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【末永朱胤さんのコメント】
特選 38 手術無事済みしと聞く夜秋の雷 不安、心配、安堵…とうつりゆく心理と「秋の雷」がよく響き合っています。 【入選】 17 花木槿いつか見知らぬ家並び 花木槿のたたえる情感と、見知らぬ家並のコントラスト。 23 夕焼やゴジラの背びれ見えそうな 怪獣の出てくる世界はなぜか夕焼が似合う。 25 咲き残る百日紅に子を発たせ 帰省した子を見送ったのでしょうか。「咲き残る」に哀感があります。 27 片蔭の道ゆずリあふ人見えて やや離れたところで起きたことをたまたま見たという距離感が面白いと思います。 28 紅葉葵むさしのの翳持ちにけり 「むさしのの翳」が利いています。 46 熱帯魚の水槽ばかり明るくて 「熱帯魚の水槽」が与える不思議な違和感。 【惹かれた句】 22 送り火や居間もキチンも広くなり 空間に感じる、見えないものの存在感と不在感。 31 冷麦の赤い一筋子に取りて 「赤い一筋」が視覚的にも心理的にも焦点をなしています。 今月もありがとうございました。 |
【芽笹のコメント】
特選 44 カレー屋の戸口を押せり解夏の僧 夏安吾を終え、晴れ晴れとした表情でカレー屋に入ってゆく僧侶。 いきなり肉食かと思いきや、注文するのは豆のカレー。 古代釈迦族もきっとカレーを食べていたに違いない。 なさそうでありそうな光景、俳句的な可笑しみもあります。 入選 5 三伏や歯医者通ひはいつ終る 9 このあたり路があるはず真葛原 21 四畳半一間の下宿月熱し 25 咲き残る百日紅に子を発たせ 30 何事もうまくいかぬ日髪熱し 51 月に掛かる雲の動かぬ熱帯夜
[58] 犬客 > ありうべき嘘の句を見事に鑑賞していただき深謝です。ラーメン屋に入っていくのは、実際に見ました。 (2022年09月01日 (木) 01時23分)
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【山本洋さんのコメント】
特選 44 カレー屋の戸口を押せり解夏の僧 夏修行を終えた僧が裏路地の小さなカレー屋に入ってゆく、はっとするような光景が目に浮かぶ。 入選 8 桃啜る古稀のあぎとを濡らしつつ 31 冷麦の赤い一筋子に取りて 32 明け方の銀河熟れゆく微熱かな 38 手術無事済みしと聞く夜秋の雷 43 母の歳越えて今年の瓜の馬 48 平野には熱帯の風稲の花
[56] 犬客 > 洋さん、ありがとうございます。犬客の句集がまもなくできますので、1冊送ります。住所を、下記メールアドレス宛にお知らせください。
kamikam@jcom.home.ne.jp (2022年09月01日 (木) 01時18分)
[57] 犬客 > 犬客 > 洋さん、ありがとうございます。犬客の句集がまもなくできますので、1冊送ります。住所を、下記メールアドレス宛にお知らせください。
kamikam@jcom.home.ne.jp (2022年09月01日 (木) 01時18分) (2022年09月01日 (木) 01時19分) |
【まゆ子さんのコメント】
特選 54 前髪を切り揃へても秋暑し 前髪は完璧に揃ったのかもしれません。残暑のきびしさが一層つのります。 入選 1 片蔭やかくれんぼの子潜み声 7 今朝の秋うるはしき石拾ひけり 18 盆の入り午前十時の草いきれ 23 夕焼やゴジラの背びれ見えそうな 47 老い熱し愚痴も不満も押し込めば 49 熱帯夜巨人に追はれとび起きる
[53] 芽笹 > 特選に取っていただき、ありがとうございます。 (2022年08月31日 (水) 23時47分)
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【松子さんのコメント】
