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[569]虹の向こうに〜13〜 番外編?知らないなぁ(オイ)連載シリアスオリジナル。-------- 紫珠葉 - 2002年06月28日 (金) 03時18分 - MAIL

ホグワーツでの1年を過ごして
一番イヤな行事と言えば
そりゃ勿論試験ではなく
夏休み だと思う。





はじめは一般の、マグルの通る車道を走っていた筈だった。そのうちどこかで横道にそれたのかとでも言うような入り組んだ道に入り、そして辺りの景色が森になってゆく。


一一気が滅入る。


ジェームズはそんな景色をずっと眺めながら溜息をついた。憂鬱だ。屋敷に戻ったらホグワーツの時のように自由奔放には出来まい。しっかり上面よくしてればまたパーティーだとかに沢山連れて行かれる。その中にブラック家がいればまだ今年は救いようがあるなと考えた。前に二人で話していたとき、お互いの家の名前があったら絶対にくっついていくと約束した。そうすれば頭の痛くなるような話が飛び交う会合も大人達をあっと言わせられる悪戯大会になる。たった2ヶ月ちょっとの辛抱じゃないか。自分にそう言い聞かせるものの、やはり憂鬱という言葉は取り消せなかった。


「お帰りなさいませ」
「お帰りなさいませジェームズ様」
「ただいま」

とりあえず微笑んで返してはみるが、久々にやってみると、自分は相当頑張っていたんだなと一人感心してしまう。

「ご夕食は・・・」
「まだいいよ。広間に行く気分じゃないから持ってきて」

丁寧に言う使用人をぶっきらぼうに突き放して、さっさと一人で部屋に戻った。





「・・・あーあ・・・オレの方がシリウスの家に泊まりたい・・・ていうか彼処でもオレの扱いは一緒か・・・・・・一人称も直さないとな。」

ベッドに突っ伏してぶつぶつ文句を言う。いつもなら少し言っていればリリーの渇が来るのだが、それも叶わない。

「・・・会いたいな・・・」

暖炉だって箒だってある。シリウスの家にだってリーマスの家にだって行ける。勿論、リリーの家にだって。せめて3日は経たないときっとふくろう便を送っても変に思われるだけだ。3日でも今のジェームズには何百年のように長く感じられた。父にも挨拶していないのに部屋でずっと閉じこもっていられるはずがない。きっとまたお見合いだとか厄介な話を持ってこられる。


一一気が滅入る。


「会いたいな・・・みんなに・・・ドアを開けたら会えればいいのに・・・」


辺りが薄暗くなってきても電気をつける気にはなれなかった。少しでも気分を明るくしようと、旅行かばんから悪戯計画の羊皮紙を取り出す。それもやはり、相棒や友人がいないとつまらないと分かり、何度目かも分からない溜息をついてもう一度ベッドに突っ伏した。もうすぐきっとあの親父から呼ばれるはず。それまで何もかも忘れたい。みんなとの楽しい生活を夢に見ていたい。これがホームシックだと分かっていても、決してその思いを止めることは出来なかった。




















































「お帰りなさいませシリウスぼっちゃま」
「ぼっちゃまはやめろ。シーナ笑うな・・・」
「そちらの方は?」
「ああ、僕の友達。夏休み中泊めるから客室・・僕の隣ね、整えてやってくれ」
「かしこまりました。ではお部屋でお待ちになっていて下さい」


使用人がいなくなると、シリウスは思いっきり大きな溜息をついた。

「随分猫被ってるのね」

シーナが感心しながらも笑いを堪えていると、シリウスに注意される。

「お前もやるんだぞ。基本は礼儀正しく。一々俺の猫かぶりに吹き出すのはダメだからな」
「分かった・・・。ねえ、魔法族の子達ってみんなこういう扱い?」
「知らない。大きな家はこんなもんだろ。でもジェームズの家はもっと酷そうだぞ。早々今夜にでもふくろう便送ってやろうぜ」
「そうね」

そこまで話したところで使用人が礼儀正しくドアをノックし、部屋の整えが終わったことを告げた。まだ数分しか経っていないので凄いと感心してはみるが、此処が魔法族の住む屋敷だと気付きその感心も失せてしまった。


「ご夕飯の時はお呼びいたします。今日は旦那様も奥様もおられるので、お客様もおいで下さいませ」
「ありがとうございます」
「・・・さがってくれないか。長旅で疲れてるんだ」

