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[314] 西行が好き
大滝 - 2025年02月17日 (月) 22時15分

そらになる 心は春の霞にて
世にあらじとも 思ひ立つかな
西行 
西行が23歳の頃の作だそうな。こんな若い時期から出家のために強い決心をもっていたということか。僕は若いころ西行のように雰囲気では出家したいと云ったことはあるが、ホントに雰囲気だけだったな。大学で法学部を選んだことで、自己矛盾が露呈されていたのだね。

白洲正子は、春霞のようなふわふわした心が、そのまま頑固な覚悟に移っていくところに西行の特徴があると。その特徴とは、花を見ても、月を見ても自分の生き方と密接に結びついていることで、花鳥風月を詠むことは、西行にとって必ずしも楽しいものではなかったと云っている。

そうかなと思う。シロートで薄学菲才の僕が云うのはなんだけど、西行にとって生きるとはどういうことだったんだろうか?

世の中を思へば なべて散る花の
わが身をさても いづちかもせん
西行の歌をいくら読んでも世俗的な事実は全然見えてこない。やはり、西行は貴族だったのだと思う。

そこが石川啄木と違うなぁ。
こころよく 我にはたらく仕事あれ、それを仕遂げて死なむとぞと思ふ

若いころ僕は啄木があまり好きではなかった。貧窮の中で死んだ啄木の歌を同じ貧乏な僕が読むと身につまされて苦しくなったからだと思われる。

そうだ、僕は自分とは縁のない高等趣味に憧れていたにすぎなかったのだな。今頃分かった。
だからどうしたという話でもあるが…



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