分(781)
題名:第1話 鎖の掛けられた本


龍希はキョロキョロと辺りを見回すが誰もいない。
少し気味が悪い。

「き・・・。聞こえますけど・・あの・・・姿見せてくれませんか?」

(やはり・・・。おまえが・・・アノ・・・。)

どうやら声は龍希の問いかけを無視し自分だけの世界に入ってしまったみたいだ。

「・・・。聞いてましたか?」

(そうかそうか・・・。やっとめぐり会えたのか・・・。)

「あのー。もしもーし。」

(長い旅ももうすぐで一段落つくのか・・・。いやーよかった。)

すっかり自分の世界に入ってしまった声に、龍希は少しながらイラついていた。

黒兎 聖夜 2010年05月29日 (土) 19時03分(782)
題名:第1話 鎖の掛けられた本 


「あの!!」

龍希が声が聞こえたであろう場所に怒鳴った。

(どうしたんだ?そんなに怒鳴らなっくったてっこえているよ。)

のんびりと反論する声に龍希が反論し返す。

「じゃあなんで僕の問いかけに応じてくれなかったんですか?」

黒兎 聖夜 2010年05月30日 (日) 13時14分(783)
題名:第1話 鎖の掛けられた本

龍希の「じゃあなんで僕の問いかけに応じてくれなかったんですか?」からあの声は聞こえなくなった。
と、言うよりか黙ってしまった。
さっきまであんなに勢いよく話していたのに今になって何も聞こえない・・・。
龍希は さっきのは幻聴だったんだ。 と自分に言い聞かせてこの書斎から出て行こうと一歩踏み出そうとかすかに右足を床から離した。

(まってくれ!!!)

さっきの声が異様に張りつめた声をあげた。
龍希はかまわずもう一歩踏み出す。
書斎の出口がまた一歩近くなった。

(待つんだ!!少年よ!!)

何かを思い立ったかのように龍希は歩む足をとめた。

「では・・・。あなたの姿を見せてください。どうしても嫌なら僕はこのままここから立ち去ります。」

龍希の問いかけに対し

(むぅぅ・・・。)

と、考えている声がした。
どちらかというと、ちいさな猛獣が唸っているような声のほうが近いが・・・

「あの。早く決めてもらえますか?」

龍希がせかすと

(姿を見せるのはいいのだが・・・。なにぶん込み入った事情があって・・・。少年に手伝ってほしいんだが・・・。)

声は龍希の反応をまった。
しばらくの沈黙が書斎を包んだ。

龍希がふぅ。と短く息をつく。

「分かりました。やりましょう。」

龍希の答えを聞き声は嬉しそうに言った。

(そうこなくっちゃ!!)

「では何をすればいいのでしょうか?」

(そうだなぁ・・・。じゃあ、この机にある本の鎖を解いてくれ。)

「・・・。鎖とあなたの姿に何の関係が・・・?」

(それは・・・。解けばわかる。)

「解けばって・・・。」

(少年よ・・・。)

声のトーンが下がった。独特の深みのある声にと変化した。

(やってくれるな?)

有無を言わせないまっすぐな声に龍希は

「・・・。はい・・・。」

と、渋々同意した。

黒兎 聖夜 2010年06月02日 (水) 14時28分(785)
題名:第2話 信じがたい真実


(その言葉・・・。待っていたぞ。)

声が嬉しそうに言う。さっきまでの威圧感はもう無くなっていた。

(少年。その本の鎖を指でそっと触れてみろ。)

龍希は声に言われた通り指先でそっと触れた。
何の変哲もない。
龍希が怪訝な顔をするとそれを悟ったかのように声が知らせる。

(裏を見ろ。南京錠が現れただろ?)

龍希がその本を裏返すとさっきまで無かった南京錠がしっかりとかかってた。
龍希がますます怪訝な顔をしたも気にせず声が指示をだす。

(南京錠に指で星を二個、上下逆さに書いてくれ。)

黒兎 聖夜 2010年06月05日 (土) 13時53分(790)
題名:第2話 信じがたい真実

龍希は何も言わず指示された通りに作業をしていく。

カシャン。

と南京錠の開く音がした。
さっきまでビクともしなかった鎖がいとも簡単に解けたのだ。
パラっとページをめっくて唖然とした。
どのページにもないのだ。
有るべきはずの文字が。
無くてはならない文が。
無いのだ。物語が。
その本には・・・。
無いのだ・・・!

(少年。その本に自分の名前をかけ。)

もともとこの本に何も書いてなかったのを知っていたかのようにのんびりとした口調で尚も指示を続ける声に龍希は聞く。

「この本・・・。なんなんですか?なんでぼくの名前を書かなくちゃいけないんですか?」

少しの間が空き答えがかえってきた。

(その本には主が必要なんだ。)

「主・・・?」

(そうだ。世界に散らばる何冊かの本には小説の精霊が宿っているんだ。)

「精霊?あまりにも非現実すぎる。嘘だったらもうそこしリアリティのある嘘にしてくださいよ。」

(嘘ではない。本当なんだ!!!)

