| [227] 金もなければ死にたくもなし |
- 大滝 - 2024年01月29日 (月) 11時32分
親もなし 妻なし子なし 板木なし 金もなけれど死にたくもなし 林子平 林子平は江戸時代後期の社会思想家であった。版木とは、著書の「海国兵談」を自費出版していたのであるが、政治に口出ししたとしてその版木までが幕府に没収されたらしい。 武士ではあるけれど兄の部屋住みで家族も財産も持たず労作まで奪われ、さらに蟄居まで命ぜられたというのであるから絶望的な状況であった。にもかかわらずこの狂歌は、どこか突き抜けたところがある。
僕は今でも何のために生きているんだと自問自答することが多いが、林子平は、人生ってこんなもんだとタカをくくっているような感じがする。
40年前の三菱重工爆破事件の犯人と思われる桐島聡が名乗り出たと。指名手配されて偽名で40年逃げ回っていた桐島の人生はどんな人生だったんだろうか?
重篤な末期がんにかかっていて最後は本名で死にたいとか。何百人も死傷者事件を起こした犯人としては随分甘いことを云っているのではないか?
林にしても桐島にしてもこの僕にしても主観的には、ブザマな人生と思っていたのではないか?客観的には偉人、極悪犯罪人、平凡人であったとしても。
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