| [255] 西行が好き |
- 大滝 - 2024年06月10日 (月) 16時46分
世の中を捨てて捨て得ぬ心地して 都離れぬわが身なりけり 西行 出家して世の中を捨てはしたけれど、まだ捨てきれてない気がする。修行の旅にもでないで、いつまでも都から離れられない私である。
出家してお坊さんになっても、西行は終生煩悩から離れられなかった人のように思える。 ねがはくは 花の下にて 春死なん そのきさらぎの もち月の頃 の歌にしても、名利から離れているとは思えない。よい歌を作って後世に残したいという気持ちが透けて見える。禅的には、自分の死を飾るという意味ではやはり認められないだろうと思う。 とはいえ、僕は西行が好きである。詩だとか和歌だとかを作る才能がないにしても、不遜ではあるが心性は西行と同類だなと感じている。
半世紀以上前の高校時代、西行をまねた歌を作って得意になっていた時、高校の教師からコテンパンに評価されたことを思い出す。今となってはその高校の教師の感覚はよくわかる。自意識過剰も、ほどほどにしろよと云うことだったんじゃないかな。
老人になるとあの時はああそうだったのだなとわかることが多い。その意味では僕は失敗とか挫折が多すぎる感じがする。だからどうよっていうことではあるんだけど。
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