シリウスが鬱陶しそうに言うが、使用人は特にそれに反応するようでもなく礼儀正しくまた部屋から出ていった。


「・・・あの人が嫌いなの?」
「あの堅苦しいのが嫌いだな。」
「猫かぶりあんな感じでいい?」
「お前顔つき変わるから怖い・・・」

シーナは正直ああいう扱いをされたことがなくて戸惑っていた。自分にあれだけのことをされる、否人並みの扱いをされる程の価値はないと教え込まれてきたのだ。突き放されるのは慣れてしまえば別に感じるものはない。寧ろそっちの方が自分の心に干渉する者もいなく良い。だが、シリウスのような扱いをされるのは?顔と名前もなんとなく、上辺だけの上下関係。そんな人に自分の心を干渉されるのはなんて気が滅入るんだろう。

「毎日毎日こんな暮らしをしてきたのね」
「まあな。突き放し方を覚えりゃそう鬱でもないさ。夕食の前にふくろう便出すぞシーナ。あいつらと連絡取ってないとやっていけそうにない・・・今年はお前がいるだけいいけどな。」

引き出しから羊皮紙を取り出し、羽ペンをシーナによこす。

「何書くの?」
「こういう時は無神経に書いた方が案外いいんだ。ホームシックになってないか〜?泣いてるんじゃないのか?ってな」
「分かった。」


薄暗くなってきた空を眺めながら、二人は荷物の片付けや夕食の服装などそっちのけで羽ペンを持つ手を動かした。


「出来た!シーナ、出来たか?」
「うん。でもふくろうはどうするの?」
「俺のがいる。」

シリウスが窓を開けて口笛を吹くと、真っ白なふくろうが窓の縁に飛んでくる。

「可愛い〜!名前は?」
「ベガ」
「・・・理由は?」
「星の名前で一番早く思いついたから」
「いいね。シリウスとお揃い。」
「はいはい。ベガ、これをジェームズに届けるんだ。ジェームズ・ポッターだぞ」

シリウスが二枚の羊皮紙をまとめてベガの嘴にくわえさせた。ベガは可愛く鳴いてシリウスに体を寄せると、少ししてから飛んでいった。

「ふう。これでやることはやったな。シーナ、今日はの夕食は親父達がいるらしいからなるべくきちんとした服装にしてくれ。いないときは楽なのでもいいんだけど・・・」
「分かった。じゃあ一旦部屋に行くね」
「ああ。またあとでな」

シリウスの部屋を出、自分の部屋にと用意された客室へ入る。だだっ広い部屋に天蓋付きのベッドと寝台、鏡と勉強に使えそうな机。あとは何もなかった。

「広くてそれなりに裕福だけど・・・寂しいね」

一一この屋敷からは一言も言の葉が感じられないもの・・・


ブラック家の屋敷は、シリウスにとっては言うまでもなく居心地が悪かったが、シーナにとっても居心地が悪かった。まだ沢山の感情が流れてくるホグワーツの方がいい。人の温かさを感じられるからだ。たまに居心地の良い感情を流してくれるダンブルドアやリーマス達もいる。だが、ここは違う。流水のようなサラサラした心地のいい言の葉は、自分の感情を委ねていないだけであってその人の感情が流れているのだ。此処の使用人達は感情がないように、言の葉がひとつも流れてこない。まるでシーナ自信が言の葉を感じる能力を失ったように。

一一シリウスの近くにいたい

シリウスの感情はいつものように流れてくる。それと同時にシーナはシリウスを此処に長くいさせてはいけない気がした。そのうち彼も感情を流さなくなってしまいそうだったからだ。早々にふくろう便を誰かに送ったのはよかったかもしれないとシーナは思った。

そしてシーナは悟る。何も自分だけが家に帰りたくないと思っているわけではなかったこと。家族や、家に自分を疎む者がいなくても、居心地が悪いことを。


そういえばリーマスの家族については聞いたことがない。彼もまた人に疎まれる存在なのだ。

「・・・大丈夫かなぁ・・・」


その呟きは、何とも言えない空間に飲み込まれてしまう。旅行かばんから一応きちんとした服を選びまた外を見た。

暗い森。見晴らしはいいのに牢獄のように思える。シリウスやジェームズは小さい頃からずっとこんな空気の中で育ってきたのだ。シーナは何故か出そうになる涙を堪えて服を着替えた。






























































車に乗って数時間、見覚えがあると同時に懐かしい家に着く。

「ただいま」

リリーは家族には聞こえないよう呟き、そしてみんなのあとについて家に入った。だいぶ暗くなってきた。みんなはもう家に着いているのだろうかと想像する。ジェームズは家のことをあまり積極的に話すタイプではないから、きっと家が嫌いなんだろうと思っていた。それは多分当たっているだろう。きっとベッドに突っ伏してぶつぶつ言っているに違いない。渇を入れてあげたい。励ましてあげたい。望むばかりで自分の家はマグルの一家。そう簡単にいくはずもなくその思いは却下される。姉の希望で部屋が別れたのでふくろう便は心おきなく使えるだろう。送ろうか・・・。羊皮紙を取り出し、羽ペンにインクをつけるが、数分考えてもどんなことを書けばいいのか全く分からなかった。

