ドストエフスキーの「情報・意見」交換ボード
※他の情報や話題の書き込みも、どうぞ。
「事項・テーマ」一覧  HP  HTMLタグ一覧

名前
タイトル
本文
編集・削除のキー
[735] 2025/02/25/(Tue)20:51:17
名前 Seigo
タイトル 江川卓訳『カラマーゾフの兄弟』の復刊(文庫化)を願う
本文 江川卓訳『カラマーゾフの兄弟』の復刊は、私も願っていることです。

当訳は、いろんな点で優秀なのですが、過去に、集英社の世界文学全集で二種ほど刊行されましたが、それらは、今は、絶版になって、稀少の古書か図書館のぶんで入手しなければなりません。

サイト「復刊ドットコム」は、氏の『カラマーゾフの兄弟』の訳の良さに注目して、以前から、復刊賛同の声を募り、復刊に向けて運動をしています。→ こちら

できれば、文庫本で復刊してもらいたい。
主な出版社ではすでに『カラマーゾフの兄弟』は文庫本で現在も書店に並んでいますから、刊行元の集英社さんか、この前、望月哲男さんの訳で『白痴』の新訳を出した河出文庫さんがよいのではないでしょうか?

[734] 2025/02/22/(Sat)14:03:36
名前 Seigo
タイトル ドストエフスキーの概説のこと
本文   ※追記更新 25/02/23 11:23

ドストエフスキーの概説については、百科事典に掲載の、

・江川卓氏のぶん(こちら)

・中村健之介氏のぶん(こちら ※真ん中あたりにあり。)

が、比較的長文で、独自の見解も少々打ち出されているが、内容は無難だと思う。


ウイキペディアのぶんも、いろいろと無難に参考になるが、アンサイクロペディアのぶん(こちら)は、皮肉と諧謔(かいぎゃく)が効(き)いている。


出版社の記述では、以前挙げた通り、光文社編集部のぶん(こちら)が短文ながら鋭い。


なお、当ページでは、当初より、こちらにまとめている。自分なりに今後も更新を続けて記述内容を深めていきたい。
   
[733] 2025/02/19/(Wed)20:00:16
名前 Seigo
タイトル ドストエフスキー関連のネット上の動画や記事をリンク
本文   追記更新 25/02/20 19:23

以前ネット上のドストエフスキー関連のめぼしい記事を一部リンクさせていたコーナーを設けていましたが、考えがあって後に外しています。
最近、ネット上のそういった記事や動画で目に付くものがあり、そのコーナーをコーナー「リンク」内に復活させました。 → こちら
今後、随時、追加してリンクしていく予定です。

その中でも、『罪と罰』をめぐっての意見交換の中での作家石田衣良氏のドストエフスキーについての率直な発言には注目しました。→ こちら


そのほかとして、人文系方面以外のぶんも含めて、各分野の本、各分野のページに関しても、最近、〈その他のコーナー〉内に
  コーナー「各分野の本
  コーナー「各分野のページ
を設けて、その蓄積を始めたところです。
      
[732] 2025/02/17/(Mon)19:56:47
名前 Seigo
タイトル ドストエフスキーの小説の特徴(18)
本文 ドストエフスキーの小説の特徴として、描写の面で、作中に自然や風景の描写が少ないということが言えるだろう。

登場人物が落ち合った部屋で長く会話をする屋内の場面が多くて、作者の関心と注意はその会話に集中している、ということでもある。
   
[731] 2025/02/15/(Sat)16:56:28
名前 Seigo
タイトル ドストエフスキーと苦悩
本文   ※追記更新 25/02/15 17:10

当ボードで以前、ドストエフスキーの苦悩観についてほのかさんと意見が対立したことがあったが、苦悩の経験も数多かったドストエフスキーは、人の生における苦悩のことや苦悩の価値や意義について、生涯にわたって考えを深めていった人だと、あらためて思う。

その作品にも、『罪と罰』におけるラスコーリニコフの苦悩、『カラ兄弟』における受難で被る大きな苦痛に対するドミートリイの覚悟の絶唱(こちら)をはじめ、苦悩についての言及がしばしば見られる。(その他として、こちらなど。)

ドストエフスキーがついに至った苦悩の秘儀と言うべきものを知ることができたらと思う。
   
[730] 2025/02/12/(Wed)20:44:31
名前 Seigo
タイトル ドストエフスキーの小説のこれまでの邦訳のこと
本文   ※追記更新:25/02/13 07:20

これまでのドストエフスキーの小説の邦訳については、自分としては、米川正夫氏の訳と江川卓氏の訳が、やはり、よいと今でも思う。

米川氏の訳は、たしかに文語調・漢語調の言い回しや語彙を使っていて、そういった表現に慣れてない人にとっては読むのに骨が折れる箇所が少なからずあるけれど、各登場人物の話す言葉をそれぞれにふさわしい口調や表記(『悪霊』のステパン氏の言葉など)にしていることをはじめ、そのぶん、その訳文には格調や奥行きや味わいが生じている。

江川氏の訳は、やや荒削りの傾向があるが、とりわけ、『罪と罰』『地下室の手記』の訳などは、当時の社会の雰囲気や登場人物の息づかいなどが生々しく伝わってくる訳文であり、自分にとっては好みの文体だ。旺文社文庫『罪と罰』にはシマリノフの挿し絵があり、よかった。