特選 54 前髪を切り揃へても秋暑し ぱっつんと切る前髪があるのにあこがれます。もう切る前髪も乏しいいので惜しくて切れない。 入選 1 片蔭やかくれんぼの子潜み声 懐かしい風景です。 16 燈火親し駄句も秀句も命持つ そうだといいのだけれど、願望です。 21 四畳半一間の下宿月熱し 月熱しがすてきです。 23 夕焼やゴジラの背びれ見えそうな 地平線というのは本当はないんだというのをどこかで聞いたことがあるような。 手前のものにさえぎられるから。ゴジラのギザギザ、リアルです。 30 何事もうまくいかぬ日髪熱し 髪熱しがいいですね。帽子の中に保冷剤を入れてお出かけしています。脳みそ大事。 43 母の歳越えて今年の瓜の馬 お迎えの馬ですね。
[54] 芽笹 > 特選、43番、ありがとうございます。 (2022年08月31日 (水) 23時48分)
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お待たせしました。
7月の句会の選評を書き込みました。 皆さまのご意見・ご感想も、どうぞ書き込んでください。 削除キーにパスワードを入れると投稿できるように設定しています。 (メンバーだけが書き込めるようにするためです。) よろしくお願いします。 |
【まゆ子さんのコメント】
特選 8 朝涼や戸口を一歩出しとき 日中は暑くても朝の涼しさ、特に戸口をでたとき、というのに共感しましたし、素敵でした。 入選 17 夕闇に溺れて啼くか烏の子 22 菜園に水遣る夕べ風涼し 25 僚船も大漁旗揚げ浦涼し 26 「氷点」のゆかりの径をはたた神 35 七月の街の外れにたどり着く 41 風鈴の鳴れば夕空澄みわたる |
【風子さんの選句】
特選 16 青柿の雨を弾きて鴎外忌 入選 17 夕闇に溺れて啼くか烏の子 32 弟に負けて泣く姉天瓜粉 54 涼しさや山葵田に聞く水の音 57 天道虫坂上りきり海の見ゆ 59 宿涼しどの窓からも八ヶ岳 66 選挙カー来ぬ朝となる涼しさよ |
【珍辰さんのコメント】
特選 16 青柿の雨を弾きて鴎外忌 雨を弾く青柿。 その硬さと艶やかさが「鴎外」という人に響き合っています。 軍医として生き、ある時は作家として生きる二面性が青柿に象徴されているように思えます。 普通選 1 夜の涼し沖は漁りの灯を浮かべ 派手さはない地味な句ですが、かえってそれが静かな涼しさを伝えているように感じます。 波静かな、ゆるやかな風が句から吹いてきます。 13 大蟻が先客にいて山の宿 山の宿ですから仕方ないにしても大蟻がいては驚きますね。 「いて」は「ゐて」ですが「先客にをり」としたほうが良いと思います。 23 生ビール病気自慢はそこまでに 昔は年寄りを笑っていましたが、今や病気自慢だらけの世代となり、あるあると頷くばかり。 「そこまでに」としたところに、この句の救いがあります。前向きに生きていきましょうよ。とね 27 蟬時雨腕にいつまで注射痕 注射の跡がいつまでも残っているとあまり良い気持ちがしないもの。 病に対する漠然たる不安を残します。表にでれば蝉しぐれ。暑さが募りますね。 46 白河の関を越えれば田の涼し 「田の涼し」がどう解釈されるかですね。 「田」は日当りの良い光景で、田水沸くというように、むしろ暑さが強く出てしまうように思います。 白河を越えて涼しくなるか。福島も暑い所ですしね。 55 青田から峠へ向かふ塩の道 大きな句柄で絵になりますね。峠に向かう九十九折れの道と 幾枚もの棚田が見えます。小谷村あたりを描いた向井潤吉の作品のようです。
[40] 屁散人 > 3句入選、ありがとさんです♪
1 夜の涼し沖は漁りの灯を浮かべ 静かな光景を思い浮かべてもらえて良かった。働いてる人は大変だろうけど。 23 生ビール病気自慢はそこまでに 本当に会う人ごとにあっち痛い、こっちもうダメ、と言いたくなりますな。老いるって老いないと分かんないだなぁ、あたりまえだけど。 27 蟬時雨腕にいつまで注射痕 これ血液検査の時のもの。昔は平気だったけど、なぜか年とともに注射が怖くなったであります。 (2022年08月04日 (木) 21時42分) |