「じゃ証拠をみしてよ!」

窓の隙間から入り込んだ隙間風が龍希の顔をなでた。
しばらくして、重々しい声がした。

(・・・。よかろう。)

黒兎 聖夜 2010年06月06日 (日) 09時57分(791)
題名:第2話 信じがたい真実

(少年。覚悟はできてるか?)

龍希は微かにうなずいた。
それからゴクリと固唾をのみこんだ。

(では、精霊を呼び起こしたい・・・が。今この精霊には主がいない。そこでだ。少年よ。主にはならないか?)

「何で僕が?ってかなんで主なんか必要なんだよ!」

(精霊は主の心や共に過ごした時間、経験値などで姿かたちは決まるんだ。少年。もう一度聞こう。主になるつもりはないか?)

龍希は腕を組み壁によっかかった。
ふぅ。っと短いため息をつく。
どうする?っと自分に問いかける。
答えは返ってこないが、やりたいやりたい。っと自分の中のどこからか声が聞こえた。

「名前・・・。書けばいいんですか?」

静まり返った書斎に龍希の声が響いた。だが

(・・・。あぁ。だが・・・もう後戻りはできなんぞ。)

「そんなの承知の上ですよ。それに僕がこの本を手に取った時から決まってたんですよ。こうなるのが運命だってね。」

(・・・。そうか。では、始めるぞ。)

「あぁ。」




黒兎 聖夜 2010年06月22日 (火) 15時53分(799)
題名:第2話 信じがたい真実


龍希は名前を書くためのペンを探すために腰を浮かせた。

(少年。このペンを使え。)

声とともに龍希の目の前にはキラキラと輝く羽ペンが出てきた。

(このペンは、妖精との契約などによく使うのだよ。さぁ、手に取るのだ。)

龍希は声に言われたとおりに羽ペンを手に取った。
それにしても見れば見るほど不思議なペンだった。
光の反射具合によって色がくるくると変わるのだ。
この世界のものではない。
この世界がこんなにも美し物を造り上げられるはずがない。
この世界は歪み腐っている。
こんな世界がこんなにも美しく、純粋なものを作り上げることは不可能だ。

(この羽に興味があるのだな?)

黒兎 聖夜 2010年07月10日 (土) 14時17分(809)
題名:第2話 信じがたい真実


龍希は黙ったままうなずいた。

(これは竜王の羽だ。少年が勘ずいているようにこの世界のものではない。)


黒兎 聖夜 2010年07月17日 (土) 20時00分(812)
題名:第2話 信じがたい真実


この世のもの・・・で、無い・・・。

龍希の心臓がドクンっと波打つ。龍希の中で何かが反応した。

(少年。ここに書くのだ。名を!)

龍希は波打つ心臓を落ち着かせて書いていく。

       鳥羽 龍希   

書いた瞬間書斎が光に包まれた。

(ここに精霊 エクストカリノ と少年 鳥羽 龍希の契約を記す。)

風が龍希を包んだ。

(時は来た!今こそ解き放たれよ!)

力強い声が響いた。強風で窓が開け放たれた。
光がどんどん小さくなっていく。

(龍希手を出せ。)

言われた通りに手を出すと、光が手に集まり形を作っていった。

光は輝く鍵となり龍希の手に収まった。

(おめでとう。これで龍希は俺の主だ!)

声をした方を見る。そこには龍希と同じぐらいの年の男の子が立っていた。

「君が・・・エクストカリノ・・・?」

恐る恐る聞いてみる。明らかに精霊のイメージ違った。
羽は無いし、小さくもない。むしろエクストカリノの方が高い。
ファッションも龍希よりも今ドキだ。
本当に・・・・?

(あぁ。そうだ。これからよろしくな!龍希)

黒兎 聖夜 2010年07月23日 (金) 09時57分(819)
題名:第3話 契約完了


「あっ・・・あの。」

龍希が声をかけるとエクストカリノがくすぐったそうに言う。

(よそよそしいから、敬語とかダメ!)

「え・・・。あっ・・・。はい。」

(もう、はい じゃなくて、うん だろうが!)

