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ディオニス王の手下視点 俺はディオニス王の手下。メロスという男の邪魔をし、セリヌンティウスを処刑させろという命令を受けた為、長距離バスに乗っていた。このバスにメロスがいるという情報を得たからである。 俺は監視する。シートの下にに隠れているメロスを。しかし、まだ奴には手を出さない。何事にも順番とお約束と云うのがある。あいつがこのバスから出るであろうその時まで待つ必要がある。 それにてもバスが定刻を過ぎても発車しない。どうやらまだ乗っていない奴がいるようだ。全く、迷惑な奴だ。 だがそのお陰でメロスの計画も少し狂うだろう。タイムリミットが迫っているぞ、メロス。 暫くして男が「あたかもしれない」と呟きながらバスに乗り込んで来た。俺以外の全員が怪訝な目で見ている。でも彼のおかげでメロスのタイムリミットが迫っている。感謝しなければ。 そしてこの男が座ったのがまさにメロスが隠れている席だった。俺は少しメロスが気の毒になった。何とこの男は泥だらけのサッカーボールを磨き始めたのだ。 みんな迷惑そうにしているが一番キツイのは彼の下に隠れているメロスだろう。メロスは苦し紛れに催眠ガスを出したがあいつからの匂いの方がよっぽど堪える。 見ろよ。今度は泥をポロポロこぼしながら磨きやがる。あれでは泥が目に染みるだろう。隣の女の子が泣きそうになっている。乗客には気の毒だが俺は心の中でもっとやれと思っていた。 事態は一度目の休憩を終えた後に急変した。椅子の下に隠れていたメロスがバスから脱出しようとしたのだ。もうあの男に我慢が出来なかったのであろう。 こうなれば、致し方ない。アイツは窓から抜け出した後、違う車の中に入るだろう。俺はその時を待ち、槍を身構えた。とその時だった。 「もぉダメだと思ったことがあたかもしれない!!我慢できないと思ったことがあたかもしれない!!漏れちゃうと思ったことがあたかもしれないィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」 これで俺は昇格だ。ありがとう。 |