「森友事件」再検証



私たちの掲示板をご覧になってくださり、ありがとうございます。

私たちは、思想、立場や経歴も違う人間ですが、ある偶然から「森友事件」について集まって議論をする機会を得ました。

そして、各々が持つ知識と経験に照らして過去のメディアの報道などを改めて検証していたところ、従来、「森友事件」について報道されていた内容には疑問点がいくつもあることに気がつきました。

話し合いの末、私たちは、自分たちが議論の結果、到達した結論を公開することにしました。

ご覧になられる皆様におかれましては、従来の「常識」とは違う意見があることをご存知いただければ幸いです。



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[155] 「推定有罪」の世界
暁烏 - 2022年09月02日 (金) 00時34分

 角川春樹氏は、麻薬事件で逮捕され、有罪の判決を受けたことがあります。
 「最後の角川春樹」(伊藤彰彦 著、毎日新聞出版 2021 年11月25日)232ページから234ページまでに、この時のことが書かれています。

 これを読むと、森友事件と状況が似ていると思いました。長くなりますが、一部を抜粋して、紹介します。


麻薬事件の真相 (五十一歳)

マスコミはここぞとばかりに”時代の風雲児”のスキャンダルを書き立て、曽野綾子のように角川文庫での重版を拒否する作家まで現れ、映画評論家は角川商法の問題点をあげつらった。

当時 角川さん逮捕の一報を聞いたとき、角川さんは執行猶予が付き、すぐに復帰するだろうと考えました。まさか1年半の実刑判決を受けるとはつゆ思いませんでした。 そもそも誰が角川さんを密告たのでしょう?

角川
 わかりません。ただ、こんなことがありました。 私が千葉南警察署に拘置されているとき、姉(辺見じゅん)のところにイスラエル大使館の一等書記官から電話があって、「あなたのお兄さんを密告したのはユダヤ人のグループです」と日本語で言った、と姉から聞きました。 最初にFBIが動いて、日本の警察に連絡したわけですから、『ルビー・カイロ」の件で争中だったことがこの事件に関わっているのではないかと。

ユダヤ人プロデューサーとのトラブルが関係していると?

角川
 のちに彼らは「アメリカについた日本人は二人いる。 田中角栄と角川春樹だ」と言っていましたから、私のハリウッド進出と裁判を面白く思っていなかったことは間違いがない。それがどう事件に関連したかは、”藪の中”です。

裁判記録である「推定有罪 角川事件の真実』(二〇〇〇年、濱崎憲史・濱崎千恵子著 角川
事務所)を始めとする資料を読み抜きましたが、この事件は、国家権力が角川さんのよう
な著名人を「麻薬撲滅キャンペーン」のためのスケープゴートにしたフレームアップ(事件の捏造)としか思えませんでした。 角川さんは大麻やコカインを不法所持していたかもしれませんが、社員に依頼しての密輸や、会社の金を使っての横領はでっち上げだと私は思います。 真相をお聞かせください。

角川
 間違いなくそうです。
不法所持については何も抗弁したい。 しかし、社員に頼んで日本に密輸したことなどなく、ましてや会社の金を輸入のために横領した覚えなどまったくない。 当時、角川書店から年二回出る役員賞与を、私は業績不振を理由に受け取らなかったんです。 賞与は当時、年間で五千万円でした。 会社に五千万円戻している私が、その十分の一以下の年間三百万円の横領(十年間で三千万円の横領したと訴状にある)をするなんてあり得ません。

ではなぜ、検察はありもしない輪や業務上横領の疑を角川さんにかけたんでしょうか?
角川
 それは、麻薬取締法違反に物証がなく、人証(密輸した社員の証言)しかなかったからです。それを正当化するために、抱き合わせで背任横領罪をくっつけた。 背任横領罪をセットにしないと立件できなかったからでしょう。

角川さんは所持の事実だけを認め、験の指示や背任横領を否認することは出来なかったんでしょうか? かりに所だけで有罪判決を受けたとしても、初犯ですし、文化や教育への貢献度の高い角川さんは情状酌量され、執行猶予が付き、四年半の実刑判決を受けることはなかったと思います。


角川
 当時、福田和也が同じことを言いましたね。 「めちゃえばいいじゃない。そうすれば情状酌量ですぐ出られるじゃないですか」と。 しかし、私の最初の弁護団が「全部、否認しなければ、背任横領罪まで被せられる。最後まで闘え」と助言したんですね。 警察や検察も私に何度も司法取引を持ちてきましたよ。 「角川さん、認めちゃえば情状酌量ですぐ出られるよ。早くラクになんなさいよ。」と。

そのとき、心は揺れませんでしたか?

