投稿日:2002年10月29日 (火) 09時55分
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茶色い髪がショーウインドに映って、光にきらきらしてる。 「似合うよ」みんなそう言ってくれた、短めの髪。 靴紐がほどけてたから結び直そうと思って、しゃがんだとき 涙が地面に黒い跡をつけた。 「ばかみたい」ひとり呟いたらとまんなくなって、通り過ぎる人たちの足取りがぼやけてた。
くしゃくしゃのプライドがそれでも捨てられず、「負けるものか」って生きてきたけど、悲しみは消えない。 誰かが手を差し伸べてくれる日を待つほど、弱い自分がいるなんて知らなかった。
「黒い髪がスキ。長い髪がスキ。」 君の言葉を思い出してる。 あのヒト、黒くて長い髪だったことも思い出してる。
うまく結べない靴紐。 誰かがまた、通り過ぎていった。 |
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