【広告】楽天市場特別な2日間ブランドデー7月16日まで開催中

小説投稿掲示板

何か記念に書いてください!

ホームページへ戻る

名前
MAIL
URL
件名
内容
アイコン
/アイコンURL
/
削除キー COOKIE
こちらの関連記事へ返信する場合は上のフォームに書いてください。


[609]虹の向こうに~18~ 一一昔話を思い出すんだ 連載シリアスハリポタ親世代。-------- 紫珠葉 - 2002年09月08日 (日) 17時38分 - MAIL

昔々のお話
まだ魔法が混沌としていた頃
その中で魔力ともう一つ
不思議な力を持ち合わせた一族がいました

彼らの一族はその力を恐れられ
関わる者は禁忌と 彼らは異端とされました


次第に純粋な魔力を持つ者との仲が悪くなり
争いが起ころうとしていたその時
純粋な魔力を持つ1人の勇者が
彼らに和解を求めました


“死者を見たくはない
人間とは自分と違う者を受け入れることが苦手なんだ
だから一一一一”


一族の長がその勇者を出迎え 話を聞き答えました


“いいでしょう
その変わり私達一族は闇の中で暮らします
私達への干渉は一切しないと約束して下さい”


その言葉に勇者は寂しそうに微笑んで去っていきました

その一族は永遠に和解せず
闇の中で生きると誓ったのです

闇の中で一族は生き続けました
その長い年月の間に彼らの魔力は薄れ
不思議な力だけが残りました

ただ1人 あの長の血を引く者以外は一一一一・・・










決して綺麗とは言えないけれど、それでも何処か安心する町。

「抜け出すのが目的だったからなぁ・・・今までは」

噴水の前で、アイスを買ってくると喜々として行ってしまったリリーを待ちながら、呟く。昨日食べたら美味しかったのよ、と微笑んで、近くもないのに走っていってしまった。もう何分経つんだろう。溜息をついて、噴水の脇に座り直す。この動作が何回行われたことか、もう数える気も起きなかった。小さいと言っても一つの町なのだ。噴水からあのアイスパーラーまでどの位だっただろうか、溶けないのだろうか、やはり自分も行った方が・・・後悔先に立たずである。もう一度溜息をついて空を見上げた。

「いい天気だな・・・」
「ジェームズ~ッ!!お待たせ!!!」
「お帰り。あれ?結局ソレになったの?」

少し息が切れ気味になっているリリーの腕の中にあるのはアイスではなく何かの飲み物。

「うん。店員さんに聞いてみたら間違いなく溶けるからやめておけって。ジュースにしたの。」
「そりゃぁそうだろうね。今日は暑いし・・有り難う」
「いいえ~。こんな素敵な噴水見せて貰えたしね。遠かったけど来て良かった~!!」

ジェームズの隣に座って手足をうんと伸ばす。それから買ってきた飲み物を飲みながら色々な話をした。
あたたかい町。隣に居る女の子のせいかもしれないけれど、優しい感じのする町。決して綺麗ではないけれど、でも安心できる町。マグルの町だって捨てたモノじゃない。むしろずっと・・・

「ジェームズ?どうかしたの?」
「え・・?あ、ううん。何でもないんだ。さて、そろそろお昼食べようか」
「そうね。あ!あそこは!?可愛いお店!!」

リリーが指差したのはなんともファンシーで可愛いお店だった。その方向をみてジェームズが苦笑して答える。

「どこ・・・ってあそこはケーキバイキングじゃ・・」
「いいんじゃない?さ、行きましょ!!」
「えぇ!?ちょ・・リリー!!待っ・・・」


ジェームズの声は 不可解な水の音と共に

途中で途切れた。














































「シリウス!シリウス!」
「ん~?どうかしたか?」
「この子何ていう名前?初めて見た!!」

同時刻、シーナとシリウスはいつものように部屋でのんびりすごしていた。ベッドで悪戯グッズを広げているシリウスに、シーナがいつにないはしゃぎようで一匹のふくろうを指差し尋ねる。

「こいつはアルタイルだよ」

茶色の羽根が交じっているふくろうを指して答えた。

「こっちの子はっ?」
「こっちはペルセウス。」

もう一匹は同じ様な模様で、アルタイルよりは少し小さなふくろう。シリウスは全く持って無関心なのだが、シーナは二匹の名前を覚えると、水をあげてみたり話しかけたりしている。しばらく部屋に居た後、シーナのふくろう便を届けるために二匹とも飛んでいった。

「ねえ、他にもふくろうって居るの?ベガとアルタイルとペルセウスと」
「んと・・・あとペテルギウスと、リゲル・・かな。俺の知ってる限りだと。」

相変わらず悪戯グッズを品定めしながらシリウスが答える。

「みんな星の名前なんだ」
「ん。じーさんがつけたんだよ全部・・・」
「シリウスの名前も?」
「ああ。ふくろうと同じ扱いっぽいけどな・・・」

「あら、そんなこと無いんじゃない?」

シリウスのセリフをサラッと否定するシーナ。シリウスはベッドから顔をあげて、“何でそう思うんだよ”と目で訴えた。

「だって、シリウスって一一一・・・」



































一一噴水に





一一・・リラ?





