ドストエフスキーの「情報・意見」交換ボード
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[425] 2023/06/20/(Tue)08:58:37
名前 ほのか
タイトル ジイドの講演&寺田透
本文 p181
N9


「この前私が引用した彼のあの句ーー彼は、その格言のあるものを『地獄の諺』と呼んでいますが、そのなかから私が引用した「行為があとにつづかぬ欲望は、悪疫を生む」というあの句、又は「澱んだ水には毒ばかりを期待せよ」という他の句は、ドストエフスキーの『地下生活者の手記』の題辞の役をつとめうるでしょう。
 「十九世紀の行動人は性格のない個体だ」と『地下生活者の手記』の主人公(英雄)ーーと彼をあえてこう呼べばですがーーは、断言しています。ドストエフスキーにしたがえば、行動人は凡庸な精神にちがいないのです。と申しますのは、驕慢な精神はそれ自身、行動することを拒まれているからです。彼は行動のうちに、自分の身を危地に陥入れる事柄を、自分の思想の制限を見るでしょう。行動するものは、驕慢な精神の捺印をうける、ピョートル・スチェパノビィッチのような人間、スメルジャコフのような人間ということになりましょう。(『罪と罰』では、ドストエフスキーは、まだ、かような考える人と役割を果す者ののあいだの区分をなりたたせておりませんでした。)」
[424] 2023/06/20/(Tue)08:31:50
名前 ほのか
タイトル ジイドの講演&寺田透
本文 p180
N8 N7 continue
「『地下生活者の手記』という、彼が『永遠の夫』より少し前に書いた小さい書物のなかに、これは私には彼の閲覧の頂点を標しるしているように思われ、いわば彼の制作が形作る丸屋根の要石かなめいしにあたるものなのですが、あるいはこういう言い方の方がよいという皆さんのお考えならば、彼の思想を解く鍵を与えるものと言っていいのですが、この小さい書物のなかに、われわれは、「考えるものは行動しない・・・・・・」というこの観念のあらゆる面を見ることができましょう。そしてこの考えから、行動はある程度の知的凡庸を予想すると主張するまでのあいだには、一歩の逕庭が存するのみです。」


【読者感想文】《これは私には彼の閲覧の頂点を標しるしているように思われ、いわば彼の制作が形作る丸屋根の要石かなめいしにあたるものなのですが、あるいはこういう言い方の方が良いという皆さんのお考えならば、彼の思想を解く鍵を与えるものと言っていいのですが、〜》の『地下生活者の手記』で、読者私のドストエフスキー文学との出逢いは、始まったのでした😃なんだったかなぁ〜《苦悩を小説にしても良いんだよ〜‼️》《苦悩を小説にして良いという事は、苦悩を曝け出したり、苦悩=主人公にして、公に発表しても良いんだよ〜っと言う『王座』の地位獲得の【苦悩という言葉・苦悩という状況】なのですね‼️ 歓喜でありますね‼️😃 苦悩は、ヒソヒソと、ひっそりと、自己自身の中に埋没してなくてもいいという事は。誰でも、経験する事なんだから、【苦悩】は、大手を振って歩いて良いという事。その事に、『地下室の手記』で、読者私は勇気を頂き、即座に、作家ドストエフスキーファンに、なりましたね。結局、それを描く小説家は、【優しい心の持ち主】である事と、同値なんですね‼️😃
[423] 2023/06/18/(Sun)11:22:48
名前 ほのか
タイトル ジイドの講演&寺田透
本文 p175
M2 M1continue

の、省略部分を、書き加えました。
[422] 2023/06/18/(Sun)10:59:42
名前 ほのか
タイトル ジイドの講演&寺田透
本文 p174
M1 M continue

の、省略部分を、書き加えました。

[421] 2023/06/18/(Sun)10:08:33
名前 ほのか
タイトル ジイドの講演&寺田透
本文 p173
M

の、省略部分を、書き加えました。
[420] 2023/06/18/(Sun)09:08:33
名前 ほのか
タイトル ジイドの講演&寺田透
本文 p172
L8 L7 continue

の、省略部分を、書き加えました。
[419] 2023/06/18/(Sun)08:13:07
名前 ほのか
タイトル ジイドの講演&寺田透
本文 p171
L1 L continue

の、省略部分を、書き加えました。
[418] 2023/06/16/(Fri)04:24:13
名前 ほのか
タイトル ジイドの講演&寺田透
本文 p180
N7
「ラスコリーニコフについで、スタヴローギンあるいはキリーロフ、イヴァン・カラマーゾフ、あるいは『未成年』者がそれでしょう。
 ドストエフスキーの扱った知的主要人物のひとりびとりの破産は、又同様に、かれが知性の人を大体行為の能力のないものと見なしているという一事にももとづいています。」


【読者感想文】スタヴローギンを、読者を〜後ほど😃
[416] 2023/06/15/(Thu)16:04:58
名前 ほのか
タイトル ジイドの講演&寺田透
本文 p180
N6 N5 continue
「獅子と牝牛に同じ法を布くことは圧政である」という文句が、ブレイクのうちにあります。けれどもラスコリーニコフが疑問を、ただ単に行動することによって解決するかわりに、その疑問を自分に探しているというただそれだけのことで、彼が真に超人でないことがわれわれに分ります。彼の失敗は完全です。彼は自分の凡庸さの意識から、一刹那といえども解放されていません。彼が自分から犯罪につきすすむのは、自分が超人であるということを、自分自身に証明するためなのです。

    「すべではそれにかかっている。(と彼は繰りかえしひとりごとを言います、)あえてやればそれでいいのだ。この真理が太陽のように明らかに僕の眼に見えた日、僕はただ単に大胆不敵な行為に出ようと思ったのだ。」」

[415] 2023/06/15/(Thu)15:58:24
名前 ほのか
タイトル ジイドの講演&寺田透
本文 p179
N5 N4 continue

「あの論文のつづきで、私は、今思い出しますが、人間界の立法者や先達は、一番古いひとたちをはじめとして、ひとり残らず、皆、例外なしに犯罪者だった。なんとなれば彼らは、新しい法を与えることによって、他でもなくただそれだけで、忠実に社会によって遵奉されている、先祖から伝えられた古い法を犯したのだから、という観念を力説しています。
 人間種族のこういう恩人、先達がほとんど全部恐ろしく血を見ることが好きだったということは注目しなきゃならないことでさえあります。従って、ただ単に偉大な人間の全部ばかりでなく、少しでも普通の水準の上に出ていて、何か新しいことを言う能力のある人間は、すべて、彼らに固有の性質によって、必然的に犯罪者であるはずなのです。ーーむろん程度の差はありますが、さもなければ、彼らも前者の轍から抜け出すことがむつかしいでしょう。前者の轍にとどまっていることは、彼らにはたしかに同意しうることではなく、それに私の考えによれば、彼らの義務そのものが、彼らにそういうことを禁じているのです。」







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