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[606]虹の向こうに~17~ 一一狂気を生んだ次の夜は静寂が来るのかもしれない。 連載シリアスハリポタ親世代。-------- 紫珠葉 - 2002年08月10日 (土) 06時22分 - MAIL

手を差しのべてくれたのはあなただった
誰の心にも居ない私を 心にとめてくれた
とても居心地のいい場所
だから私もそこにいた

それがあの人を 狂わせているとも知らず・・・






満月の夜が去った、朝。シーナはいつもの時間にシリウスの部屋を訪れた。

「おはよ!シリウス」
「おはよ・・・」

いつも以上に寝惚けた声が聞こえ、シーナは苦笑する。


「眠そうね」
「夢見悪くて・・・誰かが殺されるんだ・・・」
「・・・・・・それで?」

どうやら自分が夢から解放したあとの夢のようだった。少し興味がわいて、続きを促す。

「閃光が光って・・・殺した奴は消えちゃって・・・それで何か・・・大切なモノが残るんだ・・・」
「大切なモノ?」
「俺が・・・守らないとって・・必死になってた」


「・・・・・・・・・」



シリウスの言葉に 目の前を余切ったのは。































「シーナ?」


どの位時間が経ったのか、我に返ればシーナの様子に気付いたシリウスが顔を覗き込んでいる。

「あ、ううん・・・なんでもない。」
「大丈夫か?」

まだ心配そうに顔色をうかがうシリウスに少し微笑んで、扉の方に促した。














































「ジェームズ様、ご朝食の用意が出来ました」
「分かった。今行く」


丁度同じ頃ポッター家の屋敷では、いつものように無機質なやりとりが繰り広げられていた。どんな反応をしたってあの使用人達が感心を持つ訳じゃない。祖父が居ないときくらいはゆっくりと大広間で食事がしたいのもあってジェームズは承諾した。


「あーあ・・・つまんないの」

ホグワーツでの朝は騒がしいモノだった。朝の弱いリーマスを起こすのに始まり、ピーターのネクタイをしめてやったり、時々曲がってるシリウスのネクタイを直してやったり・・・。リーマスをベッドから降ろして大広間まで促して、途中でリリーとシーナに会う。笑顔で挨拶をして、賑やかな食事一一一一・・・


「たまにはなんか面白いことあってもいいのにな」

暇つぶしは宿題とシリウス達へのふくろう便。それから会合のスケジュールをチェックすることくらい。まだまだ7月。あと1ヶ月この部屋の中で過ごすのかと思うと目眩でも起こしそうだ。ジェームズはそんな思いを振り払いながら部屋を出ていった。

その時部屋にあった小さな影に気付かずに。





「ジェームズ様、今日のご予定は?」
「んー・・食べ終わったら散歩してくる。昼は何処かで食べるからいらない」
「かしこまりました」

言葉の裏の“此処には居たくない”という意図が伝わっているのかいないのか。自分と使用人しか居ない広間を眺めながら、どこかホグワーツと比べている自分に重症だな、と苦笑した。
必要なモノを持って外に出る。何処に行くかは決めていないが、あんな家にいるよりは幾分マシだ。


「いい天気だなぁ・・・」

空を見上げながら1人で呟く。今は会えるはずもない友人達を思い出しながら、ジェームズは道を進んだ。




















































新緑に染まっている森。時々聞こえる虫や鳥の鳴き声、それから獣の足跡。色々なモノを目にしたり耳にしたりしながら、シーナは一生懸命前を歩く背中についていく。段々近付く気配に耐えられなくなり、とうとう声を上げた。


「ねえ、どの辺りまで行くの」
「確かこの辺なんだよ・・・」

そこには、小さな川。少し近付いて川の中を覗き込むシリウスにシーナは緊張して気配を伺いながら言う。

「シリウス、あんまり近付かないで」
「何?シーナ泳げないのか?」
「そうじゃないけど・・・」

リラの水は油断できないのよ。それは言えなかったが、とにかくあまり近付かないでと呟いた。


「ねえシリ・・・・・・一一一・・・?」
「あ、あった!シーナ、これこれ!!・・シーナ?」
「シリウス・・・ちょっと離れて!」
「?」

シーナが突然声を高くして叫んだ。

「早くッ!!」



急いでシリウスの手首を掴み、川辺から引き離す。その途端今まで穏やかだった川の流れが突然激しくなった。シリウスは未だ訳が分からずぽかんとしている。シーナは急いで辺りを見回して気配を探した。

「・・・シーナ、どうしたんだよ」
まだ状況が理解できないシリウスが問う。

「ん・・・ちょっと・・」


ザッパーン!!!






曖昧にシーナが答えようとした瞬間、荒くなった川の水しぶきがシーナとシリウスを襲った。


「うわ・・・びしょ濡れ」
「大丈夫よ。すぐ乾くわ」
「お前な・・・俺を盾にしたろ」
「気のせいだよ。それよりお弁当食べよう」

にっこり笑うシーナにシリウスは疑わしそうな目を向けながらもシャツの水を絞る。切れるだけ水を切った後、二人は川から少し離れた場所で持ってきていたサンドイッチを食べた。