一一噴水の前にあなたのお友達が二人居る





一一・・・え・・・・・・




































一一ピーターはこの前海外に行くと言っていたし・・・リーマスは今自宅だわ。さっき手紙が来た。ジェームズとリリー・・・?














「シーナ?」
「・・・シリウス、ジェームズの家ってどの辺り!?」
「え?」

唐突にされた質問と出てきた名前にシリウスは少し驚く。シーナがあまりにも真剣に聞いてきたので、何も言わず答えた。

「此処とは全く反対方向だよ。キングズ・クロス駅から・・・北の方向へ」

ゆっくり北の方を指差してシリウスが言う。

「その近くに、噴水ってある?」
「・・・いや、ポッター家に噴水はないよ。周りは森で囲まれてるし・・・」

何も聞かずに答えてくれるシリウスに感謝しながら、シーナは考えを巡らせる。


「・・・そう言えば・・・」

シーナの沈黙を破ったのは記憶を辿っていたシリウスの声だった。

「何?」
「この前手紙で、森の抜け道の話をしたんだ」
「抜け道?」
「ああ。1本そういう道があって、そこを通ると小さなマグルの田舎町に出るって・・・大きな噴水があるって書いて・・・ってシーナ!?」

シリウスが言い終わる前にシーナは部屋を飛び出す。シリウスは慌てて後を追おうとするが、シーナの姿はもうなかった。















































「ジェームズ・・・?何処行っちゃったのよ~ッ」

そんなにケーキバイキングが嫌だったのか、等と考えながら、リリーは懸命にジェームズの姿を探す。何が起こったのか全く分からなかった。いきなり自分を追う声が途切れて、次の瞬間ジェームズはリリーの目の前から消えてしまったのだ。

「ジェームズ~!女の子を置いてどっか行くなんて卑怯よッ!!出てきなさいよ~!!!」


噴水の周りをうろうろしながら大きな声を出すも、空振りに終わる。ふと背後に気配を感じて振り返れば、そこには息を切らせたシーナがいた。

「ジェー・・・ムズは・・・ッ・・・?」
「シーナ・・・あなたどうして此処に・・・」


目を見開いてシーナに駆け寄る。シーナは質問には答えず、もう一度言った。

「ジェームズはいないの・・・?」

「それが・・・急に消えちゃって・・・」
「此処にずっといたの?二人とも・・・」

もう一度質問すると、リリーは心配そうな表情のまま頷く。シーナは“そう”と答えて息を整えようとした。そこにリリーが詰め寄って言う。

「シーナ、どうして此処にいるの?ジェームズは何処に行っちゃったの!?」
「必ず・・・帰ってくるよ。少し悪戯してるだけなのよ・・・」
「・・・タチが悪いわよ。そんな悪戯」

リリーの言葉に苦笑する。

「そういうことにしてあげてよ。・・・じゃ、私もう行かなきゃ」
「もう帰っちゃうの?」
「ん。勝手に抜け出してきたから・・・じゃあね」

まだ辛そうに呼吸しながら、シーナはリリーに手を振る。


「いつか教えてくれる?」
「うん。いつか」





リリーの言葉にもう一度微笑むと、シーナは走っていった。




































一一・・・シーナ、昔話を思い出すんだ


















「・・・ライラ・・・」











走りながら、頭にかすめた言の葉の主の名を口にする。ただ無我夢中に走りながら、ジェームズの無事だけを祈った。




































“ねえ、どうして勇者は寂しそうに笑ったの?”
“長は光に焦がれてしまったのよ。”
“光?”
“そう、そして勇者も闇に焦がれた・・・”
“なあに?それどういう意味?”
“それは異端だから口に出してはいけないの”







そう、光に焦がれた長は一一一一・・・・・・






**********to be continued?************


久々です~・・・最近なかなかこれ一つに集中出来る時間がなくて・・・;ちょっといつもより短めだけど、まあいつも内容薄いので同じですか・・(汗)ジェームズが危機にさらされました。そして前後の昔話。・・・すっげぇ伏線張っちまった・・・。“勇者”は皆さん誰のことかきっとご存じかと。(本人じゃないですが繋がりが)やっとハリポタの話に繋がりそうです。いや、あんまり繋がらないか・・・(どっちじゃ)。
前回読んで下さった皆様に感謝v次回もお楽しみに!
つ、次はヒカカゲ・・・?



Number
Pass

ThinkPadを買おう!
レンタカーの回送ドライバー
【広告】楽天市場特別な2日間ブランドデー7月16日まで開催中
無料で掲示板を作ろう   情報の外部送信について
このページを通報する 管理人へ連絡
SYSTEM BY せっかく掲示板