【広告】楽天市場から2025年大感謝祭12月19日から開催エントリーお忘れ無く

覚書

小説に成りきれない雑文や、日々の語りなど。
お気に召しましたらポチッと投票いただけると励みになります(^^
ベルウィックサーガ
現在このタイトルは、17 pointです。【投票する

[86] 2005年09月27日 (火) 22時56分 ベルウィックサーガ
「クレイマー!」
 上空から降り注ぐ、声。
 見上げれば、ごぉ、と音と共に巨大な影が彼の上を旋回した。
 飛竜だ。
 近づいてきたかと思うと、主をするり下ろし、再び上昇していった。
「ラレンティア」
「この辺りの賊は一掃したわ。皆を集めて、帰りましょう」
「…あぁ。……すまない」
「気にしないで。私は私の出来ることをやっているだけだもの。 イストバル!!そっちはどう?」
 最初の頃は誰よりも息巻いていたクレイマーが肩を落としている理由。ラレンティアはそれを知っている。
 優しく背を叩き、それから彼女は召集に回った。


「クレイマー」
 帰途の途中、もう一度ラレンティアに声をかけられる。
「本当は、さっき渡そうと思っていたのだけれど」
「………これは」
 白い布に巻かれた、何か長いもの………この戦いで盗賊から巻き上げたものの中でといえば、それは、
「あなたが持っていて」
 察したクレイマーの肩が強張る。押し返そうとするところを、ラレンティアがやんわりと抑えた。
「でも」
「私はそれが一番だと思うわ。」
「……でも…俺はこいつを護ることが出来なかった…」
「それは形としてよ。あなたがあれだけ必死だったから、私もがんばれたの。あなたの力よ、クレイマー。」
「………」
「……持っていて、クレイマー」
 剣を握り締める、その上にラレンティアが手を重ねた。滑らかな肌、女性特有の、暖かな体温。
「………わかった」
 クレイマーの頬に朱が差す。憧れの宝剣を手にしているから。だけではない。
「よかった。剣もきっと、喜んでいるわ。」
「…だったらいいな」
 嬉しい言葉だった。クレイマーは、ようやく笑うことが出来た。



「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ」
  バシン。
 無言で力いっぱい背を叩かれては何事かと思う。
 不機嫌極まりない表情でディアンは振り向いた。
「なん」
「可愛い〜〜〜〜〜〜〜ッッッ」
 不平は嬌声で踏み潰された。
 顔を真っ赤にしたラレンティアが、それからも何度もディアンの肩を叩く。
「ちょっと、可愛いんだけど、あの子!!!どうしよう!! どうしてくれようかしら、ねえ!!!」
「…知るか」
 とりあえず、そのバシバシというやつをどうにかしてくれ。
「…何があったんだ」
「聞いてくれる!?」
 言いたくてここに来たんだろう。
 女というのはどうしてこう、怖いもの知らずで自分勝手なのだろうか。
 呆れながらも、ディアンは続きを促した。

「英雄を目指してるんですって。こんな時世にね、すごく真っ直ぐなのよ」
「…そうだな」
「光、って、彼みたいな存在なのかもしれないわね。一瞬で、通り過ぎてしまう…」
「……そうかもな」
「戦場でね、私はいつも上空にいるでしょう? そうすると、戦局というのがよく見えるの」
「………」
「土煙の中、いつだって真っ先に駆け、切り込んでいくオレンジ色がね…よく見えるのよ」
 光のようね。
 遠くを見ながら、ラレンティアが繰り返した。
 それと同じものを、きっとディアンも見ている。
 隣で、背をあわせて、追いかけている。
 苦しい局面でも、何がそんなに楽しいのか、笑いながら剣を振り回している。
 きらきらと、日の光を浴びる刃ごと。
 眩しい。
「…いいなぁ」
「………痛い」
 ヘッドロックをかけられ、ディアンはうめいた。
「……」
「いいなぁ、ディアン!うらやましいぞー!」

「あの子に相棒宣言されてるんでしょう。…うらやましいわ」
「別にそんなんじゃ… それにあなただって、近づいていけばいいだろう。気安いぞ、あいつは」
「そういう問題じゃないのっ もう」
 ぺしっと、軽くディアンの鼻面を叩いて、ラレンティアは離れる。
「…本気なのか?」
「さぁ」
 問いに、ラレンティアは複雑な表情で答えた。
「愛か恋かって聞かれたらね、よくわからないけど。
 可愛くて仕方が無いのよ、ホント」
「………そうか」
 わかる気がする。
 ディアンが静かに笑う。
「愛か恋か――― 本気になるのが一番怖いわね」
「…そうだな」
「でも、私、クレイマーのこと好きだと思う。」
「そうか」
「あなたとはライバル?」
「そんなわけあるか」
 ふっと低くなった声色に、ラレンティアは笑った。

--------------------------End.
色々と破綻しています。ラレンティア×クレイマー。
ラレ姐さん、たぶん、キャラ違う… 
いや、でも公子絡みでさえなければ、仲間と冗談言い合ったりしてさ…と。
クレイマーには年上女が似合う。おもちゃにされてしまえと思う

[87] 2005年09月28日 (水) 09時53分 CAFE
読ませて頂きました!良い、良いですよ!!この二人♪♪捏造万歳です!!ぜひ、これ以降のお話も書いて頂けるなら読みたいです。捏造のリクエストとかも有りでしょうか?フェイとからんでも良いかなぁと。シルウィスなんかも良いなぁと…結局彼がらみなら何でも好きって事ですね。

[89] 2005年09月28日 (水) 19時14分 一臣@管理人
きゃあ!!! ま、まさか感想をいただけるなんて!!
しかも賛同いただいてしまった…!すごくすごく嬉しいです!
速攻で続き書いてしまいました(早)。絵もBBSに居ます(笑)
フェイとも楽しそうですよねv
ファラミアの存在に気づきもせずに、兄貴ぶるクレイマーとか見物だと思います。
シルウィスさんはまだイベントを起こしたことが無く、触れるのにちょっとビビっているのですが、機会があればぜひ…!
レス、ほんとにありがとうございました…!!!


ジャンル
作品タイトル
内容
削除キー クッキー
Number
Pass

ThinkPadを買おう!
レンタカーの回送ドライバー
【広告】楽天市場から2025年大感謝祭12月19日から開催エントリーお忘れ無く
無料で掲示板を作ろう   情報の外部送信について
このページを通報する 管理人へ連絡
SYSTEM BY せっかく掲示板