「そういえばシリウス、川で一体何探してたの?」

前に並べられたサンドイッチの列を一つ一つ片付けながらシーナが尋ねる。

「ああ。あの辺りって色んな言い伝えがあってさ、7月の満月の次の夜にあそこで一際目を引く石を持って空にかざすと何か見えるらしいんだ」

「満月の“次の夜”?」
「うん。満月の夜は人狼が狂気を呼んで、呼ばれたあとの夜だと縁起がいいとか・・・」
「・・・ふぅん・・・」

“人狼”の言葉に少し反応しながら曖昧に答える。確かに狂気を生んだ次の夜は静寂が来るのかもしれない。考えたことなかったなと思考を巡らせながらもまた尋ねた。


「その一際目を引く石を取ってきたの?」
「ああ。えっと・・・・・・」

突然、ポケットをまさぐっていたシリウスの顔色が豹変した。


「シリウス?」
「・・・落とした・・・」
「え?」

一言呟かれた言葉はいかにもがっかりしている。

「さっきの水しぶきの時落としたんだ・・・これから戻る時間ないし・・・折角見つけたのに・・・」
「シリウス・・・」
「シーナに見せたかったのに」

“7月の”。つまりは年に1回の言い伝えなのだ。シーナはシリウスの最後の言葉に少し目を見開いて、そして嬉しそうに微笑んだ。


「また来年来ればいいでしょ?一緒に来ようよ」
「・・・来年?」

肩をぽんぽんと軽く叩いて微笑むシーナに今度はシリウスが目を見開いた。

「来年の夏休み。また此処に来てもいい?」
「ホントに?」
「ホントよ」
「ホントに・・・ッ!うちでいいのか!?」
「だって此処が居心地いいもの。それに素敵な言い伝えがあるんだしね」


「じゃあ、来年絶対来ような」


「一一一一一・・・」



その時の 彼の表情は











確かに笑顔だった。







































「な、何でこんな所にいるの?」
「こっちのセリフだよ・・・」

古くこじゃれた店の並ぶ町。ポッター家の屋敷を囲む森は、道さえ選べばこんな町に出る。それを知っているのは多分ジェームズだけなのだが、その抜け道を通り抜けて一番最初に会ったのは。

「私は旅行よ。母さんがこういう雰囲気の町が好きで」
「へえ・・でもリリーも好きそうだよね。」
「まあ・・嫌いじゃないけどね」

会ったのは、ジェームズが無意識に会いたがっていたリリー・エヴァンスだった。旅行、と称して母親の町巡りに付き合わされているらしい。母親の買い物やらに付き合う父親、自分をあまり好いてはいない姉から離れてその辺を歩いていたところ、見事ジェームズに衝突した、というわけだ。

「それにしても久しぶりよね。まだ数週間なのにずっと会っていなかった気がする」
「オレも。そうだ。リリー、お昼まだ?」
「まだだけど・・・」
「一緒に食べない?この町のことはよく知ってるんだ」

よく家を抜け出しては探検した町。もうその気になっているジェームズに、リリーは微笑んで承諾した。手を繋いで町を歩く。ジェームズは久しぶりに安心した空気の中にいるような気がした。


「いいなーやっぱり」
「何が?」

声に出すつもりはなかったジェームズの呟きに、間髪入れずリリーが問う。ジェームズはそれに笑いながら答えた。


「この空気が。オレ好きだよ」


その言葉に、リリーが少し赤面したことなどジェームズは気にも止めなかったとか。














































一一・・・・・・を・・・・・・・せ・・・





一一・・・誰・・だ?





一一彼女を・・・





一一何言って・・・





一一彼女を 殺せ





一一彼女・・?誰のことだよ





一一殺さないと お前の大切な人が





一一誰だよあんたッ!!姿を・・





一一彼女はお前を愛した?私は一一一一一・・・





一一・・彼女って・・・まさか・・・





































「シー・・・ナ・・・?」





うっすら目を開けて、自分の発した言葉に一瞬混乱する。何の夢を見ていたのか思い出せない。


「なんだ・・?一体・・・・・・」



最近よく見るようになった夢。必ず出てくる少女の存在。ただ、現れる人物はその少女を“彼女”とばかり呼ぶ。

一一確信はないのに。

どうしてか、シリウスにはその少女がシーナに思えた。

























「一一一一ッ・・・ローラ・・・?」



























同じ頃、夢に束縛されたシーナが涙を流しながらその名を呼んでいたことをシリウスが知るのは

ずっと後のこと。















































何故か早く目が覚めた。久しぶりに朝が嬉しく思える。それは多分、昨日の出来事のせいなのだろうが。

「ジェームズ様、ご朝食の用意が」
「今行く」

いつもより弾んだ声で答えて、ジェームズは部屋を出た。その機嫌の良さの原因は勿論リリー。あと3日はこの町に滞在するということで、また会えるのだ。ジェームズにとってこれほど嬉しいことはなかった。今日は綺麗な噴水のある広場を案内することになっている。その旨を使用人に伝えると、ジェームズはニコニコしながら屋敷を出た。



































サラサラと水が流れる音
水は危険
危険だけどとても綺麗

つかみ所がなくて 透き通っていて

だから 嫌いでもあるのだけれど
でもその水だって汚れてしまう

汚れのない水は 何処にありますか?





************to be continued?***************


お・・・お待たせしました・・・。1週間留守にするため、最後に書いていこうと思ったのですが。スランプで・・・あれ以上ヘボくなることはないと思っていたのに・・・なんだこの文章は!?今回はシリウスの所とジェームズの所を平行で。ジェムリリか!?これは!?そうなのか!?(・・・)次回はジェームズとリリーに危機が。シーナ頑張れ~。次はヒカカゲかな・・。とりあえず一週間後にお会いしましょうv早くて・・・。
前回読んで下さった皆様に感謝v次回をお楽しみにvあの・・・今から寝るんですけど・・・な紫珠葉でしたv(問題です)


[607]お久しぶりですね♪-------- シマサン。 - 2002年08月10日 (土) 07時40分 - HOME

久しぶりの小説で浮かれ気味のシマサンですvv
ってか
ジェムリリ、ジェムリリ!?手、繋いでるし。さりげなく。(?)
シリウスってもうシーナに恋しちゃってるんですかい?



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