エクストカリノに怒られ龍希は謝った。

「ご・・・ごめん。」

龍希は満足そうに笑い

(そうそう。それでいいんだよ!じゃ、行くか。)

エクストカリノは龍希の腕をつかんだ。

「っちょ・・・!行くってどこに?」

龍希の質問にエクストカリノはいたずらっ子のように笑った。

(決まってんじゃん。さあ、鍵を出せ。)

不安を持ちながらも鍵を出した。不安よりも好奇心が勝っていたからだ。
エクストカリノが壁に手を当てた。

(契約の元 精霊エクストカリノと契約者 鳥羽龍希をゲートへ。)

声とともに輝く扉が出てきた。鍵穴が目の前にある。
エクストカリノをみると顎で鍵穴を指名している。
開けろ・・・。ということか。
肩の力を抜き鍵穴に鍵を差し込んだ。
開いてくれ・・・。
心の中で叫んだ。
ゆっくりとまわしていく。

    ガチャリ   

開いた音がした。
壊れないように扉をゆっくりと押す。

   ギィィィィィ

重そうな音を立て扉が開いた。光が中から漏れてくる。

(行くぞ!!)

エクストカリノが強引に龍希の腕をひっぱて中へとはいっていく。
光の中ただ走った。
エクストカリノを道しるべとして。

やがて目の前に何かが見えてきた。

(龍希。飛ぶぞ。)

「え?」

聞き返した時にもう遅かった。
既に飛んでいる。
地面からずいぶん離れている。

と・・・飛んでる。

理解したとたんに恐怖が襲ってきた。

「う・・・うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

(動くな!暴れるなって!!!)

エクストカリノの悲鳴が上から降ってきた。
完全にバランスを崩した。

  落ちる。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

(うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!)

二人の悲鳴が響いた。

黒兎 聖夜 2010年07月26日 (月) 09時20分(824)
題名:第3話 契約完了


   ドスっ

鈍い音とともに激痛が龍希とエクスカリノを襲った。

「ったぁ・・・。」

龍希がそう言って腰をさするとエクストカリノがさも迷惑そうに

(ったぁ・・・。じゃ、ねーよ!龍希が暴れなけりゃ痛くなかったのに・・・。)

「ご・・・ごめん。」

龍希はただ謝ることしかできなかった。
分からないことが多すぎて頭が混乱しているのだ。
まずは、壁に出現した謎の扉。
次に、エクストカリノの正体。
そして、今いる場所のこと。
この三つが龍希の頭の中で渦巻いていた。

はぁぁぁぁぁ。

エクストカリノが長いため息をついた。
そしていきなり立ち上がり

(ここにいつまでもいるわけにもいかない。おい、行くぞ。)

と言う。

龍希は理解できず「はぁ。」とため息に似た返事しかできなかった。
また疑問が浮かんだ。
     行くって・・・どこに?

黒兎 聖夜 2010年07月28日 (水) 09時06分(828)
題名:第3話 契約完了


すなわち、ここは砂漠だった。
この砂漠の中に何があるというのだろうか?
見当もつかない。
もしかしたらあの扉、エジプトにつながっていたんじゃないか?
だとしたらスフィンクスやピラミッドがあるかもしれない。
と、この暑さのせいか変な考えしか浮かばなっかった。

   暑さが龍希の体力を奪う。

もう喉がカラカラだった。
エクストカリノはさっきから軽快に歩くのだが・・・。

「ねぇ。やすまない?」

龍希がきくとエクストカリノが目をまん丸くして聞き返してきた。

(もう、つかれたのか?こんなんじゃ先が思いやられるぜ。なぁ、本当にやすむのか?)

黒兎 聖夜 2010年07月29日 (木) 18時05分(829)
題名:第3話 契約完了


エクストカリノの挑発に龍希はまんまと引っ掛かった。

「ぼっ僕はただ・・・。エクストカリノに気を使っただけだ!」

エクストカリノは二ィッと笑い。

(ほぅ。それは感心だ。・・・。だが、心配ご無用。俺たち精霊はそんなに軟じゃない。)

黒兎 聖夜 2010年07月31日 (土) 15時42分(830)
題名:第四話 イノストラモス城

エクストリカノは軽快に歩きだした。
龍希はさっきから疑問に思っていたことを聞いた。

「ねぇ、僕らは何処に向かっているの?」

エクストカリノは返答せず、黙々と歩いている。
龍希はむぅっとしてもう一度エクストカリノに聞く。

「エクストカリノってば!聞いてる?」

・・・。返答はない。
龍希はむぅぅっとしたままエクストカリノの腕をつかんだ。

「ねぇってば!!」

龍希の重みで右に傾いたエクストカリノは、龍希にむかってつぶやいた。

(ったく、おまえは彼氏に相手されなくてむぅっとしている女子高生か。)

龍希はさらにむぅぅぅっとして言い返す。

「違うよ!僕はただ、さっきから聞いているのに返事しないからこうやってだな・・・。」

(・・・。ホント似てる。)

エクストカリノのさみしげな表情に一瞬たじろいだ。

黒兎 聖夜 2010年09月15日 (水) 16時37分(861)
題名:第4話 イノストラモス城


しばらくの沈黙。

最初に沈黙を破ったのはエクストカリノだった。

(龍希、さっき何処に行くかって聞いた?)

