一一手を伸ばしたら 届きそうなのに
不思議な感覚があった。
時が止まってしまったような そんな感覚。
目を瞑ってみる
見えるモノは何?
これからの私?
街の風景?
受験に合格するなんてのもいいかな。
窓を開けて 息を吐く。
その息は真っ白に染まって
「寒いなぁ・・・」
部屋の生暖かい空気と違って
ひんやりした風と空気。
自分が生き返ったような気がした。
「・・・・・・」
「何呆けてるの」
だってね
さんざん迷って
机に突っ伏して
人が仕事や勉強の邪魔かなとか思って
我慢してたっていうのに。
それ以前に
話したら 声を聞いたら
会いたいと思ってしまうから
「なんでいるのよバカ」
「会いたかったから」
「会えないのに?」
「顔は見れた」
「バカ」
嬉しくて
少し泣きそうになった
どうして 会えないんだろう
こんなにも近くにいて
目の前の木に座っていて
手を伸ばしたら 届きそうなのに
でも
「ごめんね」
「香耶が受け入れられるまで傍にいるよ」
「ごめんね・・・」
「だから早く元気になって・・・」
「ごめんね・・・・・・ッ・・・」
「大好きだから・・・倖せになって・・・」
手を伸ばしたら届きそうなのに
ここから飛び降りれば一緒にいけるのに
どうしてかな
どうしてあなたは 私の倖せを願うの?
「冷たい」
「うん・・・」
「どうして?」
「好きな人には倖せになってもらいたいよ」
「残酷だね」
「そうかもしれない」
「・・・もう来ないよ」
「・・・・・・ッ・・・」
冷たい手
大好きだった
涙を綺麗に拭って
最後に触れるだけの口づけをして
「バイバイ」
「また、ね」
「うん。またね」
一一手を伸ばしたら 届きそうなのに
“サヨウナラ”
雪が降ってくる。
寒い寒い雪の夜
古い年と古い自分に別れを告げて
あなたを永遠に“思い出”にした
悔いはないはずなのに
どうして こんなにも涙が溢れるんだろう
一一手を伸ばしたら 届きそうなのに
でも私は 手を伸ばさなかった
「・・・心配かけて成仏しそこねちゃったね・・・ごめんね」
「ありがとう」
古い年と古い自分に別れを告げて
手を伸ばせば届く距離だった あなたとも
別れを告げました。
***************The end****************
ナイス!THE☆季節はずれv(意味不明)えー、あまりのショックに(なんでも掲示板参照)ヤケを起こしたらしく(起こすな)突発オリジナル短編。またやっちまいました・・・。しかも外が暑いんで正月ネタ。まぁ何を隠そうにネタってやつですね。因とかは特に考えてませんが、出なかった相手の男の子の名前は翼といいます。ありがちな名前だって?でも一番適任だったんだもん・・・こう、風に乗って飛んでいくイメージ(そのまんまだな)。こういう話は好きです~v
裏設定いくと、香耶と翼は両思いで、翼がんだのは半年くらい前。香耶は翼のを認められなくて、ずっと部屋に閉じこもって食事もろくにしなかったとか。高1くらいかなぁ・・・中学生だと荷が重いかも(お前中学生だろ)
というわけでスッキリ致しましたv次回からまた復活します!夜が明けてしまった・・・な紫珠葉でしたv
追記。題名の単語はとっさに出てきた造語です。実在するかなんて知ったこっちゃありません(なんて奴)以上。