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よく戸部くんの真似をしている中学生視点 国語の授業で戸部くんが九州で大学の入学式に行っていたと知った私は、戸部くんが乗るであろう九州行きの高速バスにタイムスリップした。 私の席は後方部中央左。ルロイ修道士や夏実など国語で見たことのある人がぞろぞろと乗る中、隣の席には火縄銃を隠し持った兵十が座った。 「君、兵十だよね」、その一言を言おうとしたが、押し堪えた。もし私が話しかければ、ごんぎつねを撃った未来がなくなってしまう。 と、考え事をしていると、あることに気づく。戸部くんがバスに居ない。バスを見渡そうとした時、一人の男が悪びれるそぶりも見せずバスに乗り込んだ。 あっ戸部くんだ。戸部くんは周りの乗客を睨みながら、「あたかもしれない」という名言を述べながら席に着く。名言を目の前で聞けたことに感動して思わず涙を流す 早くサインを貰いたい。だが私が乗った長距離バスは4列。前の席の戸部くんの元に行くには、隣の兵十が邪魔でサインを貰いに行けない。仕方が無い、後でサインをもらうことにしよう。 しばらくすると戸部くんは鞄を開け、泥だらけのサッカーボールを取り出し食べ始めた。 しばらくするとバスは休憩の為、ギンモクセイの木のあるSAに入った。私は戸部くんを追ったがどこかに消えてしまったのでバスに戻った。 前列の戸部くんはSAの名物を食べながらボール磨きをしていたようで、またも時間を守らず遅刻した。 ようやく目的地の九州へ向けバスが出発した。後ろからペンと紙を用意しサインを貰おうと思った時、戸部くんが急に椅子をガクガクやりだすと叫びだした。 「もぉダメだと思ったことがあたかもしれない!!我慢できないと思ったことがあたかもしれない!!漏れちゃうと思ったことがあたかもしれないィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」 やっぱり戸部くんって、わけがわからない。 |