降格のタイミングで移籍するキャプテンは要らない。彼は玉田じゃない。ジーコに一度も呼ばれていない。彼は大野じゃない。出場機会を求める必要はなかったし、不満があったら選手を代表して上に言うべき立場だった。また彼はミョンボでもない。何度かキャプテンを任されたが、何か効果があったとは思わなかった。つまりは、監督・フロントとともに降格の責任がある立場だ。ただ、選手は監督ではないし、選手として良いプレーをすれば、辞める必要はない。彼の責任の取り方は、不動のボランチとして守備を安定させ、J1に昇格させることだった。
キャプテンだから移籍しちゃいけないんじゃない。「降格したチームのキャプテン」が移籍しちゃいけないと思う。「環境を変えたい」、何故このタイミングなのか。たまたまどうしても移籍して環境を変えたかったタイミングが降格の年だったのかも知れない。でも、だったら昇格を目指すために1年は思いとどまるべきだった。
とにかく今は、移籍した明神という選手への失望感しかない。今まで北嶋であれ下平であれ大野であれリカルジーニョであれ、これから玉田が移籍しようが、柏レイソルのために頑張ってくれた人は気にして応援してきた。そして帰ってきて欲しいと思った。応援する気がしないのは初めてだ。二度と帰ってくるなと思うのは初めてだ。
もちろん明神の貢献度は計り知れないし、応援してきた選手トップ5には入る選手。もともと「どうでも良かった選手」なんかではない。好きな選手だった。
こんなに簡単に、今までの思い入れが崩れて敵対心に変わることって、怖い。