[660] 2024/06/19/(Wed)18:25:17
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名前 |
Seigo
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タイトル |
ドストエフスキーの小説の特徴(15) |
本文 |
※追記更新 24/06/20 17:42
登場人物が殺害に見舞われること。その殺害は日常において凶行される。
殺害が未遂に終わるのは『白痴』のムイシュキン公爵、『未成年』のヴェルシーロフとカテリーナ・アフマーコワぐらいで、『カラマーゾフの兄弟』『罪と罰』『悪霊』『白痴』をはじめ、作中では、当人は運命として受け入れていくかのような殺害とその屍(しかばね)の沈黙が進行する。
ムイシュキン公爵の場合にしても、黒澤明監督の映画『白痴』を観(み)て、嫉妬に狂うロゴージンに付きまとわれるムイシュキン公爵の怖れ戦(おのの)きが、ショーウインドウ越しにナイフが光るシーンから生々しく伝わってきて、こちらまで心震(こころふる)えてしまったのでした。
 [黒澤明の映画『白痴』より。]
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