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生きとし生けるものが幸せでありますように。
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こんにちは、いつもTwitterやホームページから協会の記事を読ませていただいております。スマナサーラ長老のおかげで、仏教が自分の生きる指針になり、日々実践しようと努力しています。以下が質問内容です。
協会ホームページに掲載されている「ジャータカ物語」を読んでいて、最近、疑問に思ったことがあります。ジャータカ物語では、お釈迦様が説法をするために昔話をたくさん引用するのですが、その中にたくさんのお釈迦様の前世の動物たち(豚、長者、牛、オウム、猿など)が出てきます。どの前世であっても僕たち人間が、誰も敵わない様な素晴らしい人格者であるのに、お釈迦様はゴータマシッダールタとして生を受けるまで、どうして生まれ変わって生まれてしまったのでしょうか?ゴータマシッダールタと、お釈迦様のそれ以前の前世との決定的な違いはなんでしょうか?あれほど素晴らしいのに、輪廻してしまうなんて、人格が到底敵わない自分には、希望がなくなった様に感じたのです。
貴重な時間を割いて、メールを読んでいただきありがとうございます。
生きる指針を与えてくださった、スマナサーラ長老を始め、テーラワーダ仏教を支えていらっしゃる方々に深く御礼申し上げます。生きとし生けるものが幸せでありますように。
これからも日々精進いたします。2019年06月26日 (水) 15時02分 No.4312
Re.お釈迦様の前世はこんなにすごいのに。。。 - ひろどうもこんばんは。
「どうして生まれ変わって生まれてしまったのでしょうか?」
とのことですが、普通に考えて生存欲などが残っていたから輪廻転生したんだと思います。
さらに動物などは悪趣(畜生道)ですので、色々やられたんだと思います。
「ゴータマシッダールタと、お釈迦様のそれ以前の前世との決定的な違いはなんでしょうか?」
という問いに関しては、ブッダとなる最後の生で一切全部やりつくして卒業(解脱)の道を見つけられたのだと思います。
ですので悟りを啓かれたときに一切智を身につけられたのだと思います。
恐れ多すぎて、卑下慢がでるのであれば、ブッダの事を「大親方」と呼び変えても良いのではないでしょうか。
ちなみに私はブッダの事を「大先生」と呼ばせていただいておりますが、ご本人から未だにクレームが来たことがありません。
重要なのは慢が出ずに、継続して修行が続けれるかどうかです。2019年07月04日 (木) 17時25分 No.4332
こんにちは。
やや考察っぽくなりますが・・
釈尊がゴータマ・シッダールタとして生まれる以前との決定的な違いは、下記のような条件がすべて揃ったためではないかと推察します。
・人間として生まれたこと。
・修行文化のあるインドに生まれたこと。
・二人の仙人に弟子入りしサマタ瞑想を極めたこと。
・ご自身の身体を利用して苦行を実践したこと。
などが解脱・涅槃に至る悟りための必要条件になっていたと考えられます。
解脱するためには、唯一、ヴィパッサナー瞑想という手段を用いて、五蘊は無常・苦・無我であることを体験しなければならないとされていますが、当時のインドにはサマタ瞑想しかありませんでした。
特に、お二人の仙人に弟子入りして、非想非非想処を短期間の内に会得されたのは、前世からの修業による清らかな心を育てていたためではないかと推察します。ちなみに、ヒマラヤの仙人のサマタ瞑想は、マントラ(呪文)によりサマーディ(禅定)を作ると何かの本に書かれていたことを記憶しています。
その後、ご自身の身体を利用して苦行を繰り返し、その度に、体に起こる感覚の変化を観察していたようです。
この両極端の二つの修業の経験があったからこそ、中道による修業方法が生み出され、瞑想に「観察」を取り入れたヴィパッサナー瞑想が完成したのだと推察します。
その結果、生命にとって唯一の救いの道が開かれたのだと思います。
2019年07月04日 (木) 17時25分 No.4333
(補足)お釈迦様の前世はこんなにすごいのに。。。 - ひろどうもこんばんは。
回答に関して参考元の仏典を記載し忘れましたので、補足いたします。
大般涅槃経(マハーパリニッバーナスッタンタ)の中で、出家者に説かれた教えが二か所出てきます。
(岩波書店ブッダ最後の旅~大パリニッバーナ経~中村元訳より)
第二章
コーティカ村にて
修行僧たちよ。四つのすぐれた真理をさとらず、通達しないが故に、この長い時間にわたって、わたしもお前たちも、このように流転し、輪廻したのである。その四つとはどれどれであるか?
1.苦諦
2.集諦
3.滅諦
4.道諦
第四章
一生の回顧~バンダ村へ~
修行僧たちよ。四つのことわりをさとらず、また通達しなかったから、わたしもお前たちも、この長い時間のあいだ、流転し、輪廻したのである。その四つとはどれどれであるか?
1.戒
2.定
3.慧
4.解脱
ブッダになるからと言ってダンマのことわりに逆らうことはできません。
ダンマにそって生きなければ解脱への道は無いという事です。
ダンマにそった生き方をしていないので、ダンマに懴悔する。
スマナサーラ長老の動画を見て思い出しました。2019年07月08日 (月) 18時21分 No.4337
納得ができました。解脱に至るまでには、生存欲が残っていらっしゃったから、なんども生まれてしまったのですね。確かに、動物として生まれてしまったら、生きるために他を殺し、食べていかなければなりませんよね。。。「大先生」と呼んでいらっしゃるとのこと、自分も習わせていただこうと思います笑。
また、条件が揃ったから、道を発見することができたとの考察、大変興味深いです。4つの条件、なかなか揃うことがなさそうです。2つの両極端な修行から、中道を発見し、解脱・涅槃に至るヴィパッサナー瞑想の発見までに様々な条件が必要だったんですね。そのように考えると、現代でもお釈迦様の教えを聞くことができる私たちは、大変ありがたい時代に生まれたということでしょうか。
ひろ様、イエモン様。ご丁寧に、お返事ありがとうございます!大変参考になりました。おふたりが幸せでありますように。2019年07月08日 (月) 18時21分 No.4341
匿名希望様
YouTube収録時にスマナサーラ長老にお訊きしたのですが、機材トラブルで収録できていませんでした。こちらでコメントします。……
お釈迦さまは「ブッダになる」という特別な誓願をして四阿僧祇十万劫という長期間、あえて輪廻を繰り返して修行をされたのです。
悟りを拓くだけではなく、正等覚者としての能力を完成するための特別なカリキュラムで、それだけの時間が掛かったということです。ですから、お釈迦さまでさえ輪廻してしまった……と悲しむ話ではありません。
わたしたちはお釈迦さまがブッダになったおかげで現れた仏道に今生で出会えたことを稀有な機会として、仏道に励み、この世で修行完成することを目標としたほうが良いのです。
ちなみに、菩薩の期間が四阿僧祇十万劫といっても、その間には禅定修行なども行い寿命が極端に長い梵天にいた期間などもあるでしょうから、菩薩の間ずっと人間や動物として生まれ変わったわけではないと思います。
以上です。
2019年07月17日 (水) 19時37分 No.4355
ひろ様、追加での経典の情報、ありがとうございます。経典を探していただけると、あとで参考になるのでとてもありがたいです!
naagita(admin)さま、いつも動画を拝見させていただいております。とても分かりやすく、ありがとうございます!また、質問に取り上げていただき、ありがとうございます。四阿僧祇十万劫、想像ができないほど長い時間ですね。お話、身が引き締まる思いです。自分も頑張ろうと思います。2019年07月29日 (月) 10時06分 No.4367