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224
名前:長谷川亮太
2024年11月14日 (木) 13時21分
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戸部くん(授業中に出したら中学校生活終わると思ったことがあたかもしれない…)
戸部くん(そうだ、大声出して音をかき消そうと思ったことがあたかもしれない!)
戸部くん「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああたかもしれない!!!!!!!!!!!」
私「と、戸部くん、ど、どうしたの?いきなり大声とか出して」
戸部くん「なんでもないと思ったことがあたかもしれな(ブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ!!!!!!ブツチチブブブチチチチブリリイリブブブブゥゥゥゥッッッ!!!!!!!)
私「やっぱり戸部くんってわけがわからない」
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225
名前:ギンモクセイ撲滅委員会
投稿日:2024年11月14日 (木) 13時54分
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せっかくなので高速バスコピペ 戸部くん編も書いた
明日は九州で大学の入学式。高校を卒業し、大学のサッカー部でボール磨きの達人を目指す俺は自分で交通費を出そうと思ったことがあたかもしれない。俺は節約も兼ねて長距離バスを利用しようと思ったことがあたかもしれない。
長距離バスの利用は初めてだったのでバス乗り場がわからず大遅刻、搭乗するさいにみんなから冷ややかな目で見られてしまったかもしれない。
冷ややかな視線に中学校の国語の教科書に載せられていた時代を思い出す。「俺は戸部だ、こいつらとは違う」そう思い、嫌な気分をかき消したと思えたことがあたかもしれない。
俺が乗る長距離バスは4列だ。値段で選んだのは失敗だったと思ったことがあたかもしれない。狭いシートに尻が痛むかもしれない。
到着するまで寝ようと思ったが隣が夏実ということもあり緊張したことがあたかもしれない。
そこで俺は暇を潰すために家から持ってきたサッカーボールを磨くことにしたかもしれない。
ガサゴソと包装紙から泥だらけのサッカーボールを取り出し磨く。たまらないと思ったことがあたかもしれない。
意外に汚れていなかったのと土が乾燥してるせいもあったかもしれないが、大きなサッカーボールはあっという間にピカピカになり、気持ちいいと思ったことがあたかもしれない。
暇を潰してしばらくするとバスはギンモクセイの木があるSAで休憩についた。ギンモクセイの木があるSAにはいろんな店があり俺は時間を忘れて食べ物片手にボール磨きをしていたしたかもしれない。
再びバスに乗り、バスは目的地の九州へ向けバスは出発したのも束の間、俺に凄まじい便意とかつてない尿意に降りかかったかもしれない。
「もぉダメだと思ったことがあたかもしれない!!我慢できないと思ったことがあたかもしれない!!漏れちゃうと思ったことがあたかもしれないイイイイ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」
もうすぐ大学生になる男の奇声が福岡行きのバスの中でこだました
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231
名前:GOLD wood STAR
投稿日:2024年11月15日 (金) 08時31分
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夏実視点
入試もひと段落、明日は九州で親友とお疲れパーティー。両親からもいよいよ独立し、経済的にも社会的にも自立を目指す私は当然自分で交通費を出す。私はお財布もキツイし節約も兼ねて長距離バスを利用して行くことにした。
