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[188] 題名:Lady in Black - 黒衣の貴婦人III (11) 名前:XXX MAIL URL 投稿日:2024年02月18日 (日) 19時37分
パンパンと尻臀に腰を打ちつけられる小気味いい音が部屋に響きわたる。鏡と化した窓に映る自らのふしだら姿を見せつけられるうちに。つい先ほど否定されたばかりの不足の事態、己の痴態を公衆に露出しているような気分に襲われる。
まるでマジック・ミラーのようにこちらからはよく見えぬ窓の向こう側から浴びせられる、あるはずのない好色な視線。その主は、想像の中で割り当てられた特定の人物。技術担当の若いスタッフ。財務担当の堅実な役職者。出入り業者のカメラマン。女好きで有名な取引先のエグゼクティブ。彼らの熱い視線はこの淫らな爛熟の肉体へと注がれている。
しかし、かねてから描いてきた虚像と似て非なる部分があった。それは、以前までは猥雑な目を向ける男たちを一蹴し、あくまで彼らの手の届かぬ存在として勝ち誇ったような態度を取っていた自分が、今や自由を奪われ、好き放題に視姦を許している点であった。
それらは全て己が脳内が作り出した幻想だとわかっていながら、先の否定の言葉とは裏腹に、恥辱の炎がいっそう燃え上がっていくのがわかった。
そんな歪んだ癖への耽溺を見抜いた仕掛人は動きを止めて、妄想に毒された女に透かさずくすぐりを入れる。
「もしかして、“彼ら”に見られてますか?」
「ッ!?」
怜子は思わずギクリとした。男が発した“彼ら”が誰のことを指すのか。これまでも情事の中で独り想い描いてきた恥ずべき空想はやはりお見通しだったのだ。この快楽の主人には全て。
初めて自らの意思で煽情的な衣装で着飾った夜、“淫らな姿を、社員にも見せてやりたい”という含意を直感的に理解して跳んで以来。あまり現実とかけ離れた倒錯的な妄想に支配され、羞恥と被虐、被支配への礼賛、侮蔑や優越と言った不可解な感情の混沌を愉しんでいることを。
己の淫らな妄想を覗かれたことに今さらに羞恥を感じた怜子だったが。それは燃え盛る焔の助けにはなれど、妨げにはならない。
怜子の反応から推察が当たったことを確認した志藤は、聡明な女社長が密かに浸ってきた悪趣味な妄想に便乗してみせた。
「いいじゃないですか。せっかくですから、僕と社長の合ったプレイを見せてやりましょうよ」
そう言って、暴虐的に腰を振りたくり快楽の源泉を肉棍で叩く。
「あっあっ、だ、ダメェッ!」
窓ガラスに反射するのは、奇怪な衣装を纏った熟女が全裸になった若い男に思うがままにされている光景。いるはずのない“観衆“を前に、女の貌には服従と歓喜が、男には支配と優越が色濃く浮かんでいる。
いつものように成り行きで乗っかった志藤であったが、妄想がもたらす昂奮はどうもこちらにも及んでいるらしく。冷徹な男にしては珍しく鼻息を荒くして、いかにも愉しげな様子だった。ただ怜子を辱めて煽り立てているというだけではなく、麗社長を我がモノにしてヒイヒイと啼かせているのが、紛れもなく自分なのだという事実。己が仕留めた極上の獲物であり、唯一無二の戦利品を他の腑抜けた男たちに見せびらかすことに対する雄としての優越感。そんな格別の落差と雄の栄誉、繰り広げられる奇怪で非現実な行いが生み出したうねりに身を任せているようでもあった。
そんな淫らな振る舞いは演者の更なる昂奮を煽って、狂熱のショーはますます激しさを増していく。
やや前のめりになった怜子の胸乳を志藤の両手が弄って。そんな動作を続けるうちに、自然と二人の姿勢は中腰へと落ちていく。
脇下から差し込まれた腕が怜子の両肩の前部分を押さえて。怜子はその不恰好な姿勢で力を抜いて、されるがままに身を任せた。
両脇が自然と上げられて、やや前傾になった姿勢はまるで糸に吊るされたマリオネットのようだった。
「あ…ああっ、なんて破廉恥なの」
幻の男たちの顔に浮かぶのは、昂奮、好奇と歓喜、或いは驚愕。ある者は頭の上から足の先まで、ネットリと舐め回すように。ある者はスマートフォンを向けて。またある者は怜子の美体に触れんと汚らわしい手を伸ばして。
「アッ、い、イク…」
怜子の総身が震えて、無様に膝がガクガクと揺れる。その重みを増した豊かな肉体を後ろから男がガッシリと支えて、引き絞るようにして怜子の上体を引き寄せた。