[670] 2024/08/09/(Fri)17:18:21
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名前 |
Seigo
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タイトル |
ドストエフスキーの小説の特徴(16) ― ドストエフスキーはあらゆるジャンル・内容を描いた? |
本文 |
※追記更新 24/08/11 13:47
小説のジャンル・内容・登場人物・手法が多岐にわたること。
作家の庄司薫さんの言葉だったと思うが、ドストエフスキーの小説は、あらゆるジャンルに渡っていて、描かなかったものがない、といったことを述べた文章に以前接したことがあった。それを聞いて、え、ほんとにそうかな、とその時は思ったが、描くことが無かったとされる歴史小説、自然豊かな田園物語、戦争小説・冒険小説・海洋小説・スポーツ小説・グルメ小説等についても、作中にそれに類した内容やシーンを持つ作品を挙げることはできるように思う。
主なものを列挙してみると、
・恋愛小説(三角関係、四角関係)、失恋や浮気や嫉妬を扱った小説 ・レズやホモが出てくる小説、官能的な描写を含む小説 ・夫婦を扱った小説、親子や兄弟を扱った小説、家庭小説 ・少年たちの物語、少年たちのイジメを扱っている物語 ・犯罪小説、推理小説、裁判を扱った小説、ミステリー小説 ・監獄生活を描写した小説 ・社会小説、社会革命を扱った小説 ・心の病を描いた小説、サイコパス小説、 ・ホラー小説 ・幻想小説、ファンタジー ・寓意小説、風刺小説 ・ユーモア小説 ・シュールな小説 ・SF的ユートピア小説 ・ギャンブルを扱った小説 ・音楽家や音楽のことが出てくる小説 ・手紙、ピストル、ナイフ、絵、夢、死、出産、料理、祭、火事、札束、遺産相続、決闘、暗殺、自決、紙細工、楽器、当時新しく現れたもの(鉄道など)、等が出てくる ・いろんな階層・社会・性格の人物と老若男女の登場、生き物(犬・ワニ・蠅・ウイルスなど)の登場
といったジャンル・内容・シーン・小道具・登場人物だけでなく、
・三人称小説、一人称独白体小説 ・往復書簡体小説 ・リアリズム描写、幻想的な描写 ・フィクション、ノンフィイクション ・メタ小説
といった手法・形式などの面でも、ドストエフスキーは、作家として、いろんなことに取り組んでいると言えるだろう。

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