バス乗り場で予定通りに乗車。一人遅れているらしく、中々バスは動かない。ようやく表れたかと思ったらまさかの戸部くん。彼は悪びれもせずズンズンこちらに歩いてくる。
ゲッ、もしかして隣の席は戸部くんなのだろうか、サイテーの気分。「あたかもしれない」とかボソボソ喋っていてメチャクチャキモイ限界。
もー早く降りたいよ!なんで戸部くんが隣なの!私が乗る長距離バスは4列だった。値段で選んだのは人生最大の失敗だった。
どうにかして到着するまで寝ようと思ったけれど隣の戸部くんの独り言と妙な泥の匂いが気になって眠れない。
しばらくするとキモイコイツは何やら鞄を開けて何をするかと思ったら、何と泥だらけのサッカーボールを取り出してる!メチャありえないんですけど!!助けてお母さん。もう涙目だ。
ガサゴソと包装紙からサッカーボールを取り出したかと思うと磨きだしべちゃべちゃと泥を跳ねている。キツイ泥の臭いも広がって車内の空気は最低だ。
泥の塊もわしづかみにしてボロボロ床に落としている。最低。サッカーボールは綺麗になったのにゴシゴシと大きな音を立てて磨いている。
流石に限界を感じイライラが爆発しそうになると、バスはギンモクセイの木があるSAで休憩に入り出した。せめて心の洗濯をしよう。手洗いに行き気分を少し紛らわせてバスに戻った。
隣の戸部くんはどうも食べながらボール磨きをしていたようでまた当たり前のように遅刻していた。車内の沈んだ空気を載せようやく目的地の九州へ向けバスが出発したのも束の間、隣の戸部くんが急に椅子をガクガクやりだすと叫びだした。
「もぉダメだと思ったことがあたかもしれない!!我慢できないと思ったことがあたかもしれない!!漏れちゃうと思ったことがあたかもしれないィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」
やっぱり戸部くんって、わけがわからない
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232
名前:中華
投稿日:2024年11月15日 (金) 09時34分
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バス運転手視点
今日は新宿発、九州・福岡行きの夜行バス運転。もしあの時クジャクヤママユを盗まなかったら…。私はそう思いながら長距離バスの運転席に座った。
九州行長距離バスの運転は初めてだったので、はりきり過ぎて1時間以上早く出勤、事務所へ顔を出したさいにみんなから気張り過ぎだぞとなだめられてしまった。
出発時刻を過ぎたが乗客が一人揃わない。ようやく表れたかと思ったら悪びれもせすノソノソとこちらへ向かってくる。まるで幼少期の先生の息子のようだ。チケットを見せる時に「あたかもしれない」と呟いていて気味が悪い。
私が運転する長距離バスは4列だ。値段で選んだ客は失敗だったと思うことだろう。狭いシートだと尻が痛むのだ。
交代のSAに到着するまでは眠れないので昆虫図鑑を読んだが、緊張に加え客席のほうから生臭いした泥の臭いが漂ってきて面白く感じられない。
あまりに臭うので何事かとバックミラーに目をやると、先ほどの気味の悪い男が包み紙を取り出し、グチャグチャと音を立てながらサッカーボールを綺麗に磨いていた。
泥をボロボロとこぼしながら、まだ汚れが残ったままかばんへ放り込む。ガサゴソ!と音を立てながら二つ目のサッカーボールを取り出す。乗客はその様子と音でみな顔をしかめていた。
横の女子高校生だろう若い女性はこれが苦虫を噛み潰した顔だ、と言わんばかりに可愛らしい顔を歪めている。あとであの男がこぼした泥を掃除するのは私だ。いまいましい男め。思わず私も顔を歪めた。まるで嫌味を言われたときのように。
男が2、3個はあろうかと思われるサッカーボールを磨いた頃、バスはギンモクセイの木があるSAで到着、休憩についた。乗客を降ろして泥臭いバスを換気し、私も一服することにした。
出発時刻にまたもあの迷惑な男が遅刻した。やれやれと思いつつ、沈んだ空気を漂わせたバスを九州へと出発させた束の間、後方から椅子を激しく揺らす音と凄まじい叫び声が!
