「・・・・・何だって・・・?」
「私 生き物を殺した。この手で」
「・・・何かされたんじゃなくて?」
「うん」
「何を・・・・殺したの?」
「うさぎを」
「へっ」
私は 力が抜けた。
なんだ・・・うさぎ・・・?
「それも 大量に」
「えっ!?大量に!?」
「50羽くらいかな」
「そんなに!?」
「1匹2匹だったら人格出来ないでしょ」
そりゃそうだ。
「どうやって・・・・?」
「毒。」
「え・・・」
「毒で殺しちゃったの」
「何で毒なんて持ってたの?」
「理科室から持ってきた」
「どうして?」
「殺すため」
「うさぎを?」
「うん」
「なんで?」
「殺したかったから」
「そ・・・んな理由で・・・?」
「その前に・・・ムシャクシャしてたから」
「なんでムシャクシャしてたの?」
「お母さんに・・・・殴られたから」
「え・・・まだおさまってなかったの?」
「うさぎを殺してからおさまったの」
「・・・・・キレたの?」
「そう」
「・・・どこのうさぎを?」
「学校のと、動物園」
「動物園!?」
「何故かバレなかった」
「そういう問題じゃないでしょ・・・」
「ストレスは発散できたけど・・・あとで自己嫌悪になった」
「当たり前よ」
「だから・・・・縮こまってたの。いつバレるのかとビクビクして・・・・」
「結局どうなったの?」
「結局・・・原因不明の病気だって事になった」
「・・・・・・・・・・・」
「これで全部」
「そう・・・・・」
「気分悪い?」
「最悪よ」
「ごめんなさい」
「・・・・・消えるの?」
「うん」
「そう・・・・・・」
「じゃあ」
「バイバイ、雅」
「ばいばい」
雅の身体が光に包まれて
金色の粒になって
消え去った。
残された私は、喜ぶべきなのか
自白するべきなのか
悩みに悩んだ。
蛍がこの事知ったら
どうするのかな?
やっぱり 危険人扱いするんだろうな
別れないって言ってたけど
こればっかりは・・・・・・
目が覚めた。
あたりはもうすでに 明るくなっていた。
玄関からチャイムが聞こえる。
もう そんな時間か・・・・・・
私は制服に着替え
バナナと牛乳で朝食を済ませ
鞄を持って靴を履き ドアを開けた。
外にはいつも通り 蛍が立っていた。
「オハヨ、真雪」
「うん、おはよ」
「どうした?暗いけど」
「後で話す・・・今日もサボる」
「・・・そう。俺もサボっていい?」
「私はいいけど・・・中間は?」
「前日に頑張ればいい」
「美雪に負けず劣らず楽天家ね」
「おう、任せろ。じゃ、行こう」
「ん・・・」
今度は私から 手を握った。
屋上は、今日も寒かった。
「あのね・・・蛍」
「ん?」
「昨日の夜・・・・雅が消えた」
「えっ・・・マジで?」
「記憶なんだけど・・・・」
私は 昨日のことを一部始終蛍に話した。
蛍は無表情に聞いていた。
やっぱ 別れるのかな
「・・・・そう・・・・・・」
蛍が口をきいたのは、話し終わってから数分後だった。
「私・・・どうかしてる」
「そんな事・・・・」
「たくさんの命を奪ったんだよ」
「・・・・・・・・」
「蛍・・・私達・・・・・」
「言うな!」
蛍が怒鳴った。
「蛍?」
「それは言わないって約束しただろ!?」
「でも・・・・私は・・・・」
「それがどうしたっていうんだ!どうしてたくさんの命を奪ったからって俺と別れるんだよ」
「・・・・・蛍が・・・・好きだから」
蛍は あっという間に絶句した。
「好きだから・・・・迷惑かけたくなくって」
私の目から 涙がこぼれた。
「ごめんね・・・・」
私は 自分で涙を拭った。
「・・・・・・真雪?」
「ゴメン・・・・・」
「真雪・・・ッ」
蛍が 私を力強く抱きしめた。
「・・・・え・・・・」
「俺も・・・・真雪の事が好きだから だから いつまでも一緒にいたい」
「蛍・・・・・ッ」
「だから!±0で現状維持!」
「・・・・・・」
「じゃ、もう1つの約束果たそうか?」
「え?」
「治ったら・・・・・」
蛍が 顔を近づける。
「キスするって約束だっただろ?」
蛍の手が 私の頬にあたる。
唇と唇が重なり合った。
私は 蛍の背中に手をやった。
蛍のもう片方の手が 私の頭に来る。
幸せな時間。
別れなくて済んだ。
もう それだけで私は満足だったのに
「・・・・・・蛍」
「・・・・ん?」
長いキスの後
私達は 屋上に寝そべっていた。
「ありがと・・・」
「どういたしまして」
「降りる?」
「やだ」
「蛍?」
「俺 まだ真雪と一緒にいたい」
「・・・・・・・・」
「いいだろ?」
「だめ」
「えー!何で!」
「中間が近いのよ!勉強しなきゃ」
「ひでえなー・・・・」
「文句言わない!さあ、立って」
蛍は 文句を言いつつも 立ち上がった。
屋上のドアの前まで来たとき
蛍がはたと立ち止まった。
「・・・今度は何?」
「真雪・・・・」
「何?」
「もう1回だけ」
今度は私が絶句する番だった。
「蛍・・・・・」
私が言い終わらないうちに
蛍の唇が私の唇に重なった。
今度は 短かった。
「あースッキリした!さあ、行こうか!」
「・・・・・うん」
「あ、赤くなってやんの」
「うるさい・・・・」
「可愛い、真雪v」
「うるさい!」
他愛ない会話
絶えない笑顔
この生活が
ずっと ずっと
続きますように。
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・・・・終わった・・・・のか?
終わった!!!(え!)
わあー!これ以上の中途半端はないというくらい中途半端!!
ごめん!みんな!!本気でゴメンナサイ!
(そんなら投稿すんなよ・・・)