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[333] アドラー |
- 大滝 - 2025年05月27日 (火) 09時48分
岸見一郎の「嫌われる勇気」と「幸せになる勇気」を読んだ。内容はアドラー心理学を対話篇によりわかりやすく解説したもの。僕は昔から心理学は敬遠してきた。個人的な経験だが、昔、高校の同級生に「あなたはこういう性格でしょう」と分析され、自分が考えていないことまで決めつけられたことに閉口したことが原因だと思うが。
アドラーの心理学は、ソクラテスとかニーチェとハイデガーの哲学に近しいところがある。そもそも岸見一郎もプラトンの哲学研究者である。
アドラーの心理学は、フロイドの原因論に対して真逆の目的論を展開していて概ね共感できたが、教育の現場で、子供をほめてもいけないし叱ってもいけないといっているのは納得しかねた。褒めるとか叱るとかは縦の関係であり、賞罰につながり、承認要求を認めることになり、子供の真の自主性を育むことにはならないと。
しかし、愛情を持って叱ったり、褒めたりすることがそんなに子供を悪くすることになるんだろうか?叱ったり褒めたりすることが必ずしも縦の関係になるとは限らないのではないか?横の関係でも褒めたり叱ったりすることはあるのではないか?
アドラーは競争も否定し、競争には勝者と敗者を生じ、勝者には傲り、敗者には恨みが生ずると。確かに競争にはそういう面もあるが、競争ということを否定してしまったら、人間に生きる強さが培われるだろうか?競争が避けられないこの世の中で、競争を否定して生きて行くことができるだろうか? 競争に勝ったからと云って人生の勝者になるわけでないし、競争に負けたからと云って人生の敗者になるわけではない。そこのところが深く理解していることを前提として競争の中で生きて行くことを考えなければならないのではないか?
初めから競争のスタートに立てない人もいるので競争がすべてでというのではない…競争は何をなしたかが基準となるが、何をなしたかではなく存在していること自体に価値があるとアドラーが云っているが、その点ではその通りだと思う。
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