ドストエフスキーの「情報・意見」交換ボード
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[783] 2025/07/17/(Thu)17:25:50
名前 Seigo
タイトル ドストエフスキーの重要な事跡(10)
本文     
生涯、持病のてんかんの発作に苦しめられたが、後半生は、アンナ夫人の看護もあって、創作にも支障をきたすその苦難を乗り越えて、『白痴』『悪霊』などの小説を完成させていったこと。


几帳面で整理整頓を重んじるてんかん体質は氏の生活にプラスになったに違いないことに注目したい。

てんかんの発作前には意識や感覚が高揚したことは、貴重な体験だったと思う。聖なる病とみなしての自負もあっただろう。

なお、周知の通り、てんかんの発作のことは、『白痴』『カラマーゾフの兄弟』の大事な場面において使われている。
     
[782] 2025/07/09/(Wed)19:17:03
名前 Seigo
タイトル ドストエフスキーから得た考えや教え(11)
本文   ※追記更新:25/07/12 13:00

「愛なしにはなにも認識できない。愛によって多くのものを認識できる。」
(メモノートより。)


「あばたもえくぼ」「親の欲目」はともかくも、対象への愛の態度があってこそ、対象をよく認識し、理解し、知っていくことができると述べていて、大いに教えられた言葉だ。
    
     
[781] 2025/07/05/(Sat)15:18:52
名前 Seigo
タイトル 『地下室の手記』の主人公の考えのこと
本文   ※追記更新 25/07/07 18:30

『地下室の手記』は、前半部の主人公が独白で述べる人間の行動論・性格論が面白い。

意識過剰で、考えてばかりいる人間は自分の性格や行動を見失ってしまうと主人公は言っている。

一貫性や行動力を持つためには、基準や習慣を固めていくことが大事になってくるように思う。
  
   
[780] 2025/07/02/(Wed)17:51:35
名前 Seigo
タイトル ドストエフスキーの重要な事跡(9)
本文  ※追記更新 25/07/02 20:22
  
シベリア流刑の途次、聖書を得て、以後、聖書を座右の書として、聖書に親しんだこと。


このことは、

1、キリスト・神への信仰、愛や受難をめぐる教えをもたらし、氏の生きていく上での大事な支えとなった。

2、聖書の中に現れる人物や人物の配置、聖句を氏の作品中に用いることをもたらした。
      
  
[779] 2025/06/30/(Mon)21:07:27
名前 Seigo
タイトル 短編『キリストのヨルカに召されし少年』に見られる思いのこと
本文     
母親と死に別れて街中を一人でさまよって行き倒れて天でキリストに召される不幸な少年のことを描いたドストエフスキーの晩年の短編『キリストのヨルカに召されし少年』は、人間の救いという点でのドストエフスキーの思いと信仰がよく出ている名品だと思う。

人は不運不幸のうちに孤独のまま死んでも、無や無駄になることはなく、魂は永遠であり、神の子である人を常に見守っているキリストは、死後においても人に寄り添い、人を救うというテーマは、後半期の長編小説(『悪霊』『カラマーゾフの兄弟』など)の作中にも、しばしば表れている。
        
[778] 2025/06/28/(Sat)18:51:25
名前 Seigo
タイトル ドストエフスキーの小説の邦訳
本文   
知られた米川正夫訳、小沼文彦訳、江川卓訳、亀山郁夫訳などが、クセのある訳であるのに対して、木村浩訳、工藤精一郎訳、原卓也訳は、クセがなくて、中性的なとも言うべき読みやすさがありながら品格のある佳訳だと思う。自分は、彼らの訳で、『白痴』『貧しき人びと』、『罪と罰』『死の家の記録』『未成年』、『カラマーゾフの兄弟』『賭博者』に親しんできた。
      
