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[ No.6003 ] 葛の葉伝説 2023年10月12日 (木) 01時56分
投稿者:佐谷戸 一 mail

河村民部さんの文芸シリーズの新曲、お聴きください。今回は谷崎潤一郎「吉野葛」をベースに書かれた詞。家マークからもどうぞ。
    https://www.youtube.com/watch?v=wsQ4w-GmP-c

【葛の葉伝説】 歌唱:沢伸一、作詞:江邑民部、作曲:佐谷戸一

狐が人に 化けたのならば
妣(はは)の姿に 身をば装(よそお)ひ
現われ出(で)るも 不思議なからん

母なる葛の葉 慕いては 
訪ね行きたる 童子(どうじ)のごとく
我も真似して 妣上恋ひて   
信太(しのだ)の杜へ 駆けり行きたや


千本桜 道行きに似て   
親子狐(ぎつね)に 我も倣(なら)いて
初音の鼓 静(しずか)慕える

忠信狐(ただのぶぎつね)に 化身して
吉野山なる 花雲(はなぐも)を分け
恋ひし者らの 道行きとなん
洒落ては見たが 夢に過ぎぬや


現(うつつ)か夢か 吉野の山を
訪ね求めば 妣の手引きか
現れたるは 夢の乙女子(おとめご)  

妣なる香りを 隠し持つ
妣にしありて 舞姫静(しずか)      
我は子にして 忠信狐
その女人(ひと)恋し 妻に乞ひたや

[ No.6005 ] 歌詞の紹介 2023年10月12日 (木) 18時44分
投稿者:江邑民部 mail

佐谷戸さん、ありがとうございます。
ぼくの方からは、YouTubeでも紹介したものですが、この歌詞の紹介を、簡単にさせて頂きます。ご視聴頂けましたら、幸いです。

 谷崎の「母恋ひもの」第2弾をお送りします。第1弾は「幻夢の女(ひと)」で『母を恋ふるの記』をベースにしたものですが、今回は『吉野葛』をベースにしました。この物語は谷崎の友人が谷崎を連れて吉野山に亡き母(妣)の実家を訪ねる話ですが、最初に出てくるのが「信太の森伝説」の話で、狐が母に化けて子を産んだが、素性が知られて、泣く泣く元の古巣である信太の森に帰って行く際に、障子に「恋しくは 尋ね来て見よ 和泉なる 信太の森の うらみ葛の葉」という歌を残します。息子の童子(安倍晴明)が母恋しさに、この森に駆けだして行きます。
 この伝説のように早くに母を亡くした谷崎の友人(大阪の商家の若旦那)が妣を恋ひて、吉野にあるという実家を訪ねて行き、そこで母に似た乙女を見かけ、その娘を自分分の妻にするという話ですが、これに歌舞伎・浄瑠璃で有名な『義経千本桜』の義経と静御前の吉野への道行の話が加わって、話の糸が複雑になります。義経が後鳥羽上皇から別れに貰った「初音の鼓」を、形見に静に呉れてやるのですが、それを静が打つと、その音に惹かれて駆けてくるのが、義経の部下の、これまた静を慕う佐藤忠信です。だが忠信の正体は鼓の皮にされてしまった母を慕ってやって来た子狐なのです。その正体を見破られるのですが、忠信狐は追手を掛けられた静を連れて姿を晦ます道行を敢行します。
 そこで谷崎の友人の商家の若旦那は、自らを母を恋する子狐になぞらえて、谷崎を連れて妣の跡を追うというわけですが、その友人は、実の所、谷崎自身の母恋ひを仮託した人物と言ってよいでしょう。谷崎自身が忠信と静の道行き同様に、初音の鼓に惹かれて信太の森へ、そして吉野へと母捜し・恋人探しの旅をしたのでしょう。

[ No.6004 ] 佐谷戸さん ありがとうございます 2023年10月12日 (木) 07時02分
投稿者:奈良市 徳田 勝行 mail

谷崎潤一郎の「母恋ひもの」第2弾を拝聴。 現地へ出かけての撮影行もおお疲れ様でした。こうして聴かせていただくと、作詞の苦労がひしひしと伝わります。素晴らしい作品を発表していただき感激してます。 河村先生、ますますのご活躍を!





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