【山本洋さんのコメント】
特選 29 涼しさや女童(めわらべ)手足また伸びる 日差しが落ちて涼風が吹き始める夕べ、縁で寝転んでいる孫娘の白い手足がまた伸びているのに気づく こんな閑かな時もあっという間に過ぎてゆくのだ、と子どもの手足の滑らかさを見ながら思う。 普通選 6 水打つて打たれぬ土が香を立つる 13 大蟻が先客にいて山の宿 15 時といふひとすじの川星涼し 38 油照りバイクきします配達夫 48 茅の輪くぐり異世界へゆく心地かな 64 横顔涼し束ねる髪のシュシュもまた |
【西北さんのコメント】
特選 38 油照りバイクきします配達夫 真夏は、やはりこんな酷暑の句にインパクトがありますね。 入 2 合歓咲きて微かな風もありがたく 3 草青み人に安らぎ戻り梅雨 13 大蟻が先客にいて山の宿 23 生ビール病気自慢はそこまでに 27 蟬時雨腕にいつまで注射痕 32 弟に負けて泣く姉天瓜粉 他に、感銘句 51 涼しさは泉の底の砂動く 59 宿涼しどの窓からも八ヶ岳 |
【松子さんのコメント】
特選 51 涼しさは泉の底の砂動く 一度しか見たことがありませんが、富士の湧き水で水の底の砂が動いていた景色を思い出しました。 たしかあの時も暑かった。 そして暑いのに涼しいなあと感じました。 それがいつだったのか、どこだったのか、思い出せないけれど。 入選 3 草青み人に安らぎ戻り梅雨 穏やかな時間には草の青ですよね。 4 朝涼やさきほどの夢忘れゆく 忘れられない夢は悪夢です。この頃悪夢ばかり。それが正夢になったり。 目高の大量死も正夢だった 😢 5 廃線の決まる支線よ風涼し 気になるのが「支線よ」の「よ」です。 19 割るまでは卵の形朝涼し 卵の形は可愛い。割ってしまった後の卵は、おいしいけど可愛くない。 卵を形でとらえるのと、中身でとらえるのと違うなあと思いました。 中身でとらえると寒卵で、冬がぴったり。と思った。 27 蟬時雨腕にいつまで注射痕 病の句も私は好きです。こういう句は避けましょうみたいなことは嫌だわ。 寄り添えたり、寄り添ってもらったり大好き。 29 涼しさや女童(めわらべ)手足また伸びる なんて手足が長いのだろう、と街ゆく若者を見る。 あのまま、手足をバタバタさせると飛んでいけそう。
[41] 屁散人 > 入選、ありがとさんです!
27 蟬時雨腕にいつまで注射痕 よくよく思い起こしてみれば、これ採血の時の句ではないかもしれない(^^)/ なんか自分でもよくわからなくなってきた。 あー、どうしましょ。 (2022年08月04日 (木) 21時47分) |
【朱胤さんのコメント】
特選 51 涼しさは泉の底の砂動く 繊細な写生句にして、涼感たっぷり。 【選】 1 夜の涼し沖は漁りの灯を浮かべ このような景色を眺めに海に行きたくなりました。 12 合歓咲くや惑星の夕午後の風 「合歓」「惑星の夕」「午後の風」の取り合わせがミロの絵を思わせました。 20 白髭の滝の滝音聞き取れず 滝と滝音は別のものというのがおもしろい。「鐘をはなるる鐘の声」を思い出しました。 54 涼しさや山葵田に聞く水の音 一読、涼しくなりました。 57 天道虫坂上りきり海の見ゆ 小さく赤い天道虫と大きく青い海の取り合わせに惹かれました。 59 宿涼しどの窓からも八ヶ岳 「どの窓からも」が利いています。 【惹かれた句】 11 人愛することなく老いてサングラス 小説の主人公でしょうか。 52 海の日に沖に現る貨物船 海の日だからというわけではないのでしょうが、面白いですね。 66 選挙カー来ぬ朝となる涼しさよ 本当にそのとおり。 今月もありがとうございました。
[42] 屁散人 > 入選および惹かれた句、ありがとうございます!
