| 本文: |
兵十視点 鰻屋を出禁になり母親が亡くなり挙げ句の果てに濡れ衣で狐を撃ってしまったワイは、やけくそになり九州行きの高速バスに乗り込んだ。ワイの席は後方部通路側。反対側の席には、ゲームを買いに行くのだろうか、Nintendoの柄の服を着た男性が座っていた。 給料の高い鰻屋で働き、かわいい嫁をもらい、ペットを飼うのが夢だった。その夢もたった一発の銃弾で崩れようとしている。 出発時間を過ぎたが、一人遅れているらしく、中々バスは動かない。ようやく現れたかと思ったら悪びれもせずズンズン着席した。ワイの前列の空席はコイツか。「あたかもしれない」とかなんかボソボソ喋っていてぐうキモイ。 こんなやつと一緒のバスなんか。一刻も早く降りて自由に動きたい。願いは虚しくワイが乗る長距離バスは4列。値段で選んだのは人生で二番目の大失敗だ。到着するまでシューティングゲームでもしよう。 しばらくすると彼は鞄を開け、ついにサッカーボールを取り出し磨き始めたのだ!いつとは言わんが、以前ワイも金持ちの靴磨きをさせられていたのでなんとも言えないですわ..... シューティングゲームにも飽き、スマホでツイッターを見ていると、バスはギンモクセイの木があるSAで休憩に入り出した。自販機でコーヒーを買い、リフレッシュをした。 前列の野郎はどうも食べながらボール磨きをしていたようでまた当たり前のように遅刻していた。こいつ調子乗りすぎ。火縄銃があれば撃ちたい。ようやく目的地の九州へ向けバスが出発したのも束の間、前列の男が急に椅子をガクガクやりだすと叫びだした。 「もぉダメだと思ったことがあたかもしれない!!我慢できないと思ったことがあたかもしれない!!漏れちゃうと思ったことがあたかもしれないィィィィィ!!(ブリブリブリドバドビュパッブブブブゥ!!!!!ジョボボボボジョボボボ!!!!!!!ブバッババブッチッパッパッパパ!!!!!!」 ワイの人生史上最低の男の奇声が福岡行きのバスの中でこだました。 |