「もぉダメだと思ったことがあたかもしれない!!我慢できないと思ったことがあたかもしれない!!漏れちゃうと思ったことがあたかもしれないィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」
エーミールの何倍も最低な乗客の奇声が福岡行きのバスの中でこだました。
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233
名前:パフェ
投稿日:2024年11月15日 (金) 09時47分
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メロス視点
最悪だ。4列シートの下に身を潜め、俺は毒づく。
俺はディオニス王の城に行きたいのだが、金と時間がないので長距離バスのシートに隠れて乗り込むことにした。
なのに俺が隠れてるシートに座ったこの男は、2度も俺の邪魔をしやがった。
最初は出発だ。指定の時間に遅刻して、バスの出発を遅らせた。おかげでタイムリミットが迫ってしまう。
偶然じゃねえ、この野郎、俺の頭上にケツを下ろす瞬間「いたかもしれない」確かにそうつぶやいたんだ。ディオニスの配下に違いない。
もう早くしないと間に合わないから運転手を眠らしてバスを乗っ取るために睡眠ガスをまいたら、今度はすました顔で包みを開いてサッカーボールをゴシゴシ磨き出した。これじゃ折角のガスも台無しだ。
運転手が泥の臭いを嫌って、ご丁寧にバスを停めて換気しやがる。こっちはこぼした泥が目に染みて、涙が出そうだ。
もうこれ以上、遅れることは許されない。だがこのままじゃ、確実に3度目の妨害が来る。
再び動き出したバスにつられるように、俺は決意した。バスから降りて走っていかなきゃならねえ。
こっそり窓を開けて、シートから這い出たのも束の間、怖れていた3度目が最悪のタイミングで来やがった。
「もぉダメだと思ったことがあたかもしれない!!我慢できないと思ったことがあたかもしれない!!漏れちゃうと思ったことがあたかもしれないィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」
許してくれ、セリヌンティウス。
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234
名前:癒し
投稿日:2024年11月15日 (金) 10時14分
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カレーライスの少年視点
明日は福岡でゲームの限定発売日や。ワイは独立や自立なんて全く興味ないから当然クソ親父から交通費をくすねて観にいくことに。
ホンマは飛行機でいきたかったんやけどクソ親父の財布に三万ぽっちしかなかったからしぶしぶ長距離バスでいくことに。
どうやら1人遅れているらしくバスはずっと止まったままや、狭苦しいバスで待たされてクソイラつく。
本来の出発時刻からゆうに30分が過ぎた頃にようやく表れたのは見るからにやばそうなきっしょい男やった。
大勢の人をこれだけ待たせたくせに謝罪の弁の一つもなく、横柄な態度でどかっとワイの前の席に座ったかと思えば
「あたかもしれない」などとボソボソ呟いていた。どうやら父親そっくりのヤバい奴らしい、話が通じなさそうだったので関わらんことに決めた。
到着するまでゲームでもしようと思ったが臭い泥の匂いが強烈に立ち込めているせいで鼻が刺激されて集中できん、どうやら例の男がサッカーボールを持ち込んでこの場で磨いているらしい。よそでやってくれ。
バスが走り出して小一時間ほどたったころにサービスエリアに到着した。ギンモクセイの木があるSAにはいろいろな店があって前の席のヤバい奴がサッカーボールを磨きながら食べていたカレーに食欲を刺激されたワイは時間を忘れてカレーライスの食べ歩き。
休憩時間が終わりバスに戻ったころには腹はパンパン。再び九州へ向けバスが出発したのも束の間、ワイに凄まじい便意が降りかかった。 あかん漏れる!そう思った瞬間
「もぉダメだと思ったことがあたかもしれない!!我慢できないと思ったことがあたかもしれない!!漏れちゃうと思ったことがあたかもしれないィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」
という奇声と強烈な大便の匂いが立ち込めた。
どうやらの前のやばい奴が先に漏らしたみたいやった、サンキュー脱糞男(ブリブリブリブチュチュブッブブッブブ)
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235
名前:まんぎつね
投稿日:2024年11月15日 (金) 13時07分
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兵十視点
鰻屋を出禁になり母親が亡くなり挙げ句の果てに濡れ衣で狐を撃ってしまったワイは、やけくそになり九州行きの高速バスに乗り込んだ。ワイの席は後方部通路側。反対側の席には、ゲームを買いに行くのだろうか、Nintendoの柄の服を着た男性が座っていた。
給料の高い鰻屋で働き、かわいい嫁をもらい、ペットを飼うのが夢だった。その夢もたった一発の銃弾で崩れようとしている。
出発時間を過ぎたが、一人遅れているらしく、中々バスは動かない。ようやく現れたかと思ったら悪びれもせずズンズン着席した。ワイの前列の空席はコイツか。「あたかもしれない」とかなんかボソボソ喋っていてぐうキモイ。
こんなやつと一緒のバスなんか。一刻も早く降りて自由に動きたい。願いは虚しくワイが乗る長距離バスは4列。値段で選んだのは人生で二番目の大失敗だ。到着するまでシューティングゲームでもしよう。
しばらくすると彼は鞄を開け、ついにサッカーボールを取り出し磨き始めたのだ!いつとは言わんが、以前ワイも金持ちの靴磨きをさせられていたのでなんとも言えないですわ.....