角川
 正直、ものすごくれましたね。 司法取引のことを弁護士に話すと、弁護士は一笑に付し、「全部、否認しろ。」

角川さんが実刑判決を受けたのは、結局、「事実は認め、事実ではないことは認めない」と分けなかった弁護団の弁護方針の誤りだったのではないでしょうか?

角川
 方針は確かに間違っていたのかもしれない。しかし、私の性格として、検察に屈服することに我慢ならなかったんですよ。

その結果、実刑判決を受け、収監されてもですか?

角川
 事実じゃないことを認め、頭を下げたら、角川春樹じゃなくなるんです。
それに、日本の検察はいったん作ったストーリーラインは絶対に変えず、容疑者を必ず有罪にしてしまうことを知っていましたから。所持を認めてしまえば、 他の容疑もすべて認めることになってし背任横領まで認めなくてはならなくなる。 それが私は嫌だったんです。だから、最後まで全面否認を通したんですよ。

容疑を全面否認したとき、角川春樹は「まつろわぬ者」に親和性を抱く者から、まつろわぬ者そのものになった。その結果、角川は十年以上の歳月と何十億円もの資産を失うことになる――。


 弁護士が全面否認をアドバイスをしたため、罪状が重くなったり、検察や裁判所が無理矢理に証拠や証人を作り上げ、ターゲットを有罪に持ち込む手法も共通していると感じます。

[156] 「検察との闘い」 
暁烏 - 2022年09月03日 (土) 00時52分

 
 三井環氏は、元大阪高検公安部長でしたが、検察の裏金問題を告発する寸前に、検察により「身に覚えがない」容疑で、逮捕、起訴され、有罪の判決を受けました。しかし、三井氏は、この逮捕そのものが、内部告発を潰すための「でっち上げ」と糾弾し、出所後は身の潔白を晴らすために、「検察との闘い」という本を上梓するなど、日本の司法制度の問題点を告発する運動を展開しております。

 この「検察との闘い」の一部を紹介します。



篠田 どうもありがとうございました。 鈴木さんの演説会になってしまいましたが、流れを元に戻します(会場笑)。 先ほども話に出た「風を吹かす」、つまり世論を動かして味方につけるということですが、 三井さんは具体的にどういうふうになさっていたんでしょうか。

三井 意図的なリークというものがあるんです。 意図的に情報を流して「風を吹かす」と捜査が非常にうまくいく。身柄を押さえるまでに容疑者は大悪人になっていますからね。 みんな協力してくれるし、関係者調書も取りやすいんですよ。だから風を吹かすんです。 鈴木議員が鳩山内閣にリークがあるか否かの質問状を提出しました。鳩山内閣はそういう事実はないと言っていますが、それは当然で、あると言ったら国家公務員法の守秘義務に反するんですよ。だから「ない」という以外に答えられないんです。 だが実際にリークはある。私もやってきましたからね。 やってきた人が言うんだから、これは事実でしょう(会場笑)。

元木  「風を吹かす」のはどういう時にやるんですか。

三井 仮に、関係者で検察の狙いと違う供述をする人がいたとします。 これは検察サイドから見れば虚偽ですので、リークをします。 するとマスコミは検察の言うことを全部信用し、さらに憶測もブラスアルファで入った記事を書きます。 リークが6割だとして、4割が憶測ですから、話が検察の意図に沿ってふくらんでいくのです。

藤田 具体的なリークの手口はどうなんですか。

三井  リークは記者会見ではしません。私の場合は一日のうち一時間、記者と会う時間を作ったんです。一人5~10分ほど会う時にリークするんです。 一人の記者にリークするのであって、他の人にはしません。すると翌日、新聞に大きく書かれます。他の新聞は書いていないので、抜かれたかと焦って次から次へ書かれていきます。だんだん大きくなって、バブルになっていきます。新聞を読む人も、テレビを見る人も、それを信じるんです。

「検察との闘い」 三井環著、創出版 187〜188

 ここで、三井氏が言及している「風を吹かす」というのは、森友事件でも起きたと思われます。すなわち、報道では、まるで安倍晋三氏と籠池泰典氏が密談をして、国有地を不当に安く購入した話が、まるで事実のような内容で広まりました。しかし、実際の証拠を検討すると、それを打ち消す資料の方が多かったのです。

