No.2852 違いのわかる目 投稿者:木器 投稿日:2025年07月14日 (月) 09時16分 [ 返信] |
昔、なにかのテレビCMで、♪ダバダバダーの音楽とともに「違のわかる男……」というのが出てきましたね。 今、木器はわずかの期間ですが、「違いのわかる目」を二つ持っています。
なんて言っても別に、なにか自慢できる鑑識眼が二つもあるというわけではありません。手術の終わった右目と、今日これからの左目との性能の違いがよくわかる1週間を過ごしたということです。
振り返ってみると、あの支離滅裂な体験談をお話しした後、じゃあ、その結果どうだったのかをまったく書いていませんでした。 遅ればせながら、これまたもう「すごい!」のひとことに尽きます。 手術直後、まだ結果もわからないのに「すごい!」と叫んでいたのと通じるものがあります。
手術後、眼帯を取って初めて右目で見た風景の、鮮やかなこと、きれいなこと、こんなに色のきれいな景色があったんだーと、まずあらゆるものの色の鮮明さ、とくに赤と緑の色のきれいさに感動しました。
これはテレビ画面でも同じで、液晶画面の一つ一つの画素が見えるようなシャープさ(シャープのアクオスだからというわけではないでしょうが)です。 出演者の顔の肌ざわりまで伝わってきそうで、ちょっと不気味な感じさえします。
ただ、ふと頭をよぎったのは、状況はまったく違いますが、作家・高見順が余命を告げられた後、見るもの聞くもの触れるものがあまりにもみな美しく見え、改めてこの世のものの存在の愛おしさを感じたというのと、なにか似ているのかなーということです。
いや、まだ自分としては余命云々という状況ではないし、この目の恩恵はもっともっと存分に味わいたいと思っています。 でも、この数日の両目の見え方の違いは、両目が揃ってよくなってからでは味わえないものを味わえた貴重体験として、記憶にとどめようと思いました。 そう思いながら、左目の試練にもこれから立ち向かってきます。
両目揃って「すごい!」と言えますように……。 言えたら執刀医はじめ関係者、心配してくださった方々も含め、「すごいです! ありがとう!」と改めて言えると思います。
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