| [268] 小林一茶 |
- 大滝 - 2024年08月20日 (火) 11時23分
大の字に 寝て涼しさよ 淋しさよ 小林一茶 猛烈な暑さが続いている。エアコンなしでは、寝てもいられない。 一茶の寂しさは彼の人生からわかるような気がする。一茶は継母とその子と晩年まで相続でもめたと聞いているし、その後老年になってから親子ほど年の離れた女性と結婚し子供も4人生まれたけれど、相次いで亡くなり、妻もこの世を去ったとあっては、不幸を絵に画いたような人生でなかったか。
自分の死は体験できない(体験したときは死んでいる)から、自分が死ぬことはない、体験するのは他人の死ばかりと哲学者は云っている。老年になると自分の死より、家族の死の方が堪えるのはわかるような気がする。
とはいえ、一茶の句は、寂しさに堪えられないと嘆いてはいない。苦しさとか悲しさが行くところまで行くと一茶のような心境になるのかもしれない。一茶の句の中でもとりわけ好きな句である。
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