 すなわち、人為的に「風を吹かす」ことが起きたと考えるのが普通でしょう。

[158] 続 「検察との闘い」
暁烏 - 2022年09月04日 (日) 13時05分

 上記で紹介した「検察との闘い」の中でのシンポジウムの発言が紹介されていて、席上、刑事弁護で有名な安田好弘弁護士が以下のような発言をされていました。



安田 警察・検察は、あらゆる場所を捜索して、あらゆる証拠を持っていってしまう。しかし私たち弁護人は彼らが何を持って行ったのかさえ、全くわからないんです。 そうして検察は、持っていった膨大な数のうち、有罪を立証するのに都合のいい証拠だけを、法廷に提出するわけです。だから提出されなかった膨大なもののうちには、逆に無罪を証明する証拠、あるいは有罪を証明する証拠を疑わせる証拠がいっぱいあるはずなんですが、それらは一切明らかにされないんです。さらに言えば、物だけではなく、人もそうなんです。 証言ですね。いろんな聞き込み捜査をやる中で、有罪にしやすい聞き込みの結果だけを証拠化、つまり参考人として供述調書を取るんです。ですから無罪になるアリバイ証言があっても、そういうものは全部証拠から排除され、参考人とさえされないというのが現実なんですね。

 ただ、捜査報告書という書類がありまして、それには誰がどこに行ってどういう話を聞いてきたかという捜査の経過が書かれているんですけれども、私どもはそれは隠された証拠を探し出すであるとして開示を求めるんですが、検察は絶対に応じませんし、裁判所も検察に命じることはありません。三井さんが言っておられるのは、検察・警察が持っているので、被告人・弁護人に対して全面開示せよということでして、それで初めて検察官と被告人・弁護人が対等の立場になるんです。

 しかし裁判所は、そんなことを命令すると、被告人・弁護人は、必ず証拠を隠滅すると考え、絶対に認めないんです。 裁判所は無罪推定だと言いながら、被告人あるいは弁護人が証拠を隠滅する恐れがあるという前提で考えるのですから、実際は有罪推定なんです。つまり起訴された、あるいは逮捕された段階で有罪として取り扱われているというのが実情ですね。 ですから裁判所そのものが、実は公平でもなんでもない。 全て検察がやっていることを追認しているというのが現状です。つまるところ裁判官は高級官僚であって検察の同僚であるというのが、司法の現実だと思います。

「検察との闘い」 三井環著、創出版 189〜190




 この安田弁護士のご発言も、籠池さんから、全く同じ内容の体験として聞いています。すなわち、家宅捜査で証拠を全部、持ち去られてしまい、被告人には証拠が何も残らないという事態が起きます。結果として、弁護側も被告人も、反論ができないという事態が起きます。

 これが刑事事件の実態であると思います。

[159] 友情について
暁烏 - 2022年09月25日 (日) 00時51分


 作家の佐藤優さんが、東京地検特捜部に逮捕、起訴された経験について、高校時代の親友に語る場面が、佐藤さんの著書「友情について」に書かれています。

 佐藤さんの言われていることは、森友事件に於いても、同じことが起きたと私たちは感じております。例えば、検察官面前調書では籠池さんの有罪の根拠とされた証言をした証人が、口頭弁論では、検察官面前調書の内容は強制されたものだと証言したが、無視された事実があります。

 以下、「友情について」からの抜粋です。


「日本の司法は予審制でないけれど、実際は検察官が予審判事の役割を果たしているわけだ」

「そういうことになる。ただこういった実態は捕まってみないとわからない。 日債銀事件についても、可罰的違法性があると検察官が判断したっていう、それだけの話だよね」
6人逮捕されたけれど、3人は比較的早く釈放された。それでも7月に逮捕されて4ヵ月ぐ
らい勾留されていたと思う」

「特捜事件だと、それは短い方だ。鈴木宗男さんは437日、僕は512日勾留された。検察
は、迎合的な被疑者を「自動販売機』と言う。供述段階で「自動販売機』になって自白調書を作ると比較的早く保釈がみとめられる。検察官は、「あいつは硬い』『こいつは柔らかい』と言うんだが、自白調書を簡単に取れる容疑者は『柔らかい』、自白調書を取れないと「硬い」ということになる。証拠が揃っていると『柔らかい』、証拠がないものは『硬い』って言うわけだ。『この事件は硬い』が『あの事件は柔らかい』という表現を検察官はよくする。 特捜事件に関しては、容疑者は知能犯だから物証は残さないって前提で検察官は取り調べる。 重要なことについては物証がない。だから、供述調書が最重要の証拠になる。検察官も裁判官も『自白は証拠の王様』という発想になる。日本の刑事裁判は、刑事訴訟法上は公判での証言と検察官が作成した供述調書だと、公判での証言のほうが上になる。証言は宣誓したうえで行われるかちをついた場合は、偽証罪で告発される可能性があるので証言の方が重いということになる。 供述調書においては認めてるんだけど。 裁判において証人が供述を翻し、認めないといったこともある」

