覚書
小説に成りきれない雑文や、日々の語りなど。| ベルウィックサーガ | |
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| [94] 2005年10月03日 (月) 02時01分 ベルウィックサーガ | |
| 傍にいて 離れないで ここに居て 独りじゃ眠れない こんな夜は 傍にいて、傍にいて、傍にいて この腕に、君の存在を確かめさせて ![]() 「………」 名を呼ぼうとしたけれど、声が掠れて音にならなかった。 肩に押し付けられていて顔は見えないけれど、彼はきっと泣いている。 身を捩ると、ぐ、と背を通り二の腕に回された大きな指先に力を込められた。 痛い、言おうと思うけれど、それは飲み込んだ。 彼の肩が、小さく震えていた。 …抱きしめてあげたい 自分より幾回りも身体の大きな男性を相手に、そんな風に思うことなんておかしいけれど、だけど。 今の彼は…ディアンは、雨の中で震える子供のように見えた。 「…ディアン」 哀しいと思った。 愛しいと思った。 「ディアン… ねぇ」 呼ぶと、床につく私の右手を抑える力が少し、緩む。 その隙間から私は抜け出して、そっと彼の背に回した。 「私は…ここに居るわ」 出来るだけ震えを抑えて、優しい声で伝える。 数度背をさすり、それからぎゅっと抱きしめる。 あんなに寒そうだった背中は、とても温かいものだった。 「………ね」 大丈夫。そう、囁いて。 ―――――肩の負荷が、不意に軽くなる。 視線が交わった。 先に動いたのはどちらであったろうか。 耳の下、首筋に、温かいものを感じて、 それがディアンの唇だと気づいて、 私は床に崩れていった。 イゼルナ、 彼の声が聞こえた。 彼に名前で呼ばれるのは、そういえば初めてだ。 どこか冷えた頭の奥で思いながら、何度もその声を聞きたいと思っていた。 傍にいて、 離れないで、 ここに居て、 この腕に、胸に、あなたの存在を確かめさせて。 ------------------------------------------------>>>End. すんません(土下座) 久々に甘い文章を書いた気がします(言うのはそこか)。 だけど男女なのは初めてかもしれない(確かにそれは驚きだけどさ)。 何がどうしてこうなったとかいうのは気にしないでください。 だから小ネタなんです(言い切った)。 遅かれ早かれ彼らはこんなことになると思うよ そのあとにブレンサンダーが赤毛の方にだけ襲い掛かるかどうかはまた別の話。 |
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