江邑民部さんとの文芸シリーズ新作です。待賢門院璋子(たいけんもんいんたまこ:鳥羽天皇の皇后)に寄せる、西行法師の恋を描いた歌。家マークからご視聴下さい。
『願わくは 花の下にて〜西行禁断の恋〜』
歌唱: 沢 伸一
作詞:江邑 民部
作曲:佐谷戸 一
(語り)<願わくは 花の下にて 春死なむ その望月(もちづき)の 如月(きさらぎ)のころ ――西行法師――>
1.桜の花の 降りしきる
宴(うたげ)の席で 出逢いし二人
花の化身は 待(たい)賢門院(けんもんいん)
西行の 妣(はは)の似(に)姿(すがた)
北面の武士、詩歌(しいか)の巨匠
抗(あらが)う術(すべ)なく 恋にぞ堕ちぬ
2. 篝(かがり)火(び)燃えて 闇深く
御簾(みす)の内へと 導き入れて
伏すは女御(にょうご)の 待賢門院
白き肌 艶(えん)に光りて
絹ずれの音 妙(たえ)なる響き
愉悦(ゆえつ)の極み 西行忘我
3. ひと夜かぎりと 誓えども
生身の西行 面影去らず
月の光に 緋色(ひいろ)の花弁に
中空(なかぞら)に 充つる香りに
遍(へん)在(ざい)す、そは 女人(にょにん)の姿
まさしく仏性(ぶっしょう) 円光(えんこう)なるや
(語り)<にほ照(てる)や 凪(な)ぎたる朝に 見わたせば 漕(こ)ぎゆく跡の 浪(なみ)だにもなし ――西行法師――>