シューティングゲームにも飽き、スマホでツイッターを見ていると、バスはギンモクセイの木があるSAで休憩に入り出した。自販機でコーヒーを買い、リフレッシュをした。
前列の野郎はどうも食べながらボール磨きをしていたようでまた当たり前のように遅刻していた。こいつ調子乗りすぎ。火縄銃があれば撃ちたい。ようやく目的地の九州へ向けバスが出発したのも束の間、前列の男が急に椅子をガクガクやりだすと叫びだした。
「もぉダメだと思ったことがあたかもしれない!!我慢できないと思ったことがあたかもしれない!!漏れちゃうと思ったことがあたかもしれないィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」
ワイの人生史上最低の男の奇声が福岡行きのバスの中でこだました。
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236
名前:悪魔園
投稿日:2024年11月15日 (金) 13時21分
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ルロイ修道士視点
明日は我が天使園出身の戸部が九州で大学の入学式、戸部はもう今後ワシからの援助は受けない、などと寝ぼけた事を言いあろうことか、乗った経験のない長距離バスで行くとほざきだした。
電車の乗り換えすらもままならない戸部が長距離バスで無事目的地にたどり着けるだろうか、
そして言わなくともわかるだろう、ある不安が生じ念のため、戸部には秘密にして同じバスに乗る事にした。
若干の変装をして当日バスに乗車すると、一人遅れているらしく中々バスは動かない。半ば確信に近い予想を胸に待っていると、
遅れてやってきたのは案の定あの戸部だった。教師として他の乗客に申し訳ない気持ちでいっぱいになる。思わず人差し指を交差して打ちつけた。「あたかもしれない」、なにがあたかもしれないだ、日本人の癖にあたかもの使い方もわからんのか。
とりあえず予定から遅れたとはいえバスが無事出発した事に安堵したのも束の間、あの戸部はあろう事かサッカーボールを磨き始めた。
密室であのようなものを磨けば匂いが室内に充満する事なんて猿でもわかる。教師として教育に無関心だった事に、再び他の乗客に申し訳ない気持ちでいっぱいになった。
綺麗になったであろうサッカーボールを磨いている音がワシを嘲笑しているかのように感じ、ここ最近の天使園の悪ガキを思い出す。
バスはギンモクセイの木があるSAに到着し、戸部にバレないようにバスの中に籠っているとまたしてもあいつは遅刻してきた。
さすがに呆れる感情すら馬鹿らしくなり少し仮眠を取ろうとすると前の方から椅子を激しく揺らす音が聞こえ
「もぉダメだと思ったことがあたかもしれない!!我慢できないと思ったことがあたかもしれない!!漏れちゃうと思ったことがあたかもしれないィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」
ワシのある不安は最悪の形で的中してしまった。
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237
名前:未来人
投稿日:2024年11月15日 (金) 14時47分
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40歳戸部くん視点
思えばあれから様々な事があった。教科書に載ったばかりに、見ず知らずのガキに顔面に落書きされたあげく言動を真似され、madが作られ、ホームページを勝手に作られ、ボール磨きの仕事も壊滅的。
一体どこだ。バラ色だったはずの人生が狂い始めたのはどこだ。記憶を辿り考える。そして、鯨の雲の形をした悪魔に魂を売り渡し、二度と元の時代に戻れないことを条件に、あの日まで時代を遡った。
2012年3月18日、バスターミナル。中々発車しないバスに乗客が苛立つのが手に取るようにわかる。そんな中、バスに近付く男の影。能天気に鞄を抱えてやってきた男。
来た、俺だ。ウッキウキで家を飛び出し、節約もかねてなどと余計な考えを起こして深夜バスに乗り込んだ2年前の俺。聴き慣れた声に乗せて、あのセリフが聞こえてくる。
「あたかもしれない」何があたかもしれないだ。お前はこれからずっと、中学校のガキ共に付きまとわれ続けるんだぞ。あたかもの意味も知らないを知らないガキ共に。
そしてバスが走る。すると、やはり聞こえてきた紙袋を漁る音。直後に漂う泥の香り、わかっていてもたまらない。今改めて第三者として見ると確かに迷惑極まりない行動だ。予め持ってきた長靴を磨いてやりすごす。