[777] 2025/06/23/(Mon)19:46:49
名前 Seigo
タイトル 好きなドストエフスキーの小説・ベスト10
本文   ※追記更新 25/07/15 18:05
  ※追記更新 25/06/27 17:50

当初、コーナー「人気投票・小説」に、好きな小説のベスト3を投票したが、年月も経ているので、このたび、あらためて、自分が好きなドストエフスキーの小説のベスト10を、以下の通り、選んでみた。


1『カラマーゾフの兄弟』
2『罪と罰』
3『貧しき人びと』
4『死の家の記録』
5『地下室の手記』
6『悪霊』
7『白痴』
8『虐げられた人びと』
9『未成年』
10『白夜』


処女作『貧しき人びと』は、中学生の時に最初に読んだドストエフスキーの小説であり、ドストエフスキーが描きたかった小説世界を細かく描いた佳品として、その好印象は、今も続いている。
『罪と罰』は、江川卓氏の訳、マリノスキー氏の挿絵が醸(かも)し出すドストエフスキーの小説世界として、今も私に文学的感興をもたらし続けている。
『カラマーゾフの兄弟』は、テーマとともに、各登場人物のキャラと性格がこよなく佳(よ)い。
『死の家の記録』は、獄舎内外のリアリズムに立った描写がすばらしい。
『地下室の手記』は、いつ読んでも、主人公の男が独白して述べる人間論には笑ってしまいます。

なお、
『悪霊』『白痴』『未成年』は、傑作ではあるが、主人公(スタヴローギン、ムイシュキン公爵、アルカージー)に、いまだ、どうも、親しめ、なじめなくて、このたびも6位以下となった。
   
   
[776] 2025/06/21/(Sat)16:54:39
名前 Seigo
タイトル ドストエフスキーの小説の特徴(24)
本文   
ドストエフスキーの小説では、無神論的な思想を持つ登場人物の言説に対して、作中で、それを批判していく有神論的な登場人物とその言説を設けて、対決させていること。そこには、主人公や読者に向けての作者の教導がうかがわれる。

特に、『罪と罰』『未成年』『カラマーゾフの兄弟』では、ラスコーリニコフ・ソーニャ、ヴェルシーロフ・マカール老人、イヴァン・ゾシマ長老と、それが顕著である。

前回述べた通り、『悪霊』でも、青年たちに対して、回心を遂げるステパン氏の言説が対比されている。

ただ、『白痴』では、後者が前面に出ていて、イポリートの思想が対峙(たいじ)されていると言える。
   
[775] 2025/06/18/(Wed)18:55:53
名前 Seigo
タイトル ステパン氏の思想のこと
本文     
『悪霊』において思想を打ち出している登場人物とその思想として、作中の末部で放浪の末に回心を遂げるステパン氏のそれに改めて注目したい。

ステパン氏は、愛の尊さのこと、美の追求こそあらゆることの原動力であることを力説している。神への愛は神のその人間への愛やその人間の不死を約束するものであった。

また、ステパンは、無神論的な思想や社会活動に走る青年たちを、悪魔が身に入った輩(やから)として、批判する。そして、彼らは、いつか、挫折の後に癒(いや)されなければならない。
それにしても、ピョートルやスタヴローギンがステパン氏の子息であり、家庭教師だった時の教え子だったとは実に皮肉と言うほかない。
  
[774] 2025/06/10/(Tue)18:05:06
名前 Seigo
タイトル ドストエフスキーは不死という考えや信仰を得たこと
本文   ※追記更新:25/06/15 10:15
  
後半生において、ドストエフスキーは、神の中に不死はあって、神への愛はその人を死んでも滅ぼすことはないと考えて、人間の不死(魂の不滅性)への信仰を得た。

考えとしても、不死があってこそ人は善行ができるということ、不死は罪なく犠牲になった人間にとっての救いとなるということ、不死の考えこそ生命や人間生活の根本原理になりえるということを打ち出したのだった。
 ( → その言(げん)は、こちら )
     




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