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[346] 題名:新作(タイトル未定) 第四話つづき 名前:ポチ MAIL URL 投稿日:2025年05月25日 (日) 11時46分
そこで少し迷った。最後の一枚(ストッキングは、そのまま残すとして)も、このまま先生自身の手で脱がせるか。
当初の予定を変更して、腰を上げ歩み寄ったのは、すでに期待以上の官能味を見せつける熟れた肢体に誘引されたといえる。
直前で膝をつき、セクシーな意匠のストッキングとショーツを纏った肉感的な下半身と正対する。黒のショーツは狭小で、腰紐を肥えた肉づきに食いこませ、薄い布地越しに地肌を透かせていた。
鼻先を近寄せ、大袈裟に鼻を鳴らして嗅いだ。
「い、いやッ」
羞恥の声を上げて逃れようとする腰の動きを両手で封じ、咄嗟に伸ばされた抗いの手にも構わず、さらに顔を押し出して鼻をショーツに覆われた隆い肉阜に触れさせ、直截に馥郁たるフレグランスを嗅いで、
「ああ、これが藤宮先生の匂いか」
と、陶然と呟いてやれば、ああっと消え入りたげな声が頭上から聞こえて、ブルと豊かな腰が震える。その腰に食いこんだ腰紐に指先を引っかけ、ゆっくりと引き下ろした。充実した太腿から膝下へと滑らせ、まだパンプスを履いたままの足を抜かせて。抜き取った下着の狭いクロッチ部分を広げ、染みついた濃密な香りを深々と吸いこんだ。
「やめてっ」
羞辱の叫びを上げる先生を、淫猥な笑みで見上げて。それから、ゆっくりと顔と視線を動かす。最後の防備を剥ぎ取られた先生の股間へと。
ビクと熟れた両腿が擦りよせられ、反射的に伸ばされた手がそれを隠そうとしたが、いまさらだった。すでにショーツ越しにも判っていたし、擦りつけた鼻先の感触に確かめていた。
やんわりと秘匿の手を払いのけ、改めてまじまじと凝視してやる。成熟した肢体には不釣り合いな無毛の肉丘を。
「……ずっと、日野の言いつけを守り続けているんですか? それとも、今夜は在りし日を偲ぶために、整えてきたとか?」
「…………」
それが日野の指示によるものだとは判っている。“記録”の初期のものには、まだ“自然”な状態の姿も映っていたし。あるとき、そのけっこう濃密な生えっぷりを弄いながら“剃っちまえよ”と、気楽に命じた日野の言動や、その次の“逢瀬”で素直に指示に応じてきた女教師の行動に、満悦して卑猥な評言を与えていた様子も確認済みだった。
先生がなんの弁明も口にしなかったのも、その前提を理解していたからか。それとも……否定したくなかったのか。
「どちらにしろ、いじらしい女心ってことですかね」
そうまとめて、立ち上がった。表情を押し殺す横顔を間近にじっと見つめて、
「先生、日野に惚れてましたか?」
「…………」
「いきさつはどうあれ、そう表現してもいいような関係になっていたように見受けられたんですが。ヤツが死ぬ間際の動画を視たら」
「……馬鹿げてるわ……」
素気なく、言い放った言葉に、しかし一蹴するという強さがなかったのは、どうにも矛盾してしまう自身の行動を自覚していたからか。
「ああ、野暮なことを訊きましたね。すみません」
おざなりな謝罪で、ひとまず締めくくって。
その場で、脱ぎ始める。手早くシャツとズボンを脱ぎ捨て、こちらは靴も脱いで、ボクサーブリーフ一枚の姿に変わった。
中肉中背の、特徴のない体つき。それなりに精悍だった日野の体格と比べると見劣りするだろうが。
まあ問題あるまい。突然のこちらの動きにハッと反応した先生が、思わずといったように一瞬視線を向けたのは、こんもりとブリーフを突き上げた股間だったから。
見せつけるように、それをひと撫でして、距離を詰める。咄嗟に後ずさろうとするのを、横抱きのかたちで腰に回した腕で封じて。押しやろうとしてくる手を掴んで、上へと持ち上げ、
「両手は頭の後ろで組みましょうか」
そう指示した。声は強圧的でもなく、誘導する手にも強制という力はこめなかったが。
「…………」
かぶりを一度左右に振って、しかし藤宮先生は、おずおずと両腕を上げて、言われたままの姿勢をとっていく。瞑目して、汗ばんだ喉首を波打たせた。その従順さは、肉体に沁みついた“記憶”の故だったのか。いよいよ肌身に迫ってきた若い男の欲望に喚起されて?
エアコンはいかにも老朽品といった音を立てて稼働している。しかも安ホテルらしく、起動は部屋に入ったときからだった。
だが熟れた肢体にじっとりと滲む汗は、その環境のせいだけではないのだろうと、その匂いを嗅ぎながら伊沢は判定して。
ひときわ汗を浮かべ、濃いフレグランスを放つ部位、無防備な姿勢に曝け出された腋窩へと鼻先を寄せていった。