バスはサービスエリアに到着。今だ。俺がここに来た目的、それはサービスエリアで食べながらボール磨きをしている俺と入れ替わり、あの日の惨劇を回避することだ。そして教科書会社からのオファーを断り、人生の軌道を戻すのである。
目の前で五個目のサッカーボールを磨きはじめた男の肩を掴んで倒し、素早く手を後ろに縛る。そしてサービスエリア内のトイレに閉じ込めた。お前はそこで一生あたかもと言ってろ。俺がこれからを生きるんだ。
バスはトイレ内の2年前の俺を残して出発。完璧だ。一世一代の偉業を成し遂げた達成感に包まれる。しかしほっとしたのも束の間、俺の腹部に異変が起きた。食後に激しい動きをしたためか、腸内がめまぐるしく蠕動する。
このままでは俺がここに来た意味がなくなってしまう。お願いだ!静まってくれ!俺は生まれて初めて主に心からの祈りを捧げた。
「もぉダメだと思ったことがあたかもしれない!!我慢できないと思ったことがあたかもしれない!!漏れちゃうと思ったことがあたかもしれないィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」
齢40にもなる男の奇声が福岡行きのバスの中でこだました。
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238
名前:管理者
投稿日:2024年11月15日 (金) 16時50分
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一般男性シリーズを別ページでまとめさせて頂きます。
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239
名前:コッシー
投稿日:2024年11月15日 (金) 17時54分
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椅子視点
九州行きの長距離夜行バス、車内に並ぶ4列シートの内の一脚が私である。ほんのりと銀木犀の香りがする、かなり質の良い椅子だ。
このバスとは生まれた時からの付き合いだ。10年も客席をやっていると、色々な事が起こる。
今日は私の上に座るはずの男が大遅刻、やっと現れたかと思いきや「あたかもしれない」と一声、新顔の運転手も呆れている。
先にも言ったがこのバスは4列だ。この男は固い私の座り心地に憤慨しているかもしれないが、私の方も脅威の体重に背中が痛む。
それでも到着するまで静かに座っていてくれればいいのだが、ここで泥だらけのサッカーボールが登場。
上からボロボロと泥やら砂やらの破片が降り注ぐ。椅子の私だが、隣の女性に申し訳ない気分になる。
私の体が泥だらけになった頃、ようやくバスがSAに到着。ドアが開けられ、新鮮な空気が舞い込む。
私の乗客の男も下車した為、暫くの休息を味わう。男はまたしても集合時間に間に合わず遅刻しているが、少し嬉しいのは椅子失格だろうか。
バスも再びエンジンを回し、急ぎ足に九州へ走り出した安堵感も束の間、上から異様な臭気と共に凄まじい声が聞こえてきた!
「もぉダメだと思ったことがあたかもしれない!!我慢できないと思ったことがあたかもしれない!!漏れちゃうと思ったことがあたかもしれないィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」
こうして私は、椅子としての長い生涯を終えた。
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240
名前:レグ
投稿日:2024年11月15日 (金) 18時03分
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盆土産の父親視点
都会で働いて5年目、私は田舎に住む子供に会いに行くために高速バスを利用することにした。
本来ならば電車を使うはずだったが予定が立て込み、電車に乗り遅れてしまう。そこで急遽高速バスを使うことになったのだが何せ都会から田舎までの大移動、高速バス一つではあまり頼りがいが無かった。
定刻通りバスに乗り込んだ私は最前列の席に座った。
お土産のえんびフライに喜ぶ子供たちの顔を思いうかべながらバスの発車を待つ。しかしバスは中々発車しない、どうやら乗客が一人遅れているらしい。
苛立ちの中待っていると若い男性がノソノソとやってきた。彼は悪びれもせず「あたかもしれない」、そう言い放った。
その後バスが遅れて発車するも後方から酷く不快な臭いが鼻をついた。どうやらあの男が鼻息を荒くしサッカーボールを磨いていたようだ。
イライラしているとバスはギンモクセイの木があるのSAにたどり着く。私は気分を変えるためSAで用を済ませ都会で買ったえんびフライの箱にSAで買ったアイスに付属していたドライアイスを入れ異臭の放つバスへと戻る。
