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[578]一光と影を受け継ぐ者一3一  一一守りたい人がいてね。 連載シリアスオリジナル。-------- 紫珠葉 - 2002年07月07日 (日) 04時23分 - MAIL

何もないところ
どうしてこんな所に来てしまったんだろう

乾ききった土
枯れ果てた草や枝
果てしなく続く荒野
何もない ところ





「この辺りでいいか」
「・・・私を殺すの?」
「余所者は信用できない」
「・・・・・・」

漆黒の瞳が、喬帆の金色の瞳を見据える。
特に動じはせず、喬帆も深夜貴を見据えた。

「彼が好きなのね」
「あんたには関係ないだろ」

長刀を首に突きつけもう一度喬帆を睨む。
深夜貴から目は逸らさずに
自分の手の中にある長刀を確認して



ふと心の中に 彼についての違和感を覚えた。






だが、それを問いただす前に長刀を振り下ろされる。









「ッ!!」







素早くそれをよけて

そして 長刀を振り上げて・・・・・・
























































「やっぱり。女の子だ」

「・・・・・・誰も男だなんて言ってないだろう」
「そういうのは暗黙の了解でしょ」

満月は本当の男の子じゃない、と付け足して
軽く切った深夜気の服をもう一度見る。
切った服からは白い包帯がちらついていた。

それはいわゆるサラシというモノで
喬帆はしりもちをついている深夜貴を見下ろした。


「満月が好きなの?」
「そういう好きじゃないさ。俺を救ってくれたんだ・・・此処に居た俺を」

「・・・此処で生まれたんじゃないんだ」

「ああ・・・満月は知らないが、夏葉も閑も・・・」
「・・・閑?」


聞き覚えのない名前に、喬帆は首を傾げる。
その時、不意に背後から元気な声が聞こえた。


「俺のことだよ!」


いつの間にか喬帆の後ろに少年が立っていた。
黒い髪の毛を上に結っている。

「閑・・・お前何処に行ってるのかと思えば」
「この子が満月の拾ってきた子?俺閑って言うんだ!名前は?」


深夜貴の言葉も無視して喬帆の前に立つ。
外見12才くらいだろうか・・・幾分か年下に見えた。


「喬帆よ。あなたは閑君?」
「閑でいいよ。喬帆な!あれ?深夜貴居たんだ」
「・・・閑・・・夏葉が心配してたぞ」
「マジで!?でもほら、獲物幾つか狩ったんだ!今日の夕飯はご馳走だぜ」

