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覚書

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烈火の剣
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[48] 2004年03月29日 (月) 02時27分 烈火の剣
「日ごろの行いの所為だろう」
 ばっさりと言い切った友人に、ラガルトの背負う影が一段と深さを増す。
「…ロイド、お前なぁ」
 ゆっくりと振り向き、自分より少し背の低いロイドを恨みがましげに睨みつける。
「オレ達、友人だよなぁああああ?」
 ロイドが自分に対してこういった発言をするのは気を許している証拠だと、何より自分が確信している。しかし、とはいえ、それでも、こんな時には手を差し出してくれたっていいではないか。
 半ば脅すような、半ば懇願するような、ラガルトのセリフを受け、ロイドは「友人ね」と口の中で繰り返した。
「…いいけど?お前がそうだと言うなら。"友人"で…な。」
 一瞬、意味を受け取りかね…それから飲み込んで、ラガルトが思い切り嫌そうな顔をして見せた。
 その甘い誘いにうっかり乗って、手痛い思いをしたのは一体過去に何度あっただろうか。
「言っとくが、その手にはもう乗らないぜ」
 ジリ、とあとずさる。
「ふうん?」
 ロイドが口元に手をやり、艶のある笑いをする。
 ―――あぁ、だから、頼むから、そういう顔をするなよ…
 それだけで挑発に乗りたくなる自分を必死に抑えようと、ラガルトが顔をそむける。
 これが隙となる。
 音無く間合いをつめた白狼に腕を捕まれ、視線を上げると同時に視界をふさがれた。
 発しようとした言葉ごと噛み付かれ、代わりに何かが唇の間から滑り込まされる。
  ―――――甘い
「"友人"からの贈り物だ、ラガルト。疲れはしっかりとっておけよ」
 甘いものが一番だからな。
 至近でそう囁いたかと思えば、すぐさま軽く体を突き放し、上着を翻らせてロイドは立ち去っていった。
「…………あっ、いっつっは…」
 握る拳が震えているのは、怒りのためか、それとも…?
 がりっ、と飴を噛み砕き、ラガルトはもう一度だけ"友人"の名を呼んでは悪態を吐いた。



…てなワケでロイラガ練習。
著しく負けておりますラガルト。
どこまでも遊んでおります兄さん。
…こんなラガルトさんも、数年後には逆に相手を手玉に取れるようになるのですね。
成長したんだねぇ…(ここでしみじみしない。)


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