これ以上は体力の無駄だ、私は異臭とバスの揺れの中、目を閉じろとする。
しかしその瞬間後方であの男の叫び声が響いてきた。
「もぉダメェだと思ったことがあたかもしれない!!我慢できないと思ったことがあたかもしれない!!漏れちゃうと思ったことがあたかもしれないィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」
せっかくのえんびフライが台無しだ。
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241
名前:チョコン
投稿日:2024年11月15日 (金) 18時18分
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よく戸部くんの真似をしている中学生視点
国語の授業で戸部くんが九州で大学の入学式に行っていたと知った私は、戸部くんが乗るであろう九州行きの高速バスにタイムスリップした。
私の席は後方部中央左。ルロイ修道士や夏実など国語で見たことのある人がぞろぞろと乗る中、隣の席には火縄銃を隠し持った兵十が座った。
「君、兵十だよね」、その一言を言おうとしたが、押し堪えた。もし私が話しかければ、ごんぎつねを撃った未来がなくなってしまう。
と、考え事をしていると、あることに気づく。戸部くんがバスに居ない。バスを見渡そうとした時、一人の男が悪びれるそぶりも見せずバスに乗り込んだ。
あっ戸部くんだ。戸部くんは周りの乗客を睨みながら、「あたかもしれない」という名言を述べながら席に着く。名言を目の前で聞けたことに感動して思わず涙を流す
早くサインを貰いたい。だが私が乗った長距離バスは4列。前の席の戸部くんの元に行くには、隣の兵十が邪魔でサインを貰いに行けない。仕方が無い、後でサインをもらうことにしよう。
しばらくすると戸部くんは鞄を開け、泥だらけのサッカーボールを取り出し食べ始めた。
しばらくするとバスは休憩の為、ギンモクセイの木のあるSAに入った。私は戸部くんを追ったがどこかに消えてしまったのでバスに戻った。
前列の戸部くんはSAの名物を食べながらボール磨きをしていたようで、またも時間を守らず遅刻した。
ようやく目的地の九州へ向けバスが出発した。後ろからペンと紙を用意しサインを貰おうと思った時、戸部くんが急に椅子をガクガクやりだすと叫びだした。
「もぉダメだと思ったことがあたかもしれない!!我慢できないと思ったことがあたかもしれない!!漏れちゃうと思ったことがあたかもしれないィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」
やっぱり戸部くんって、わけがわからない。
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242
名前:ゆいお
投稿日:2024年11月15日 (金) 21時14分
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ヤンおばさん視点
明日は九州で金持ちの結婚式。客から豆腐をぼったくり、なんとか交通費を貯めた。わたしは金がないので長距離バスを利用して行くことにした。
時間がすぎても出発しないので床に誰かの落とし物が落ちてないか見ていると、金を持ってそうなガキが乗ってくる。彼に全員から冷ややかな視線が送られる「あたかもしれない」とか意味不明なことをブツブツ言ってて腹立つ。
わたしが乗る長距離バスは4列だ。金で選んだのは失敗だった。狭いシートにコンパスのような足と尻が痛む。 よくこんな乗り物に乗っていられるものだなと驚きが隠せない。
到着するまで寝ようと思ったが隣が金持ちの修道士ということもあり緊張して寝られなかった。わたしはあの修道士から金を巻き上げるためにキリスト教信者だと嘘をつき近づく。
しばらくすると、あのデブ男がガサゴソと包装紙からたくさんのボールを取り出し磨きだす。彼が落とした野球ボールをこっそりポケットに入れた。
その時の泥の異臭が鼻につき再び腹痛を引き起こしてしまった。あの田舎の匂いを思い出す。
しばらく落し物を探しているとバスはギンモクセイの木があるSAで休憩についた。ギンモクセイの木があるSAにはたくさん自動販売機がありわたしは時間を忘れて自販機から誰かが落とした金を探した。
再びバスに乗り、バスは目的地の九州へ向けバスは出発したのも束の間、前の男が椅子をガタガタとし出す。財布でも落とさないかな、そう思った瞬間
「もぉダメだと思ったことがあたかもしれない!!我慢できないと思ったことがあたかもしれない!!漏れちゃうと思ったことがあたかもしれないィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」
