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抗がん剤治療と慈悲 - 白ブドウ MAIL
ネットで知り合った方が抗がん剤治療されてるとの事を聞き、なぜこの人がそんな目に合わなくては・・・と思ってしまいました。同時に、医者や神様に文句を言いたくなりました。
仏教のアプローチとしては、慈悲の心で過ごすしかないと、それはわかっているつもりですが、なかなか難しいのが現状です。
今「小林久隆氏が光免疫療法」が現在は臨床第3相試験を実施中とのことです。少しネットの知識を読み漁った程度ですが、こちらの治療法は副作用が全く無い方法です。このような技術が早く実現され、彼女が完治して欲しいと願っています。幸せでありますようにと思うのは当然なのですが、健康寿命がありますように、健康で寿命を全うされますようにと願ってしまいます。抗がん剤と放射線治療は正常な細胞も壊すため、副作用が強いと聞きます。しかし現在彼女にはこの2つの選択肢しかないとの事でした。それがあまりに酷いと思ってしまいました。
それとYoutubeのスマナサーラー長老の講演で癌になるのも本人の希望が適ってるんですよと言っていて、私もテーラワーダ仏教を少し勉強させて頂いておりますので、業や因縁の事なんだろうなと理解はしておりますが、納得している反面、好きで癌になろうと思う人がいるんだろうか?と思ってしまいます。
何が言いたいかと言うと、慈悲の気持ちで明るく生きるのはその通りだと思います。
しかし、私はそれだけでなく、彼女の病気が完治して欲しい、健康寿命がそもそも延びて、寿命を全うして欲しいと考えてしまいます。これは欲なんでしょうか?それと彼女にどう接して良いか、元気が出て希望がもてるような言葉をどうかけてあげれば良いのかわかりません、仏教的アプローチを今一度ご教授頂けないでしょうか?
2019年08月26日 (月) 13時06分 No.4395
Re.抗がん剤治療と慈悲 - ひろ
どうもこんばんは。
他人の病を見るのは辛いものですね。
先ずその混乱が早く無くなりますようにとここに誓願を致します。

誰でも心身ともに健やかに、苦しみなく幸せに長生きしたいと思っています。

選択できることがあり、やるべきことがあるにもかかわらず、第三者があまりにも酷いと思ってしまう事は、慈悲ではなく愚かさです。

「癌になるのも本人の希望が適ってる」というお話に関しては、白ブドウさんが業や因縁の事というのは少し理解されているようですが、その本質をご理解されていないのかもしれません。
「癌」というものがあり、「癌」になりたいと思って「癌」になっているわけではありません。
癌というのは変異した細胞の状態の呼称です。

癌になるというのは、「今までの因縁や業によって生きてきた結果」です。
それ以上でもそれ以下でもありません。
つまり、癌になること自体、善悪でもなく、どれか一つの要因によって起こっているわけではなく、過去の複合的な状態の結果です。
過去は本人の希望通りに生きた結果ですので、そういう意味で「癌になるのも本人の希望が適ってる」という事です。
その理(ことわり)が分かっていないのはやはり愚かさ故です。

「彼女の病気が完治して欲しい、健康寿命がそもそも延びて、寿命を全うして欲しい」
というのは、どういった心の状態で生じたものなのでしょうか。

例えば、彼女さんを見ていてその実、「他人の病を見ているのは自分の病を見ているようでああ嫌だ」というのは慈悲ではなく、愚かさです。
また、「病は治るものであって欲しい。でないと自分が病になった時に嫌だ」という思いから相手の平癒を願う事も慈悲ではなく愚かさです。

「寿命を全うして欲しい」というのも、愛別離苦や死は忌み嫌うものである、という思いがあるのなら慈悲ではなく愚かさです。

彼女さんを通して自分を妄想しているのはすべて愚かさです。

愚かさに気づかないまま過ごすと、彼女さんが回復しようが仮に旅立とうが、白ブドウさんが平穏になることは無いでしょう。

彼女さんが回復しても、別の方や自分自身が病に倒れた時に愚かさ故に苦悩し、また回復しなかった場合は毎日24時間一緒に過ごしたとしても、もっとああすればよかったと後悔の念で苦悩するでしょう。

最後になりますが、仏教的なアプローチはとてもシンプルです。
「私はやるべきことを行っている。あなたもやるべきことを行ってください。あなたがもしまだやるべきことを行っておらず心に悩み苦しみが生じているのであれば、早くやるべきことを行って心の悩み苦しみが無くなりますように」
それが慈悲です。

そして白ブドウさんの心が少しでも落ち着いたのなら、それをすべての衆生に回向してください。
それが喜捨です。

再度白ブドウさんの混乱が早く無くなりますようにとここに誓願を致します。
2019年08月29日 (木) 15時08分 No.4399
取り急ぎ思い付いたアドバイスを。 - tamotsu
想像してみてください。

自分が、インフルエンザや風邪でまったく動けないで寝込んでいるときを。
そんなときに、横であなたが病になったことは、理不尽だと悲しんでいる、つまり怒っている人がいるとします。

つらい、しんどい、助けてくれと思っているときに
怒っている人が横にいて助けになりますか?
よりしんどくなりませんか?

