なかなか視聴者のニーズを事前に読むことは難しい。
でも、確実に言えることは、「自分が面白くないと思ったものを視聴者が面白いと思ってくれることはない」し、「自分が面白いと思ったものは視聴者にもちゃんと面白さが伝わっている」ということだと思う。
そしてその中で、視聴者が求めていることが読めるようになり、それをしっかりと全うしようと思うようになる。
自分は中継やスタジオを仕切りたいわけじゃない。現場でバンバン映像を撮ってきたいわけでもない。高度で絵の繋がりの良い編集をしたいわけでもない。
視聴者に面白いものを届けたい。
そのための“ネタ”を考えたい。
そしてそれを形にしたい。
そのことはたとえ報道という分野でも変わらないのだということを、この2年半で教えてもらった。スタジオの雰囲気から、一見シックに見えて真面目そうな番組でも、VTRは実はエスプリとアイロニーに富んだオモロイVTRだったり、逆にバラエティに富んだポップな番組であっても、VTRが真面目腐った面白みのない物だったりする。例え同じ人が作っても面白さがまったく違ってしまうのは、それはその番組の雰囲気のよるものなんだろうと思う。
そういった状況の中で、いま自分だけ、面白いものを形にする「自由」が与えられていることは、とても幸いなことだと思う。
「夜のリアルタイム」なんて作っても誰も見ない。そりゃみんな、スーパーニュースを見る。