悟った人が悟った人を見たら、ああこの人悟ってるなと分かることもあるけど、普通は気が付かないことがほとんど。ということを何かで読んだ記憶があります。
たぶんですが、悟った人は「わたし悟りました」とは言わないのではないでしょうか。だから悟っている人を探すのは難しいことになりそうですね。
申請の件ですが、初めの頃は真剣に考えた末での行為のためそれで上手くいかもしれませんが、二世代、三世代の頃になるとなかば事務的な作業になってきて、あっちこっちで「悟り資格」を持っている人が出てくることになりそうです。
今の世の中もそうですが、「資格」という言葉に縛られて本人の価値が見えなくなっていることが多いです。あの人は認定されているからという言葉だけが先行して、肝心な教えはどこへやら、となってしまうのではないでしょうか。
とある武道を例にとってみますと、数ある流派があるなかでほとんどが「この道場こそが開祖の教えを守ってきた流派である」と言っていることが多いです。じゃあみんな同じことを教えているのかと言えば、形こそは似ているものの内容はバラバラであったりします。
一子相伝のような認定であるならば、こういったことも起きにくいかもしれませんが、一の師匠が十の弟子に認定をすると、十の弟子は守っていたとしても、そこからの派生によって最初の教えが変わっていくことは歴史が物語っています。
ゆえに「どうでしょう？」と問われれば、私は「それはちょっと賛成できません」と答えることになりそうです。
次に、
＞修行が上手くいかなくて、ノイローゼ気味になっている人の話をよく聞きます
ということに関してですが、これは私も少し経験あるのでわかります。
この時に私が気がついたことは、「修行の結果を妄想している」ということでした。
私は普段の瞑想をアーナパーナサティで行なっているのですが、とにかく呼吸が気に入らない時期がありました。うまく呼吸ができないんですね。それでイライラするのです。そこで気が付きました。「理想的な呼吸を妄想しているではないか」と。
落ち着いた呼吸であれ、荒れた呼吸であれ、苦しい呼吸であれ、その、いま行なっている呼吸こそが真実であるとわかった時にイライラはなくなりました。
程度の差はあれど、修行によってノイローゼ気味になる場合は、修行の結果を妄想してしまっていると思います。
もうこれだけしているのだから、ここまで出来るはずだ。とか、
あの人はここまで出来ているのに、私も出来ないとおかしい。とか、
本に書いてある情報だとここでこうなるはずだ。とか。
そういった妄想と現実が噛み合わないから「おかしい、いやだ」という反発の瞋りが起こり、結果ノイローゼ気味になるのだと思われます。すべての現実、例えば、
もうこれだけしているけど、まだここまでしか出来ないや。とか、
あの人はここまで出来ているけど、私は出来ないや。とか、
本に書いてある情報だとここでこうなるはずだけど、実際はちょっと違うなぁ。とか。
そういった現実に気がついて、いま行っていることこそが真実で、その状態が修行をしている私であると理解しながら修行すれば、それほど悩むこともなくなってくると私は思います。
悩み苦しみがなくなりますように。
2013年01月15日 (火) 11時29分 No.2141