「よくあるよね」

「その場合調書の方が採用されるのが通例だ。特信性と言って、証言よりも供述調書のほうが信頼できる事情があると裁判官が判断した場合は、調書の内容を真実と認定することができる。 実際の裁判では、99パーセント特信性が認められ、検察官が取った調書のほうが証言よりも信用できるってことになるわけだ。だから、裁判において被告人に有利な証言をしてもらっても、それは無駄になる」

「それから被告人は証言することができない。意外とみんな知らないんだけど、証言っていうのは、偽証罪の縛りがかかることだよね。 被告人には偽証罪の縛りがかからない。だから、嘘をついても刑事告発されることはない。それだから、あくまでも被告人質問に対する陳述をするだけだ。だから、被告人の言ってることと証人が言ってることがぶつかると、被告人の言ってることが全部却下される」

「嘘をついているかもしれないから」

「そういうことになる。でもこれでは被告人質問をする意味がない。 国会の証人喚問でもわかるように、自分自身が刑事責任を追及されるものに関しては黙秘する権利がある。 裁判におい てもこの原則が適用される。だから裁判所は被告人に偽証罪の縛りがかかる証言にするか、縛りのかからない陳述にするか選択させればいいと思う。そうすれば、被告人と証人の立場が対等になる。 国によっては、選択を認めている。日本の場合は選ばせる制度がないから、とにかこのゲームというのは、入ってしまって被告人になった瞬間において、負けることが全部決まってる」

「だから、99パーセント有罪なんだ」

「そういうこと」

「特捜検察に逮捕されて、取り調べをしばらく受けているとそのカラクリがわかるようになる。だから、被疑者は、検察官に迎合して、事件を早く終わらせようとする。どんなに努力しても勝てないから。そうすると、刑事裁判において被告人が勝てないってことは、まともな頭があれば、10日も拘置所にぶち込まれて、刑法と刑事訴訟法を研究すればわかる。 刑事裁判はこういう実態になってるのかと。 こんなのは、上がりはすべて地獄になっているすごろくだって僕は思った。 江戸日本橋から出発して、道はいろいろ分かれてるけど、最後に行き着くのは京都三条大橋だ。 特捜事件の場合、閻魔大王を経て、上がりは全て地獄になっている」

「地獄すごろく、か」

「そんなもんだ。 これは特捜に捕まった経験のある人にしかわからない」

「ひどいねぇ」

「友情について」、僕と豊島昭彦君の44年 佐藤優著 157ページから159ページまで

[160] 「人質司法」
暁烏 - 2022年09月27日 (火) 01時54分

 カルロス・ゴーン事件で弁護に当たった、高野隆弁護士は、日本の司法の実態を以下のように書いています。高野弁護士の書いていることは、森友事件でも実際に同じことが起きていました。



最高裁の内部資料が示す驚きの実態

最高裁事務総局が「会内限り」という限定付きで日弁連に秘密裏に提供した統計資料があ
ります。これによると、2018年に終結した通常第1審(全国の地方裁判所と簡易裁判所に
検察官が起訴(公判請求)した事件)において、勾留人員 (3万6957人)に対する保釈人員
(1万1372人)の割合は30・8%です。自白している被告人 (3万2258人)の保釈率
は31・6%(1万200人)であるのに対して、否認している被告人の保釈率は28・5%
(3952人中 1128人)です。約3%の違いですから、大した差ではないと思うかもしれ
ません。

 しかし、保釈が認められたタイミングを見るとその差は歴然としています。自白した被告人の場合 26・1%(8406人)が第1回公判期日の前までに保釈されるのに対して、否認
した被告人の場合、公判前に保釈されるのは11・9% (471人)にすぎません。つまり、
「私は罪を犯していない」と言って無実を主張している被告人の100人に1人しか、公判開始前に釈放されないということです。

高野隆 「人質司法」 角川新書 41ページ



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