| [345] 昨日の誠、今日の嘘 |
- 大滝 - 2025年07月14日 (月) 21時42分
紫陽花や 昨日の誠 今日の嘘 正岡子規
僕は若いころ、約束を破ることも破られることも嫌いだった。今でも約束(契約)は守らなければならないだろうと思っている。だから体調悪く休むと簡単に連絡してくる派遣社員には、「這ってでも現場に行け、倒れるだったら現場で倒れろ!」と口まで出かかって、「体調が悪いんだったらしょうがないよね」と、本音とは違う内容で回答してしまうことが多い。「這ってでも〜」は、人権侵害になりかねない。
しかし、約束(契約)を簡単に破棄する派遣社員が多いことから派遣社員全体の信用がなくなっていくことが残念だと思っている。僕は「這ってでも〜」と心がけている労働者は美しいと思う。実際、そういう人は現場から信用されて派遣社員の身分から抜け出していることが多いんじゃないだろうか?無理して死んじゃったらどうするんだという意見もあるだろうが、労働者としての美意識を問題にしている。
僕が、法律を学んだころ、イェーリングの「権利のための闘争」を読んでエラク感激したことがある。法律の世界では「権利を守るために戦うべき」であるが、文学の世界では、「権利を主張すること」が必ずしも美しくない場合もある。僕は美しく生きている労働者には全力で助けたいと思うが、そうでもない労働者にはそれなりだなぁ。
僕が労働者の味方だと胸を張って言えないのはそのあたりにある。
|
|