亀山郁夫氏、原卓也氏、小沼文彦氏、工藤精一郎氏をはじめ、他の知られた訳業は、中性的と言うか、現代の日本人には読みやすい平明な無難な文章になっていて、それなりに良いと思うが、米川氏や江川氏のようなドストエフスキーの小説の世界をよく伝えていく工夫された個性的な文体文章になっていないことによって、逆に、伝わる内容がやや薄っぺらになっているような感じがする。

自分は、初めに米川氏と江川氏の訳文で読むことによりドストエフスキーの小説の世界を肌で感じ取ることができ、身にしみ込んだその余韻が今も続いていることを幸運に思う。今後も、米川氏と江川氏の訳文でドストエフスキーの小説に親しんでいくことになるだろう。
      

[河出書房の決定版世界文學全集の巻11『カラマーゾフの兄弟』(米川正夫訳)] 


[旺文社文庫『罪と罰』(江川卓訳)]


[旺文社文庫『罪と罰』(江川卓訳)の挿し絵(画:シマリノフ)]
      
[729] 2025/02/08/(Sat)14:03:21
名前 Seigo
タイトル 口述筆記による創作が作品にもたらしたもののこと
本文 ドストエフスキーの小説の創作が妻アンナさんとの共同制作(口述筆記をもとに完成していったこと)になっていったことが、ドストエフスキーの書く小説(『賭博者』『罪と罰』以降の小説)の内容や表現にどういった変化をもたらしているのか、ということに自分は最近関心を持ち、いろいろと確認しているところです。

アンナさんと行う口述筆記の仕方の実際はどういったものだったかの確認がまず必要であり(その大まかな過程は娘のエーメさんが書き残してくれています。ロシアのテレビドラマ「ドストエフスキー」ではそのシーンを観ることができます。)、また、その前の小説群とその後の小説群との比較を行う必要があります。

まだはっきりしたことは言えませんが、言えることがあれば、のちにまとめて挙げていきたいと思っています。
     
[728] 2025/02/05/(Wed)20:19:17
名前 Seigo
タイトル ドストエフスキーの美観
本文   ※追記更新 25/02/06 17:45

ドストエフスキーは、この世の美というものに関心を持ち続けた。ドストエフスキーの人間観察において、美は重要な位置を占める。

『白痴』『悪霊』『カラ兄弟』をはじめ、小説の中でも、登場人物に美について語らせている。

美をめぐってのドストエフスキーの見方や考えを以下に挙げてみる。


・美は謎であり、解きがたいものである。定義できないから、おそろしいものだ。[『カラ兄弟』のドミートリイの言葉]

・単純なものは、もうそれだけで美しい。[『未成年』より。]

・幸せと喜びは人を美しくする。[『白夜』より。]

・自然は、青空・愛らしい小鳥・若草など、限りない美の世界だ。[『カラ兄弟』より。]

・光が射す青葉(眼前の、目を閉じて想像しての)がこの世のものとは思えないほど美しかった。[『悪霊』のキリーロフの言葉]

・女性の肉体美や美しい衣裳(衣擦(きぬず)れなど)は魅惑的で、たまらない。[『カラ兄弟』のドミートリイの言葉、『罪と罰』のスヴィドリガイロフの言葉]

・美女の美はこの世界をひっくり返すこともできる。[『白痴』のムイシュキン公爵の言葉]

・私たちは、美無しでは生存できない。美を求める心があるから、科学なども生まれた。[『悪霊』のステパン氏の言葉]

・美は私たちを救う。[『白痴』のムイシュキン公爵の言葉]


最後に挙げたムイシュキン公爵の言葉は、いいことを言っていると思う。
   
[727] 2025/02/01/(Sat)21:21:46
名前 Seigo
タイトル 生を大事にし、生を愛したドストエフスキー
本文 ドストエフスキーは、生(せい)を大事にし、生(せい)を愛した人だった。
(氏のこちらの言葉などで、あらためて、このことを確認できる。)
そして、同じ生でも、死せる生を脱して、「生ける生」を求めた。


最近思うことは、そういった思いや考えを、氏はどこで獲得したのか、ということだ。

その契機としては、やはり、青年期において命拾いをした銃殺刑未遂の体験が挙げられるだろう。

そのほか、氏がよく読んだ著作からの影響があるのではないかと思う。たとえば、ゲーテやシェークスピアの作品や著作など。


この点についてもっと知っていけたらと思う。
         
[726] 2025/01/29/(Wed)17:31:16
名前 Seigo
タイトル ドストエフスキーの小説の題名をパロる! (23)
本文   ※追記更新 25/01/29 20:46

  
   『けったいな小説からパクっ
     た爆笑小説のプラン』
      ←『現代生活から取っ
         た暴露小説のプラン』
        (77年5月に「作家の日記」に掲
        載された短編。
        ある男の匿名での悪口の投書を
        今後の創作の参考にしていきた
        いことをわたしが語っている。)

いくつかのけったいな小説の部分部分を誰にもわからないようにパクって爆笑の小説にしようと企(たくら)む男の創作活動の物語。


※、今回にて、ドストエフスキーの全小説(全35作)の一通りのパロりを完遂!
短編のぶんは、そのつど読み直せました。



    




Number
Pass
SYSTEM BY せっかく掲示板