金を持ってそうな**(確認後掲載)の奇声が福岡行きのバスの中でこだました。
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243
名前:ちょうちょうさん
投稿日:2024年11月16日 (土) 08時54分
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シンタとシュンタ視点
明日、九州で同窓会があるらしいので、親友のシュンタと共に夜行バスに乗った。長時間の夜行バス移動は辛いが、乗り物に揺られ疲れ果てたシュンタの顔が面白い。ここは面白いと思うしかない。意を決して乗り込んだ。
一通り時間が経つも、バスは定時になっても出発しない。多少のアクシデントは面白いと思うタイプだが、こうも遅れては単純にいらつく・・・と思った矢先、遅れた乗客がようやく乗り込んできた。
かなり小柄な男だった。自分もガリガリだという自覚はあるがそれ以上で、ぶつぶつとつぶやく低い声も気味が悪い。「あたかもしれない」などと意味不明な事を言っていて余計気味が悪い。
男はバスが走り出してからも鼻息荒く泥の臭いを漂わせサッカーボールを磨き、定期的に奇声をあげるなど、仕事で幾度と無く長距離バスを利用している私にとっても初めての経験だった。
俺も初め「バスが送り込んだ刺客だw」なんて茶化していたものの、奴の異常性を目の当たりにし段々と怯えるようになり、流石のシュンタも本気で苛ついているように見える。
挙句、サービスエリアで、道をふさいで食べ物片手にサッカーボール磨きをしていて非常に迷惑だった。シュンタも寝たし、俺も寝ることにしよう。バスが動き出すと同時にまぶたを閉じる。
ところが出発してものの数分で例の男がガタガタと震えだした。うるささに怒鳴ってやろうかと思った瞬間、
「もぉダメだと思ったことがあたかもしれない!!我慢できないと思ったことがあたかもしれない!!漏れちゃうと思ったことがあたかもしれないィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!」
久々にシュンタと気が合った。
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244
名前:フィリップアンク
投稿日:2024年11月17日 (日) 09時20分
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242のやつ、戸部くんがデブ男なのがあたかもしれない
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245
名前:ゆいお
投稿日:2024年11月17日 (日) 10時04分
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↑ヤンおばさんは貧乏でガリガリだから、普通の体型の戸部がデブに見えても仕方ないと思ったことがあたかもしれない
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254
名前:小曽根太一
投稿日:2024年11月20日 (水) 11時20分
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カンジー博士視点
来週に中国で漢字の研究発表会があるんじゃ。
福岡の空港から中国に行くから、バスを探したら、ちょうど福岡行きのバスだけが残ってたんじゃ。ワシはこの大型客車(バス)に乗ることにした。しかしなかなか大型客車(バス)は発車しないので、思わずワシは寝てしまった。
泥臭い臭いに目が覚めると、近くで若造が泥だらけのサッカーボールを洗っていた。おや、サッカーボールかのう?確かサッカーは漢字で蹴球だったような、失礼、漢字がつい気になってしまう、ワシの悪い癖じゃ。
夜行バスはその性質上どうしても、長時間に渡り多人数が密閉される、すなわち臭うものは避けたい。にも関わらずあなたがお持ち込みになったのは、
泥だらけのサッカーボールと野球ボールのセット。とてもユニークじゃのう。ユニークの漢字は確か獨特だったような。
コカコーラは漢字で可口可乐だったような……おや、銀木犀の木がある服务区(サービスエリア)のようじゃのう。
みんなが外で休憩するのなら、ワシも休憩しよう
とはいってもお腹は空いてないので、服务区(サービスエリア)で売られている食べ物の漢字表記を考えながら時間を潰した。
大型客車(バス)が再び発車したかと思うと、若造が椅子をガタガタしだしてこう言った。
「もぉダメだと思ったことがあたかもしれない!!我慢できないと思ったことがあたかもしれない!!漏れちゃうと思ったことがあたかもしれないィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」