その人が自分の病に対して打ちのめされて、
悲しみ(つまり怒り)に沈んでいる人に
一緒になって悲しんでも(怒っても)何にもならないのです。

怒るひとに怒らないでいることは、
最高の行い(癒し)をしているとお釈迦様が言います。
悲しみも同じです。

慈悲の瞑想は、慈悲喜は、分かるものの、捨の部分が、
分かりにくく、疎かになります。

捨は、起こったことを起こったまま受け止めて
怒りや悲しみに囚われないようにする心です。

生老病死は、避けられないものと、受け止め、
でも、やれることをやろうと奮起しなければなりません。

まず癌ならば、今ある癌細胞を取り除いて
これ以上増殖しないようにしなければなりません。

小さければ、手術で切除ののち、薬(抗がん剤)で
癌細胞を殺します。
抗がん剤は、色々とあります。
ただ細胞を攻撃するので、
体は排除しようと拒絶反応をおこします。
これが辛く大変です。
他にも体質によって、色々な抗がん剤を
お医者さん達が一生懸命調べて選んでくれます。

また分子レベルで癌細胞を殺す分子標的薬もあります。
これは、ピンポイントで癌細胞を殺すので、
拒絶反応もほとんどみられません。

抗がん剤が効くかどうか、
遺伝子を調べるゲノム解析も最近では始まり、
無駄でただ苦しい投薬を減らそうとしています。

放射線は、抗がん剤で取り除き切らない癌細胞があるかも知れないので、照射して癌細胞を殺します。
放射線は、遺伝子レベルの小さい器官を壊せるので、
癌細胞をしっかり取り除けるのです。

放射線治療もピンポイントで病巣だけを狙ったりできるようになってきています。
通常の放射線治療よりも正常な細胞を壊さないで癌細胞を殺す効果の高い陽子線、重粒子線を使った放射線治療もあります。

このように体の中の癌細胞を取り除いて治療し、
だんだんと日常生活に戻っていきます。

なぜこのように長々と治療を書くかというと、
こうやって治すのだ、
いまこういう目的でこの治療をしてるのだ
と病人本人がわかっているのが重要なのです。
訳もわからず体を預けるのは、不安を助長するからです。

だから病気の人にいまやっている治療は、こんなことを目的にやっていて、
お医者さんはこうしようとしてるんだよ、
と説明して理解を手伝ってあげて、
気持ちを落ち着かせてあげることも十分な手助けになります。

ともかくもできることは沢山あります。

ヴィパッサナー瞑想で捨の心で世の中を見られるように
自分を訓練して、
邪見が正見になるよう精進をします。
こんなことしても助からないじゃないかなどと悲しむ心は、無常をみない邪見です。
苦しみが増すばかりです。

邪見は、あって当たり前ですから、
なるべくこれをなくそうとしながらことにあたるのです。

そして慈悲の瞑想をして優しい心で、病の人の手助けをします。

正見と慈悲の気持ちがあれば、
手助けになる方法は自然と思いつきます。

他人からの慈悲の心は、悲しみに打ちのめされた人々には
すーっと元気の湧く甘露の泉です。
お坊様たちが、我々に常に向けている心です。

自分程度なんかという気持ちになるかもしれませんが、
それは、卑下慢という無知の心です。
これもヴィパッサナーで観察して少なくしていってください。

ヴィパッサナーと慈悲の瞑想をして、
心を鍛えて、調えて
何が病の人に起こっているか、何をしてあげれるのか、
理解と手助けを見出だしてみてください。










2019年08月29日 (木) 15時08分 No.4400
追記 - tamotsu
>彼女の病気が完治して欲しい、健康寿命がそもそも延びて、寿命を全うして欲しいと考えてしまいます。これは欲なんでしょうか?

これは、苦しみがなくなってほしいという悲と、
幸せになって欲しいという慈しみの心です。

>抗がん剤と放射線治療は正常な細胞も壊すため、副作用が強いと聞きます。しかし現在彼女にはこの2つの選択肢しかないとの事でした。それがあまりに酷いと思ってしまいました。

ただこれは、怒りです。
酷いと思ってお手上げになり、物事を壊す方に気持ちが向かっています。

全部の抗がん剤が辛い拒絶反応を出すものではないのです。
体質によります。
放射線がうまく当てられれば、
他の正常な細胞をそんなに傷付けることなくすむことも
考えられるのです。

落ち着いてください。
正しく知識を得てください。
彼女の病が完治する可能性を狭めるほうでなく
拡げる方にもっていってください。

慈悲の心と怒りの心が交互に発生しています。
慈悲が、多く生じるように、怒りは少なくなるように。
慈悲の瞑想で増やしてヴィパッサナー瞑想で減らして
対処していくようにしてください。

2019年08月29日 (木) 15時08分 No.4401
ご返信ありがとうございます - 白ブドウ MAIL
ひろさん tamotsuさん、ご返信ありがとうございます。
貴重なご意見、まず真剣にご返信頂けたことに感謝致します。
2019年08月30日 (金) 14時59分 No.4404


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