[4328] ダークアレーナの高揚感 |
- big - 2012年09月25日 (火) 00時35分
「なんで今回はこんなに盛り上がるんだろう。みんな熱く踊ってるよな」
「それはいつもより”暗い”からよ」
フロアで踊りながらお相手のサルセーラのこともなげなお答え。 連日の真夏日から抜け出していくぶん秋めいてきた外気温の低下と対称的に、フロアはいつになくテンションがあがっている。その原因は、単に暗いたせいだったのね。
照明が明るければ、真実がさらけ出され、妄想の介入する余地が狭まる。しょせんダンスは一時の夢見る場であればが、自らがこうありうべきというパートナーを想定して、リアルの見えにくい部分は、夢で縁取る。 つまり、暗くなることによってそんなものかもしれない。
いやむしろ、照明が暗くなることによって、視覚や感覚のノイズが遮断され、感受性が増して感知される微妙な本質が浮き彫りになるというべきか。
人間は、温度とか、照度とか、湿度、そして、臭いや感触。 ほんの僅かの環境の差異を五感で感じ取り、シアワセになったり不幸になったりする。 そこがやっかいで、そこが面白い。
なお、照明について言えば、暗くなればなるほどレストランは高級である。 キャンドルの灯りが、女性の肌をこの上もなく美しくみせるために。
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