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[433] 題名:新作(タイトル未定) 第四話つづき 名前:ポチ MAIL URL 投稿日:2025年11月16日 (日) 09時49分
「まあ、もう少し。肉が馴染んできたと見て取った日野が、ようやく力のこもった動きに移って。それでもまだ様子を見ながらっていうか、本気の攻めじゃなかったのに。でも先生、あっけなくイッちゃいましたよね。あの性急さには、驚かされましたけど、先生自身がなにが起こったのかわからないって呆然としてたようですが。それほど未経験な威力だったってことでしょうけど」
「…………」
「日野も、勝ち誇るよりも呆れてましたよね。“なんだよ”なんて、ちょっと怒りすら見せてたのが、身勝手な感情でしょうが、気持ちはわかりますよ。なにしろ、あの“鬼宮”ですからねえ。策略を巡らせて、ようやく迎えた状況ってことでもあれば、もう少し気骨とか粘り強さを見せてほしかったって心情も理解できる」
「……勝手だわ……」
「“どうしようもなかった”ですか? 到底、そんな気構えなんかで抵抗できる“力”じゃなかったと?」
「…………」
「とにかく、あれで日野の気配も切り替わりましたよね。ビースト・モードを解放して。遠慮も手加減もない激しい攻めに晒されて、先生ヒイヒイと泣き喚きながら、立て続けにイカされてましたねえ。そのせいで、いよいよ日野がフィニッシュの気配をみせたときも、制止や抵抗する余裕もなくって、そのまま中出しをキメられちゃって。あの瞬間、日野の身体にしがみついてケモノじみた唸り声を上げる先生の姿は、何度もリピートしてしまいましたよ」
「…………」
「でも、途中での日野の身勝手な落胆とか語りましたけど。ひとまずの決着の場面、長い射精を終えて、先生のカラダの上に突っ伏した日野の姿。意識のない先生の汗まみれのカラダに抱きついて、長く余韻にひたってた姿を見返すと。やっぱり日野は、先生に惚れてたんじゃないかと思えるんですよ。“恋慕”っていうほど純粋じゃないにしても、このグラマーな体への欲望とか執心を在学時代から抱いてたんじゃないかと。“復讐”とか“意趣返し”なんてのは、母親ほどの年齢の女性に向ける執着のカモフラージュだったんじゃないかって」
「…………」
「先生も、そのあと徐々にそんな日野の感情を感じ取っていったんじゃないですか? その了解が、ふたりの関係を急速に親密なものにしていったのでは。最初のうちの“脅迫”からの殺伐とした雰囲気なんて、わりと早急に消えてしまいましたよね?」
「……知らないわ……」
女教師は呟いた。それは否定の言葉ではない。
「ふむ、まあ、いいでしょう。これはあくまで記録を検分しての俺の解釈ってことで。とにかく、こうして始まった日野との関係は、先生の当初の予測とは違って、長く続いた。あくまで“脅迫”を理由に、先生は元教え子の欲望を受け容れ続けた。その中で横暴な命令にも応じていく。剃毛は、何度か情事の中でからかい半分に言われたあとでしたね? “むさくるしい”と言われたのが響きましたか。初披露したとき、喜ぶ日野に“悪趣味な”なんて冷ややかな態度はとりながら、ほっと安堵を覗かせる先生の表情、よかったですよ。でも日野の満悦は、単に熟れたカラダに不釣り合いなツルマンって趣向がかなったからじゃなくて、先生の日野への傾倒ぶりの証拠と受け止めたからだってこと、先生も理解してましたよね。理解してたからこそ実行した。髪を伸ばしてヘアスタイルを変えたのも同じですね。これは股間を剃り上げるほど変態的ではないけど、周囲にも知られる変化ではあった。それらの行為は、すべてが親子ほども年の離れた男の欲望を繋ぎ止めようとす意思によるものだったと見えてしまうわけですよ。当初は“一度か二度の忍耐”と割り切って受け容れたはずの元教え子との関係を、少しでも長続きさせようとする懸命な努力だと。これはそれほど偏った解釈ではないと思いますが」