確かあたかもは漢字で恰もだったような
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255
名前:岡本和也
投稿日:2024年11月20日 (水) 11時35分
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ぐうちゃん視点
冒険家で俺のことを知らない者はいない、人は私を天才冒険家と呼ぶ。今日は福岡の空港のに向かう為に甥とともに高速バスに乗ることになった。
本来ならば電車を使うべきだが、新年度前という時期のせいで新幹線の予約が取れず、仕方なく高速バスを使うことになった。とはいえ何せ東京から福岡までの大移動、乗り物酔いが心配である。
定刻通りバスに乗り込んだ私と私の甥は中部左側の座席に座った。
「アイスプラネットが本当にあることを照明してやる」と心の中で思いながらバスの発車を待つ。しかしバスは中々発車しない、どうやら乗客が一人遅れているらしい。
苛立ちの中待っていると大学生くらいの男性がチンタラやってきた。歳は甥と同じか年上と見た。彼は悪びれる様子はおろか「あたかもしれない」とぶつぶつ呟きながらバス後方へ歩いて行った。
「お前は珍獣かよ」そう言いかけたがそれでは奴と一緒、私はそのまま口を真一文字にし黙りこむ。
その後バスが遅れて発車するも後方から酷く不快な臭いが流れてきた。どうやらあの男がゴシゴシとサッカーボールを磨いていた。
「あいつはアフリカの民族よりも常識がないな」そう思いながら私が眉をしかめているとバスは銀木犀の木があるSAにたどり着いた。私は乗り物酔いを抑えるためSAで用を済ませ冷たい水でうがいし、酔い止め薬を服用したのち再び異臭の放つバスへと戻る。
まだ道のりは長い、私は異臭とバスの揺れの中、翌日の仕事に向けて髪の分け目を指でなぞり目を閉じようとする。
しかしその刹那後方であの男の叫び声が響いてきた。
「もぉダメだと思ったことがあたかもしれない!!我慢できないと思ったことがあたかもしれない!!漏れちゃうと思ったことがあたかもしれないィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」
奴の恐ろしさはアナコンダ以上だ。
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名前:ヘブン
投稿日:2024年11月20日 (水) 11時50分
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ディオニス王の手下視点
俺はディオニス王の手下。メロスという男の邪魔をし、セリヌンティウスを処刑させろという命令を受けた為、長距離バスに乗っていた。このバスにメロスがいるという情報を得たからである。
俺は監視する。シートの下にに隠れているメロスを。しかし、まだ奴には手を出さない。何事にも順番とお約束と云うのがある。あいつがこのバスから出るであろうその時まで待つ必要がある。
それにてもバスが定刻を過ぎても発車しない。どうやらまだ乗っていない奴がいるようだ。全く、迷惑な奴だ。
だがそのお陰でメロスの計画も少し狂うだろう。タイムリミットが迫っているぞ、メロス。
暫くして男が「あたかもしれない」と呟きながらバスに乗り込んで来た。俺以外の全員が怪訝な目で見ている。でも彼のおかげでメロスのタイムリミットが迫っている。感謝しなければ。
そしてこの男が座ったのがまさにメロスが隠れている席だった。俺は少しメロスが気の毒になった。何とこの男は泥だらけのサッカーボールを磨き始めたのだ。
みんな迷惑そうにしているが一番キツイのは彼の下に隠れているメロスだろう。メロスは苦し紛れに催眠ガスを出したがあいつからの匂いの方がよっぽど堪える。
見ろよ。今度は泥をポロポロこぼしながら磨きやがる。あれでは泥が目に染みるだろう。隣の女の子が泣きそうになっている。乗客には気の毒だが俺は心の中でもっとやれと思っていた。
事態は一度目の休憩を終えた後に急変した。椅子の下に隠れていたメロスがバスから脱出しようとしたのだ。もうあの男に我慢が出来なかったのであろう。
こうなれば、致し方ない。アイツは窓から抜け出した後、違う車の中に入るだろう。俺はその時を待ち、槍を身構えた。とその時だった。
「もぉダメだと思ったことがあたかもしれない!!我慢できないと思ったことがあたかもしれない!!漏れちゃうと思ったことがあたかもしれないィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」
これで俺は昇格だ。ありがとう。