今日は中秋の名月が眺められる日とか。
天気はどうでしょう。晴れていれば秋の南の夜空は、ほかにあまり明るい星がなく、今日の新聞歌壇に載った次の短歌にあるように、「みなみのうお座」の口のところにある「フォーマルハウト」(アラビア語で「魚の口」)という一等星だけが目立って見えるそうです。(下の星図参照)
*ペガススにフォーマルハウト星空の秋の足音に耳澄ましけり(三原市 天崎千寿)
で、晴れなかったら、雨になるかもしれませんが、それならそれで楽しめるのが、日本人のゆかしいところ。
今日まで知らなかったのですが、中秋の季語に「雨月」というのがあるそうです。
雲の上にはこうこうと輝く名月があるのに思いをはせる、または雲間にわずかにのぞく名月を垣間見たり、小雨にけぶる名月を眺めたりする風情を楽しむ、そんな感じでしょうか。
それにまたまた、TOMOさん解説がほしい、謡曲「雨月」もあります。
西行が中秋の名月の一夜、宿を頼もうと思った庵に、雨音の風情を楽しむ翁と、月光を愛でる姥が住んでいて、音を聞くには軒端(のきば)に屋根を葺(ふ)くべきだ、いや月を見るには屋根はいらないと言いあっていました。
そして翁は西行に、歌の下の句を投げかけます。「賤(しづ)が軒端を葺きぞ煩(わづら)ふ」。
これに対して西行が、「月は洩れ雨は溜まれととにかくに」と上の句を付けたので、和歌は完成し、「月の光は洩れてほしいし、雨は漏れずに溜まって音を聞かせてほしい。そんなこんなで粗末な家の軒端に屋根を付けるか悩んでしまいました」と、双方立てる歌になって二人は喜び、西行を迎え入れる……。
歌の解釈、これでいいかどうかも含め、この先はTOMOさんの世界でしょうからお願いいたします。
中秋の名月、晴れても晴れなくても楽しめるということでしょうね。
