[79] 籠池泰典氏は詐欺師か? |
- 暁烏 - 2021年04月18日 (日) 21時53分
現在、森友学園の「疑惑」については、大半が解明されていますが、まだ解明されていない「疑惑」はあります。その最大のものが、「土地の値引き」と「文書の改竄」です。
「文書の改竄」は、籠池氏が関与する余地はありませんが、「土地の値引き」については、籠池氏の関与を示唆する報道姿勢は確かに多いです。
何がなんでも森友事件と政治家を結び付けようとする報道の中には、この値引きは政治家の圧力によるものだ、というものがあります。反対に、何がなんでも森友事件と政治家との結びつきを否定しようとする意見もあります。このような意見の中には、この事件が全て籠池泰典氏の「強引なゴリ押し」の結果と捉える人もいます。中には、籠池氏を「詐欺師」扱いする人もいます。
例えば、朝日リスク 暴走する報道権力が民主主義を壊す (産経セレクト) (産経セレクト 櫻井よしこx花田紀凱 )で、足立康史氏(日本維新の会 衆議院議員)は、こう発言しています。
「そこにあれだけの詐欺師が出てきて、それが財務省の理財局、近畿財務局に抱き付いて脅して、「もしこれで開校が遅れたら訴訟するぞ」と恫喝したわけです。誰もそれを守ってあげることができなかった。財務省も、もう少し毅然としていればよかったのです。 一方で、籠池前理事長との会話を録音された音声データが出てきている。限りなく土地代をゼロに近くするような会話の内容です。財務省もアホだと思いますが、彼らが滅茶苦茶悪いことをしたわけではないのです。」
確かに、小学校の用地からゴミが出てきたことで、籠池氏は近畿財務局に抗議をしたり、値引きを迫っています。しかし、元々、この土地については、購入時の条件では、土壌汚染は書かれていましたが、土中の埋設物は書かれていませんでした。それが、建設の途中で大量の埋設物が出て来て、工事がストップしたら、購買を予定している側が、小学校の開校の遅れを懸念したり、値引きを要求するのは、別に普通のことです。これをゴリ押しというのは、酷だと思います。
さらに、新しい売買契約書には、別のところでも書いた通り、異例とも言える「瑕疵担保責任の免除の規定」が定められています。この規定を考え併せると、値引きは全然、異例ではありません。
それと、なんども書いていますが、近畿財務局はあくまでも窓口で土地の所有者は国土交通省です。仮に籠池氏がいくら近畿財務局を脅したり、泣き落としを試みても、肝心の国土交通省大阪航空局が納得しないと値引きはできないのです。 ところが、これも別のところで書いている通り、第2次安倍内閣以来、国土交通省の大臣は公明党の人です。仮に、籠池氏が日本会議や自民党の国会議員をネタに脅したり、透かしたりしても、公明党が恐れるのは創価学会であって日本会議ではありませんから、スルーするはずです。
その大阪航空局が値引きを認めた事情とは何か。確かに、小学校の開校の遅れによる国家賠償訴訟を恐れた可能性も高いです。が、これに加えて、私達はアスベストの存在が大きかったと考えております。これについては、別の文章で詳しく議論をしてので、ここではこれでやめますが、要するに、四者会議の存在を知ると、結論は全く変わって来ます。
確かに詐欺事件かもしれませんが、私たちは「瑞穂の国記念小学校」の土地にアスベストが存在し、国の機関と民間業者がこれを森友学園側に隠蔽していたと考えています。そう仮定すると、森友学園は、「犯人」ではなく、「被害者」だと言うべきだと考えます。
念のために申し上げると、音声データは、自称ジャーナリストの菅野完氏が朝日新聞に渡したものですが、籠池氏の許諾なしに渡しています。第一、籠池氏は菅野氏にこのデータを渡しておりません。おそらく、人に言えない方法で入手したものと推定されます。 当時、菅野氏は籠池氏に「私を信用してください」などと話していたそうです。信頼関係にある人が、違法な可能性のある手段で録音テープを入手したり、本人の承諾なく録音テープを報道機関に渡すはずがありません。この音声データが流出したことで籠池氏は窮地に陥った事を考えると、籠池氏は、菅野氏に騙されたと言うべきです。
すなわち、籠池氏は、詐欺事件の「犯人」ではなく、「被害者」であると言うべきだと思います。
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