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慈悲の瞑想フルバージョンの中に、「すべての生命は、自分の業を相続します」というフレーズがあります。また、「無始なる輪廻の中で自分の親兄弟でなかった生命はいません」と念じるフレーズもあります。
ふと思ったのですが、私が抱えている「業」というものはほかの人の「業」と交じり合ったり、また、分裂したりすることはあるのでしょうか。世の中にはシャム双生児のように、一つの肉体に2つの心をもって生まれてくる方もおられます。直感的には業は交じり合わないような気はするのですが、なんとなく疑問に思い質問させて頂きました。よろしくお願い致します。2020年10月07日 (水) 12時22分 No.4941
- 小象こんにちは。
フルバージョンを念じて、誰でも家族であったのだ、みんなお世話になったことがある生命ばかりなのだ、
と思うと、安らぎますね。
また、戒めにもなりますよね。
ところで、「私が抱えている業」というところに、ヒントがありそうです。
「私」とは、その場、その状況によっていくらでも変わる心です。
ある特定の場で、その人の状況、状態、周囲の環境、いろいろな条件に影響された心が、
生まれて消えます。
この、どのような心が生まれるのか、が業です。
抱えているのではなく、その場の原因、条件によって一時的に現れるんです。
心が生まれて消える、これは全く一度きりで、同じものは生まれません。
例えば今の瞬間、すべての生命がそれぞれ何を認識しているのか、違います。
それは瞬間でまた違うものに変わりますが、どのように変わるか、その変わり方も違います。
どのような心が生まれるか、どのように変わるか、業によるということです。
今、(ここは)ちょうど雨が降ってきたのですが、
それを見ても生命それぞれに認識は違うでしょう。
思う事も違うし、良い感覚や嫌な感覚など感じることも違うし、人間以外の生命もまた違う認識でしょう。
どうして違うかというと、その個体の身体の作り、今までその生命がしてきた行為、
それによって生まれた認識、などがそれぞれ違います。
良い感覚が生まれるのか、悪い感覚が生まれるのか、その感覚がどの程度か、または全く無執着なのか、
みんな違いますね。
そして生命はみな、次にまた行為をしますが(大雑把に言えば、雨だと認識して次に何をするのか)、
これも業によるのです。
ですので、「直感的には業は交じり合わないような気はする」というのはお考えの通りです。
私もそうだったのですが、心、業をなにか形ある物体のように考えてしまっているときに、
交じり合ったりするのかも?という風に思考が組み立ってしまうように思います。
科学にうといのでこの例えで合っているのか自信がないですが、
水と水は、交じり合うでしょうか?
というか、交じり合うものって、あるのでしょうか?
そう考えていくと、面白いし理解が進むのでは、と思います。
(仏教では、現象はすべて組み立てられたものと言います)
2020年10月08日 (木) 16時31分 No.4944
- 小象こんにちは。
追記させて頂きます。
kammassakatāsammādiṭṭhi
「個が所有するものは業であるという正見(業自性正見)」
これが、パティパダー2014年9月号
念処経講義、法の随観、四聖諦の観察(諦の部)17
苦しみの滅尽の道 道諦 八正道の1 正見
に載っていました。
参考になるかと思いまして、書かせて頂きます。
https://j-theravada.net/dhamma/tobira/tobira045/
こちらも、協会のHPに載せてくださったパティパダーの智慧の扉の記事です。
お読みになっていなかったら、スマナサーラ長老の書いてくださったものをあげてくださっていますので、
ぜひお読みになってみてください。
(勝手にリンクを貼っていいものか、解りませんが、すみません。有難うございます。)
2020年10月10日 (土) 17時01分 No.4947
ご解説ありがとうございました - ケイジ小象さん 業についてご解説ありがとうございました。解説を読んでいて、心=業=なにか形のあるものという理解をしていたのですが、心は瞬間で変わっていくものなので、どうも違うみたいだというところまではわかりました。業についてはスマナサーラ長老のご解説のお釈迦様のお言葉にもあるようにあまり思い詰めないようにしようとおもいます。それよりも心についてよい原因を作っていくという事に精進していきたいと思います。どうもありがとうございます。2020年10月13日 (火) 21時59分 No.4952