エクストカリノに先ほどまでの悲しげな表情はなかった。

「え?あ、うん。そーだけど。」

龍希が返事すると、エクストカリノは意地悪そうにニヤッと笑って言う。

(俺たちは今から我ら精霊の女王に会いに行くためにイノストラモス城に行く。)

嫌な予感が胸をよぎる。

「そ・・・そのイノ・・イノ何チャラに着くまでにどのくらいかかるの?」

(早くて三日はかかるだろうな。)

「みみみ・・・三日!?」

龍希は早速行く気が失せたようだ。

エクストカリノが攻め口調で言う。

(龍希が暴れてなければ、今頃はとっくについていたんだからな。)

「・・・。」

言い返す言葉が見つからず、龍希は黙った。

(あーあー。三日間もこの砂漠をさ迷わなくちゃいけないのか・・・)

エクストカリノは横目で龍希を見る。

「・・・。・・・ご・・・ごめん。」

小声で謝る龍希にエクストカリノは意地悪なことを言う。

(え・・・?聞こえないんだけどなぁ〜。)

「だから・・・そのぉ・・・。ごめんなさい。」

(ヤダ。)

「本当にすみませんでした。どうか許してください。」

(・・・・。ぷっ)

エクストカリノは土下座する龍希を見て笑った。
突然笑い出したエクストカリノを龍希は見上げる。

アハハハハハ!

愉快そうに笑うエクストカリノ。
つられて龍希も笑いだした。

アハハハハハ!
ハハハハハハ!

何もない砂漠に二人の軽快な笑い声が響いた。


黒兎 聖夜 2010年09月20日 (月) 15時00分(881)
題名:第4話 イノストラモス城


ハハハ・・・はぁ・・・。

一通り笑い終えると、エクストカリノは急に真剣な顔になった。

「どうしたの・・・?」

龍希が聞くと、エクストカリノはある一定の方向を見定めたまま何も言わなかった。

「ねぇってば!」

少し強めの口調で龍希はエクストカリノに問う。

(シッ)

短くそれだけ言うエクストカリノに龍希は再びむぅぅぅぅぅ・・・っとした。

(・・・音が・・・近い。)

ぼそっと呟く。

「え?」

(やばい・・・・。)

ごくっと固唾をのみこんだ。

「だから何が?」

(に・・・に・・・。)

エクストカリノが何かを言おうとした時、サササササッと砂の擦れる音がした。

この音は・・・何?

だんだんと近ずく音に少しばかりの恐怖を覚えた。

(逃げろ!)

ズサササササ・・・。

エクストカリノの叫びに近い声とほぼ同時に、巨大なサソリが砂の中から出てきた。

「な・・・な・・・。何だよこれ。」

龍希の頭の中に一瞬この毒々しい色の巨大サソリに食われて死ぬという最悪なシナリオが浮かんだ。

逃げなきゃ・・・。逃げなきゃ死んでしまう!

頭で理解していても巨大サソリへの莫大な恐怖のせいで足がなかなか上がらない。

お願い。言うこときいてよ!

恐怖と焦りでパニック状態に陥りそうだった。

黒兎 聖夜 2010年10月09日 (土) 15時44分(892)
題名:第4話 イノストラモス城

(龍希!こっちだ!はやくここまで来い!)

エクストリカノはすぐ近くにあった崩れかけた鉄の塊の陰に隠れていた。
エクスタカリノの方に走ろうとするが、足が鉛みたいに重く動かなくなっていた。

「だめだ・・・!動かない。」

恐怖で声が震える。

(はぁ?冗談もほどほどに・・・。)

「動かないんだ!」

必死に叫んでいることに気付いたのかエクストカリノは

(バカ野郎。)

と小さくつぶやいて、目をつぶった。

見捨てられた。

龍希はふとそう思った。
思ってからこの考えを捨てた。
そんなこと・・・するはずがない。
そう思ったからだ。
一緒にいたのはほんのわずかな時間なのに、本能が大丈夫。と言っていた。

「エクストカリノ!」

ありったけの力で叫んだ。

大丈夫。
きっと助けてくれる。

よくわからない安心感と皇后しい光が龍希の回りを渦巻いた。

(龍希!)

「エクストカリノ!」

光に触れた時ほんの一瞬エクストカリノの指に触れたような気がした。

黒兎 聖夜 2010年10月16日 (土) 20時17分(898)
題名:

こんにちは。いつも読ませていただいてます、三枝です。

黒兎さんの小説、とても面白く読まさせていただいています。

頑張ってください!




___私もがんばって続けます。

三枝 涼雅 2010年10月31日 (日) 16時36分(909)


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