[620] 2024/01/29/(Mon)16:43:32
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名前 |
ほのか
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タイトル |
苦悩 と 悲哀 |
本文 |
『消えることのない偉大な負債の感じを、いだかずにいるはずはないではないか。すべての偉大なる幸福は、ある苦痛をふくむものである。それは、われわれの内部により高き意識を呼びさますからである。悲哀というものは、偉大なる幸福が与えるほどの明瞭なる意識を、われわれの心内に呼びさますことがまれである。偉大なる、すなわち崇高なる幸福は、魂を義務づけるものである(くり返していうが、人間の善良さと彼ら相互の愛を信じるに、上越す幸福はない)』⇄ 米川正夫 訳
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『自分は死ぬまで消えることのない大きな借りができたのだという感じを、その心の中にいだかずにいられるはずはないではないか。偉大な幸福はどんなものでも、その中にある種の苦しみを含んでいる。それがわれわれの心の中に崇高な意識を呼びさますからである。それに比べれば悲哀がわれわれの心の中に、偉大な幸福が与えてくれるほどの意識の明晰さを呼びさますことはめったにない。偉大なる、つまり崇高な幸福は魂に義務を負わせる。(繰り返していうが、人間の善意と人間同士の愛を信じることにまさる幸福はないのである。)』 ⇄ 小沼丈彦 訳
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