ドストエフスキーの「情報・意見」交換ボード
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[786] 2025/07/27/(Sun)16:46:12
名前 Seigo
タイトル ドストエフスキーの小説の特徴(25)
本文    
主な小説では、主な登場人物が受ける受難・試煉を通しての彼らの更正・成長を描いていること


『カラマーゾフの兄弟』のドミートリイ、アリョーシャ、イヴァン、『罪と罰』のラスコーリニコフ、などで、女性が寄り添う形で、そう描かれている。

なお、『悪霊』『白痴』では、無神論的な登場人物の破滅への進行が印象的だ。『悪霊』では、ピョートルやシャートフなどは別格として、『白痴』では、ムイシュキン公爵、ナスターシャ‐フィリポヴナは、悲劇に至る人物として、その末路が描かれている。
    
[785] 2025/07/23/(Wed)20:10:20
名前 Seigo
タイトル ドストエフスキーの重要な事跡(11)
本文   ※追記更新 25/07/25 20:20


学生時代から、本国・欧米の文学作品に親しみ、彼らの作品は、氏の作品の題材になり、かつ、氏の生き様に良い影響を与えたこと


特に、シェークスピア、ゲーテ、バルザック、プーシキン、ディケンズ、ジョルジュ・サンドは、陽気さ快活さを失わない・情熱を持って行う・前向きな姿勢で生きる・節度や良き生活習慣を重んじるなど、氏の生き方に良き影響を与えた。(ただし、バルザックにならったものとして、コーヒーの飲み過ぎ、夜通しの仕事などは、氏の健康を害する一因となったようだ。)
   
[784] 2025/07/20/(Sun)21:23:01
名前 Seigo
タイトル 身近に文庫本化・電子本化している作品
本文 復刊が長く待望されていた、

 江川卓訳『カラマーゾフの兄弟』
  (集英社の世界文学全集の巻として
   1975年・1979年に刊行されていたもの。)

が中央公論社から文庫本として先月から刊行が始まりました。ドストエフスキーの読者には喜ばしいことです。
市販中の文庫本として手短に読めるということで、江川氏らしく語注も数多く付されていて、重宝できます。

そのほか、

・『スチェパンチコヴォ村とその住人』
・『伯父様の夢』
・『ネートチカ・ネズワーノワ』
・『家主の妻』
・『他人の妻とベッドの下の夫』
・『九通の手紙からなる小説』
・『いまわしい話』

などの中期・前期の中編小説も、近年、文庫本・電子本として、刊行・市販されています。

一方、

・『プロハルチン氏』
・『正直な泥棒』
・『ペテルブルク年代記』
・『ペテルブルクの夢』
・『冬に記す夏の印象』

など、いまだ全集の巻でしか読めない短編・中編もあります。

      

   
[783] 2025/07/17/(Thu)17:25:50
名前 Seigo
タイトル ドストエフスキーの重要な事跡(10)
本文     
生涯、持病のてんかんの発作に苦しめられたが、後半生は、アンナ夫人の看護もあって、創作にも支障をきたすその苦難を乗り越えて、『白痴』『悪霊』などの小説を完成させていったこと。


几帳面で整理整頓を重んじるてんかん体質は氏の生活にプラスになったに違いないことに注目したい。

てんかんの発作前には意識や感覚が高揚したことは、貴重な体験だったと思う。聖なる病とみなしての自負もあっただろう。

なお、周知の通り、てんかんの発作のことは、『白痴』『カラマーゾフの兄弟』の大事な場面において使われている。
     
[782] 2025/07/09/(Wed)19:17:03
名前 Seigo
タイトル ドストエフスキーから得た考えや教え(11)
本文   ※追記更新:25/07/12 13:00

「愛なしにはなにも認識できない。愛によって多くのものを認識できる。」
(メモノートより。)


「あばたもえくぼ」「親の欲目」はともかくも、対象への愛の態度があってこそ、対象をよく認識し、理解し、知っていくことができると述べていて、大いに教えられた言葉だ。
    
     
[781] 2025/07/05/(Sat)15:18:52
名前 Seigo
タイトル 『地下室の手記』の主人公の考えのこと
本文   ※追記更新 25/07/07 18:30