1 夜の涼し沖は漁りの灯を浮かべ 実景ではなく、なぜか横須賀港を思い浮かべていたような……。その沖の方で漁火が揺れている感じ。 11 人愛することなく老いてサングラス 自画像です(悲) (2022年08月04日 (木) 21時55分) |
【凡々さんのコメント】
特撰 54 涼しさや山葵田に聞く水の音 山葵田に聞く水の音より涼しさを感じさせてくれる物はあまりないと思います。 伊豆かどこかの山葵田に行きたい。 普通選 5 廃線の決まる支線よ風涼し 24 父と子の甚平戦さなき国に 29 涼しさや女童(めわらべ)手足また伸びる 38 油照りバイクきします配達夫 46 白河の関を越えれば田の涼し 57 天道虫坂上りきり海の見ゆ |
【芽笹のコメント】
特選 55 青田から峠へ向かふ塩の道 大きな風景です。山裾に広がる田んぼ。その横を通る古い道。 山に向かう道は、現在は舗装されて三桁国道に指定されていますが、 古くは塩街道として名を馳せた道。 山の向こうの敵に塩を届けたという逸話も思い起こされます。 入選 1 夜の涼し沖は漁りの灯を浮かべ 32 弟に負けて泣く姉天瓜粉 38 油照りバイクきします配達夫 51 涼しさは泉の底の砂動く 54 涼しさや山葵田に聞く水の音 59 宿涼しどの窓からも八ヶ岳 |
【屁散人さんのコメント】
特選 59 宿涼しどの窓からも八ヶ岳 山登りなんて、あんな苦しいことなんでやるんだ、と思いますね。 句は山派、ノン山派、いずれの人の句ともとれます。 明日登る八ヶ岳を仰いでいる、あるいは旅宿に入ったときに見る八ヶ岳。 「どの窓からも八ヶ岳」がいいですね。 八ヶ岳を見たことあまりないけれど、作者にとって八ヶ岳は神々しく、仰ぐに相応しい存在なのでしょう。 解放感のある句ですね。 普通選 14 夕涼や夜勤と代わる溶鉱炉 22 菜園に水遣る夕べ風涼し 30 我に返れば睡蓮のほとりかな 51 涼しさは泉の底の砂動く 55 青田から峠へ向かふ塩の道 56 物置に太宰の本の黴拭う |
【犬客さんのコメント】
特選 65 方円の器に満ちて水涼し 無駄な言葉がなく、すっきりとして涼しい句です。 入選 1 夜の涼し沖は漁りの灯を浮かべ 5 廃線の決まる支線よ風涼し 9 算数の宿題終えてこそ涼し 13 大蟻が先客にいて山の宿 24 父と子の甚平戦さなき国に 54 涼しさや山葵田に聞く水の音 |
皆さまの選句とコメントを書き込みました。
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【犬客さんのコメント】
特選 1 衣更へて雨音軽くなりにけり 衣を替えて身も心も軽くなったのでしょう。 入選 7 七変化雨のリズムを刻みつつ 18 梅雨曇り富士のみえざる富士見亭 23 流蛍やひときは闇の深まれり 46 採血の順番を待つ五月闇 55 忍冬の蜜吸ひ人とかかはらず 57 月命日生家の縁に蛍来る その他良いと思った句 8 その人の声なき句座や百日紅 40 窓二つ並べば顔の夏館 51 掌に水の香残し蛍去る |
【凡々さんのコメント】
特撰 17 蛍火に流れ乱るる天の川 蛍の群れ飛ぶのを見てふと夜空を見上げると天の川があった。 地上のささやかな光と雄大な天の川の対比の雄大な句と思います。 天の川の流れが乱れるなどということはないのですが、 乱れるというのに作者の心情が出ていていいと思います。 入選 8 その人の声なき句座や百日紅 21 消えてゐる間蛍は闇を吸ひ 29 闇に濡れ光に戻る蛍かな 38 蛍火も相寄りし夜更けゆけり 53 竹皮を脱ぎ青空の深きこと 58 推敲す初蚊の痕を二の腕に |