「シリウスに聞いてみようかな」

あの二人は立場が似ているからきっと分かるはずだと答えを出し、ジェームズへの手紙を即刻シリウスへに書き直す。リリーの親は自分をほめあげてるので、家での居心地は姉からの目を除けば悪くなかった。

「悔しいな〜・・・ジェームズもシリウスもきっと・・・」

最後までは言わず、シリウスへの手紙を書き上げふくろうを飛ばした。だが、ふくろうが飛んでいったところでリリーはハッと気付く。

「・・・私ふくろう持ってないんだけど・・・てことはあのふくろう何!?ちょっと〜!その手紙返してよ〜!!折角書いたのに!!」

叫んではみるものの、ふくろうはもういなかった。
































































「・・・ベガぁ?」

何時間か眠ってしまったらしい。目を覚まそうと窓を開ければ、そこには見覚えのあるふくろうが二匹とまっていた。一匹は自分の、もう一匹はシリウスのふくろうだ。自分のはともかく、シリウスのふくろうを見てジェームズは間の抜けた声を出してしまう。

「なんで此処に・・・え?手紙?オレに・・・?」

可愛く鳴いて、手の中に羊皮紙を二枚置きなんの承諾もなくジェームズのベッドに降りる。もう一匹も続いて羊皮紙を一枚置き、ベッドに降りた。

「図々しいふくろうだな全く・・・これシリウスから・・・?」

羊皮紙の字体は確かにシリウスのモノ。もう一つはシーナのモノだった。そして自分のふくろうが持ってきたのは、会いたいと思っていた人の字。

「リリー・・・てかおい・・シリウスへじゃないか。お前相変わらず勘違いがすぎるぞ。」

呆れてふくろうの方を見ると、ふくろうも反応して、それから飛んできてリリーからの手紙をつつく。

「確かにオレへの手紙についてだけど・・・・・・」

そこまで言って気付いた。

「お前、手紙が来るってこと伝えたかったのか・・・?」

そのふくろうはまた可愛く鳴いた。だがここでこの手紙を貰ってはいけない。ベガに持っていって貰おう。返事も含めて。さっきまで暗闇のどん底にいた気分だったが、今は心が軽くなって楽しかった。これじゃ自分がみんなに会いたいと思ってると信じて疑わないみたいだ。確かに当たっているけれど、でもそれが嬉しかった。

「バッカだなぁ、あいつら。ようし!張り切って返事書こう。お前ら休んで行けよ。もう一仕事してもらうんだから」

いつもの口調に戻って愉快に笑う。今度は一人じゃない気がする。結局返事が書き終わったのはそれから数時間後、羊皮紙は何メートルにもなっていた。



夏休みは嫌いだった。
でもこんな夏休みなら捨てたもんじゃないかな
そう思いながらジェームズはみんなの顔を思い浮かべて眠った。


**********to be continued?**************


キーワードずれました・・・次回かその次になりそう。っていうか今回は勢いで書いてしまいました・・・今回の主役はジェームズ。一応原作主人公の父だし。彼にはリリーがいるためシーナとはあまり関わり持たないので今回くらいは・・・と思いまして。にしてもジェームズとシリウスの家。実際こんな家があったらイヤです・・・。あるかもしれないけど。今回はみんながバラバラな為に会話より文章が多かったです・・・。一番はじめのジェームズ視点書いてて思ったこと。“一一気が滅入る。”うるせえな。書いてるこっちの気が滅入るっつーの。すみません・・・言葉汚くてごめんなさい・・・。とりあえずリーマスの家は幸せにしようか不幸せにしようか迷ってるので今回は逃げ。不幸せな家が2つもあるから幸せ家族にしたいけど・・・そうもいかないですかねぇ・・・。
前回の話を読んで下さった皆様に感謝v次回をお楽しみに。日本語ハリポタ4巻の表紙は紫!自分の名前(ハンドルネーム)とシーナの瞳の色!で舞い上がって本屋からチラシ数枚貰ってきた(営業妨害だ;)紫珠葉でしたv


[570]すみません。連載シリアスハリポタ親世代です。-------- 紫珠葉 - 2002年06月28日 (金) 03時27分 - MAIL

アホかぁぁぁ!!!あまりにもオリジに浸食されてついに頭が狂ったらしいです。なんでだよ!下の同じ題名の方にはハリポタって書いてあるのに・・・ねえ(ねえってアンタ)違うっつーの。ハリポタだっつーの。というわけで・・・訂正・・・。一応保存してあるから削除して投稿しなおしって手もあるけど空腹でできないです。それでは逃げ。



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