『地下室の手記』は、前半部の主人公が独白で述べる人間の行動論・性格論が面白い。

意識過剰で、考えてばかりいる人間は自分の性格や行動を見失ってしまうと主人公は言っている。

一貫性や行動力を持つためには、基準や習慣を固めていくことが大事になってくるように思う。
  
   
[780] 2025/07/02/(Wed)17:51:35
名前 Seigo
タイトル ドストエフスキーの重要な事跡(9)
本文  ※追記更新 25/07/02 20:22
  
シベリア流刑の途次、聖書を得て、以後、聖書を座右の書として、聖書に親しんだこと。


このことは、

1、キリスト・神への信仰、愛や受難をめぐる教えをもたらし、氏の生きていく上での大事な支えとなった。

2、聖書の中に現れる人物や人物の配置、聖句を氏の作品中に用いることをもたらした。
      
  
[779] 2025/06/30/(Mon)21:07:27
名前 Seigo
タイトル 短編『キリストのヨルカに召されし少年』に見られる思いのこと
本文     
母親と死に別れて街中を一人でさまよって行き倒れて天でキリストに召される不幸な少年のことを描いたドストエフスキーの晩年の短編『キリストのヨルカに召されし少年』は、人間の救いという点でのドストエフスキーの思いと信仰がよく出ている名品だと思う。

人は不運不幸のうちに孤独のまま死んでも、無や無駄になることはなく、魂は永遠であり、神の子である人を常に見守っているキリストは、死後においても人に寄り添い、人を救うというテーマは、後半期の長編小説(『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』など)の作中にも、しばしば表れている。
        
[778] 2025/06/28/(Sat)18:51:25
名前 Seigo
タイトル ドストエフスキーの小説の邦訳
本文   
知られた米川正夫訳、小沼文彦訳、江川卓訳、亀山郁夫訳などが、クセのある訳であるのに対して、木村浩訳、工藤精一郎訳、原卓也訳は、クセがなくて、中性的なとも言うべき読みやすさがありながら品格のある佳訳だと思う。自分は、彼らの訳で、『白痴』『貧しき人びと』、『罪と罰』『死の家の記録』『未成年』、『カラマーゾフの兄弟』『賭博者』に親しんできた。
      
[777] 2025/06/23/(Mon)19:46:49
名前 Seigo
タイトル 好きなドストエフスキーの小説・ベスト10
本文   ※追記更新 25/07/15 18:05
  ※追記更新 25/06/27 17:50

当初、コーナー「人気投票・小説」に、好きな小説のベスト3を投票したが、年月も経ているので、このたび、あらためて、自分が好きなドストエフスキーの小説のベスト10を、以下の通り、選んでみた。


1『カラマーゾフの兄弟』
2『罪と罰』
3『貧しき人びと』
4『死の家の記録』
5『地下室の手記』
6『悪霊』
7『白痴』
8『虐げられた人びと』
9『未成年』
10『白夜』


処女作『貧しき人びと』は、中学生の時に最初に読んだドストエフスキーの小説であり、ドストエフスキーが描きたかった小説世界を細かく描いた佳品として、その好印象は、今も続いている。
『罪と罰』は、江川卓氏の訳、マリノスキー氏の挿絵が醸(かも)し出すドストエフスキーの小説世界として、今も私に文学的感興をもたらし続けている。
『カラマーゾフの兄弟』は、テーマとともに、各登場人物のキャラと性格がこよなく佳(よ)い。
『死の家の記録』は、獄舎内外のリアリズムに立った描写がすばらしい。
『地下室の手記』は、いつ読んでも、主人公の男が独白して述べる人間論には笑ってしまいます。

なお、
『悪霊』『白痴』『未成年』は、傑作ではあるが、主人公(スタヴローギン、ムイシュキン公爵、アルカージー)に、いまだ、どうも、親しめ、なじめなくて、このたびも6位以下となった。
   
   




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