覚書
小説に成りきれない雑文や、日々の語りなど。| 烈火の剣 | |
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| [49] 2004年04月10日 (土) 00時04分 烈火の剣 | |
| 「ニノ?」 一人の少女の名が、静かな会議室に上がる。 「えぇ、"死を運ぶ少女"と呼ばれています。ここ一年で、彼女の姿を確認された数日以内に、不可解な暗殺が起きているとのことです。」 「少女…。彼女もまた暗殺者だと?」 「いえ、"運び手"と呼ばれることから、連絡係だと思われます」 「ここ一年、ね…。もしや、ネルガルたちとの関係が?」 恐らく…、それ以降の情報を持ち合わせない報告役は、言葉を濁して首を振る。 「ラガルト、君は何か知っているかな。」 「あぁ、そうだな。名前くらいは聞いたことがある。」 とは言っても、姿は見たこと無いけどね。」 なにぶん、しばらく仕事らしい仕事も無かったもんで。 おどけて、ラガルトは肩をすくめて見せる。 ―――ったく、役立たずが。 隣のマシューが渋面を作り、いさめるようにエリウッドが苦笑いをする。 「わかった…、ありがとう。その子と何とか接触できないか、考えてみよう。 本当に彼女が力を持たないなら、また連絡役として他のメンバーと繋がりを持っているのなら、有意義な情報になるだろう」 「牙から引き込むつもりかい?」 「できるならね。幼い女の子を、手を汚さないとは言っても暗殺に携わらせるのもどうかと思うし」 「…おやさしいね、公子さま。」 にこり、ラガルトは笑みを一つ残し、その場を去った。 「にの」 かつん。冷たい廊下に響く足音にあわせ、マシューがその名を口にする。 「にの」 もう一度呼んで、それから、 「"死を運ぶ少女"、"連絡役"、"ソーニャの娘"、……、」 いつの間にか止まっている、後ろの気配に振り向いて。 「しかしてその実態は?」 「………、」 呼吸三つ分、間を置いて、ラガルトがうつむいていた顔を上げる。 「何が言いたい?」 「あんたにしてはずいぶん下手な嘘だと思ってな。」 「……――――」 はぁ。ラガルトはため息をつき、長い髪をかき上げながらうなじへ手を回す。 「何が言いたい?」 そしてもう一度問う。 声音には、奥へ触れることを許さない冷たさを含ませて。 それが答えとなる。ラガルトにとって、ニノと言う少女は、一体どんな存在であるのかという問いの。 「なんでもねーよ。」 わずかに目を細め、マシューは会話を打ち切った。 沈む船に付き合う義理は無い。そんなことを言って軽くこちらサイドへ着いたラガルト。 その彼が固執する曰くつきの少女は…一体どんな子供なのだろう? 興味がでた。 ヘクトルに話を持ちかければ、少女の保護は任務として容易く自分の手に降りてくる。 それをどういう札としてラガルトに見せるかは―――また考えればいい。 「…忙しくなるな」 ラガルトは吐くようにそう言って、足早にマシューを追い越し先を行った。 ラガニノ序章…と言った感じで。予定で。予告な感じ…? ラガマはまだCとかBといったレベルで、腹を探り合ってる状態。 最終的にはラガニノ/マセラ落ちにしようかと思っているので、マシューにあまり優しくないですラガさん。(マシューは言わずもがな。) それでもきっちり互いを読みあってるのが…憎い…お前ら…… 烈火では初の、連作ではなく連載に…しようと考えてるのですが…どうだろう… |
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