大きな鳥二匹の骸を上げてみせる。
深夜貴は溜息をついて“そりゃ良かったな”と言った。


「あ、それから椎も一緒に来てるんだ」
「椎も・・・?何処に居るんだよ」

「椎って?」


またもや聞き覚えのない名前に喬帆は二人に尋ねる。


「満月によく喧嘩を売る奴。負けるに決まってるのにな!深夜貴に」


閑が笑いながら答えた。
どうやら深夜貴よりは友好的みたいだ。

「うるさい。そろそろ日が暮れたし、決着も付いたし帰るぞ」
「私を殺さなくてもいいの?」
「何!?喬帆、深夜貴を負かしたの!?」


閑はまだ状況を読み込めずも喬帆と深夜貴を交互に見た。
深夜貴はもう何も言う気になれないようだった。
彼に変わり、喬帆が答える。


「一太刀入れただけよ・・・まだ・・」

「俺の負けだよ。それに続けたって負けてる。相当腕が立つみたいだけど、夏葉と同じ世界なら戦争とかはないんだろ?どうやって鍛えたんだ」


深夜貴の問いかけに喬帆は少し目を見開いた。
頭にちらついた顔を振り払って微笑んだ。

「守りたい人が居てね。あなたのように。」

「・・・そうか・・・」


深夜貴も微笑む。
そこへ閑がまた口を挟んだ。

「なあ深夜貴、この辺に環来なかった?」
「環も連れてきたのか・・・狩りにしては大勢だな」

「良いだろ別に!女鬼も連れてきたけど」
「・・・満月の猫だろうに・・・」
「ねえ、“女鬼”ってもしかして黒の雌猫?」


「「・・・・・・・・・」」


喬帆が突然話に入ってきて唐突な質問をしたので
深夜貴と閑はぽかんと喬帆の方を見た。

「何よ・・・違った?」
「いや、当たってるからびっくりしたんだ。おい閑、いつまで呆けてるんだ」
「あ、悪い・・喬帆は女鬼と会ったことあるの?」

「ううん・・・ただなんか・・・此処に来るときに会ったような気がするの」


一生懸命記憶を辿る喬帆の言葉に深夜貴はふと顔を上げた。

「喬帆、夏葉は・・・」
「え?」




「しーずかぁ~!!!!」



深夜貴の問いは背後の少年によって消されてしまった。
喬帆が振り返ったそこには、もう一人少年がいた。

「椎!お前何処行ってたんだよ」
「そりゃこっちのセリフだ!先に帰ったのかと思ったぞ!!」


閑と椎と呼ばれた少年は、深夜貴達の存在構わずに口論する。
喬帆は顔をしかめている深夜貴にそっと尋ねた。

「彼が、“椎”?」
「ああ、そうだ」

「満月に喧嘩売る人?」
「そうとも言うな」

「それであなたが負かす人」
「そうだな」


喬帆の言葉に一つ一つ頷く。
閑がそれを聞きながら苦笑していた。
椎が喬帆の存在に気付き、近寄ってくる。

「なんだ?見かけない顔。誰だあんた」
「椎~お前女の子にその口のきき方はないだろ」

「喬帆よ。昨日此処に飛ばされたの」

閑を制して自己紹介すると椎は“へえ~”と物珍しそうに喬帆を見た。

「女か・・・サカが帰ってきたら怒るぜきっと・」
「?」
「満月の妹だよ。あいつ問題あるんだ・・・椎以上に」
「おい深夜貴!それどういう意味だ」
「さーちゃんって極度のブラコンだもんな~!」

訳の分からない喬帆をしり目に話をどんどん進められていく。

「喬帆、なるべく俺か閑の側に居ろよ」
「なんで?自分の身くらい・・」
「さーちゃんは別格さ。あいつは殺す殺さないの問題じゃない。」
「椎は信用できないからダメだぞ」
「るせーよ。余所者と馴れ合う気か?お前ら」

椎は喬帆を通り越し、深夜貴を睨む。
深夜貴は溜息をついてそれに答えた。


「俺負けたし。それに喬帆がそれほど悪い奴だとは思わないな。・・・誰かを守ろうとする奴に悪い奴なんかいないよ」

椎の視線を受けた閑は喬帆を見ながらぶっきらぼうに答える。

「俺は勘だけど」
「野性のか?」
「深夜貴~!!」

椎はまだ納得出来ないようだったが
深夜貴が自分のことを認めてくれたのが喬帆には嬉しかった。

一件落着と見たのか、深夜貴が喬帆に声を掛けた。

「さて、帰ろうか」
「えーッ!環達は!?」

何故か閑が割って入り、答える。

「腹が減れば帰ってくるだろ。猫って」
「そうかなぁ・・・」
「そうだ。今日は宿泊会だから、早く帰らないと」
「マジ!?宿泊会!?聞いてないよ」

宿泊会の言葉に閑が目を輝かせた。
深夜貴は呆れることもやめて答える。

「そりゃ、夏葉がさっき急に決めたから」
「俺も泊まる~!!」
「きっとそう思って夕飯用意してくれてるぜ」

閑はしっかり帰る気になっている。
喬帆はお見事、と呟いて散らばった2本の長刀を拾った。

「深夜貴、腕見せて」
「え?」
「さっき身を護ろうとしたときに切ったでしょ。コレ巻いといて」

ポケットから出したのは布のネクタイ。
深夜貴達には分かるはずもなかったが、
それは喬帆の学校の男子制服のネクタイだった。

深夜貴の返事は待たずにさっさとネクタイを腕に巻く。

「ありがとう。ところで喬帆、何か思いだしたか?」
「ううん・・・見覚えはあるんだけど・・・どうやってきたかまでは」
「そうか・・・」


深夜貴は少し考えた後、相槌を打った。

「帰ろう。満月と夏葉が待ちくたびれてるぞ。きっと。話はそれからだな」
「うん。・・・あれ?椎は?」
「先行ったんだろ。あいつとことん満月の取り巻きが嫌いだから」
「取り巻きって・・・」

喬帆は苦笑しながら、まだ宿泊会という言葉に舞い上がっている閑と帰路を辿った。

















































「満月・・・」
「何?夏葉」
「出ていってちょうだい。あんたいると邪魔!!」
「酷い~!俺はただ晩飯の用意を手伝おうと・・・」
「手伝ってくれる気があるなら台所に入らないでッ!!!」













































何もないところ
どうしてこんな所に来てしまったのか

乾ききった土
枯れ果てた草や枝
果てしなく続く荒野

余所者を嫌う住人

何もないところ。




**********to be continued?***************


はふ~・・・。何日かかったのか・・・;書いて保存書いて保存書いて保存(繰り返し無限)さて、一応名前だけ一匹抜かせばメインキャラ全員出てきました・・・。閑(しずか)、椎(しい)、冴香(さか)、女鬼(うるき)、そして環(たまき)。異世界で喬帆が会うのは満月、夏葉、深夜貴含めたこの6人だけです。また多いなぁ・・・無駄に・・・。深夜貴は女です。一応・・・女として扱いませんが。疲れた・・・。次はハリポタ。番外編はもうちょっと・・・;
前回読んで下さった皆様に感謝v次回お楽しみにv一週間以上かかってやっと人に見せられる長さになったよ・・・な紫珠葉でしたv


[579]すごい!-------- シマサン。 - 2002年07月07日 (日) 05時56分 -

1週間かけて作られた小説!!やっぱそれだけに読みごたえありましたよ~!!登場人物もうじゃうじゃ出てきてうれしい!ただ名前読むのに苦労しましたけどね。(笑&汗)
いつか喬帆は自分の世界に帰れるんですかねぇ?



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