[692] 2024/11/16/(Sat)21:20:20
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名前 |
Seigo
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タイトル |
ドストエフスキーの洞察と警鐘 |
本文 |
次の森和朗氏の文章には、大いに感心したものだ。
ドストエフスキーは神秘的な宗教思想家と見られがちだが、近代の科学技術が人間に突きつける問題を彼ほど鋭く洞察した人がいるだろうか。「二二が四という方程式」の天文学的な射程を、おそらく彼は直感的に見通していたであろう。 [森 和朗『ドストエフスキー 闇からの啓示』(中央公論社1993年初版)より。]
科学・数式尊重の合理主義の風潮や科学技術や文明の進展に対するドスト氏の洞察や批判、警鐘は『地下室の手記』『白痴』『カラマーゾフの兄弟』などにおいて聞くことができる。 近代社会におけるその流れはとめることが出来ず、現代においては特に顕著であり、ドスト氏の警鐘には今後も耳を傾けるべきであろう。

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