貴方が居なくなった部屋
真白な花瓶に 純粋を注いで
真赤な薔薇を挿しましょう
私だけ遺された部屋
紅揺る空気 愛の染みた床へ
暗色のみの海を描く
開け放たれた扉の反響で
傾いた写真 歪んだ景色
温もりの空は私を庇った
★貴方を飾った薔薇の茎を
そっと握りましょう
そして 何れ白も何も鮮明も
命の色を着るのでしょう
素敵に染まって逝くのでしょう
貴方が居なくなった部屋
澄み渡れる蒼を羽織った鳥が来た
悲哀しく綺麗に啼いてる
私だけが残された部屋
心が描いた詩 全て憶えさせて
貴方へ宛て届けましょう
開け放たれた扉は物語る
頁の無い書は 歴史を鎖す
温もりの空は私を殺めた
★貴方を呟く鳥の咽喉を
そっと潰しましょう
そして 何れ蒼も何も鮮明も
命の声を聞くのでしょう
素敵に響いて逝くのでしょう
明日の空に 誰が居ります
明日の星は 誰へ降ります
求める故に離れて行く
其れが愛の狭間なのでしょう