覚書
小説に成りきれない雑文や、日々の語りなど。| ベルウィックサーガ | |
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| [86] 2005年09月27日 (火) 22時56分 ベルウィックサーガ | |
| 「クレイマー!」 上空から降り注ぐ、声。 見上げれば、ごぉ、と音と共に巨大な影が彼の上を旋回した。 飛竜だ。 近づいてきたかと思うと、主をするり下ろし、再び上昇していった。 「ラレンティア」 「この辺りの賊は一掃したわ。皆を集めて、帰りましょう」 「…あぁ。……すまない」 「気にしないで。私は私の出来ることをやっているだけだもの。 イストバル!!そっちはどう?」 最初の頃は誰よりも息巻いていたクレイマーが肩を落としている理由。ラレンティアはそれを知っている。 優しく背を叩き、それから彼女は召集に回った。 「クレイマー」 帰途の途中、もう一度ラレンティアに声をかけられる。 「本当は、さっき渡そうと思っていたのだけれど」 「………これは」 白い布に巻かれた、何か長いもの………この戦いで盗賊から巻き上げたものの中でといえば、それは、 「あなたが持っていて」 察したクレイマーの肩が強張る。押し返そうとするところを、ラレンティアがやんわりと抑えた。 「でも」 「私はそれが一番だと思うわ。」 「……でも…俺はこいつを護ることが出来なかった…」 「それは形としてよ。あなたがあれだけ必死だったから、私もがんばれたの。あなたの力よ、クレイマー。」 「………」 「……持っていて、クレイマー」 剣を握り締める、その上にラレンティアが手を重ねた。滑らかな肌、女性特有の、暖かな体温。 「………わかった」 クレイマーの頬に朱が差す。憧れの宝剣を手にしているから。だけではない。 「よかった。剣もきっと、喜んでいるわ。」 「…だったらいいな」 嬉しい言葉だった。クレイマーは、ようやく笑うことが出来た。 「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ」 バシン。 無言で力いっぱい背を叩かれては何事かと思う。 不機嫌極まりない表情でディアンは振り向いた。 「なん」 「可愛い〜〜〜〜〜〜〜ッッッ」 不平は嬌声で踏み潰された。 顔を真っ赤にしたラレンティアが、それからも何度もディアンの肩を叩く。 「ちょっと、可愛いんだけど、あの子!!!どうしよう!! どうしてくれようかしら、ねえ!!!」 「…知るか」 とりあえず、そのバシバシというやつをどうにかしてくれ。 「…何があったんだ」 「聞いてくれる!?」 言いたくてここに来たんだろう。 女というのはどうしてこう、怖いもの知らずで自分勝手なのだろうか。 呆れながらも、ディアンは続きを促した。 「英雄を目指してるんですって。こんな時世にね、すごく真っ直ぐなのよ」 「…そうだな」 「光、って、彼みたいな存在なのかもしれないわね。一瞬で、通り過ぎてしまう…」 「……そうかもな」 「戦場でね、私はいつも上空にいるでしょう? そうすると、戦局というのがよく見えるの」 「………」 「土煙の中、いつだって真っ先に駆け、切り込んでいくオレンジ色がね…よく見えるのよ」 光のようね。 遠くを見ながら、ラレンティアが繰り返した。 それと同じものを、きっとディアンも見ている。 隣で、背をあわせて、追いかけている。 苦しい局面でも、何がそんなに楽しいのか、笑いながら剣を振り回している。 きらきらと、日の光を浴びる刃ごと。 眩しい。 「…いいなぁ」 「………痛い」 ヘッドロックをかけられ、ディアンはうめいた。 「……」 「いいなぁ、ディアン!うらやましいぞー!」 「あの子に相棒宣言されてるんでしょう。…うらやましいわ」 「別にそんなんじゃ… それにあなただって、近づいていけばいいだろう。気安いぞ、あいつは」 「そういう問題じゃないのっ もう」 ぺしっと、軽くディアンの鼻面を叩いて、ラレンティアは離れる。 「…本気なのか?」 「さぁ」 問いに、ラレンティアは複雑な表情で答えた。 「愛か恋かって聞かれたらね、よくわからないけど。 可愛くて仕方が無いのよ、ホント」 「………そうか」 わかる気がする。 ディアンが静かに笑う。 「愛か恋か――― 本気になるのが一番怖いわね」 「…そうだな」 「でも、私、クレイマーのこと好きだと思う。」 「そうか」 「あなたとはライバル?」 「そんなわけあるか」 ふっと低くなった声色に、ラレンティアは笑った。 色々と破綻しています。ラレンティア×クレイマー。 ラレ姐さん、たぶん、キャラ違う… いや、でも公子絡みでさえなければ、仲間と冗談言い合ったりしてさ…と。 クレイマーには年上女が似合う。おもちゃにされてしまえと思う |
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| [87] 2005年09月28日 (水) 09時53分 CAFE | |
| 読ませて頂きました!良い、良いですよ!!この二人♪♪捏造万歳です!!ぜひ、これ以降のお話も書いて頂けるなら読みたいです。捏造のリクエストとかも有りでしょうか?フェイとからんでも良いかなぁと。シルウィスなんかも良いなぁと…結局彼がらみなら何でも好きって事ですね。 | |
| [89] 2005年09月28日 (水) 19時14分 一臣@管理人 | |
| きゃあ!!! ま、まさか感想をいただけるなんて!! しかも賛同いただいてしまった…!すごくすごく嬉しいです! 速攻で続き書いてしまいました(早)。絵もBBSに居ます(笑) フェイとも楽しそうですよねv ファラミアの存在に気づきもせずに、兄貴ぶるクレイマーとか見物だと思います。 シルウィスさんはまだイベントを起こしたことが無く、触れるのにちょっとビビっているのですが、機会があればぜひ…! レス、ほんとにありがとうございました…!!! |
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