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【まゆ子さんのコメント】
特選 37 大根煮る夫の小言は聞き流し 夫の小言なんで平気、大根のいい匂いがしてくるようです。 入選 6 濡れ縁にあいさつ回りの冬の猫 7 残りたる玉菜採りきる年の暮 11 冬の雨止みしを知らぬしじまかな 13 歳晩や閉店セールに熱気満ち 18 この世でもあの世でもなく日向ぼこ 29 日向ぼこまた過ぎりたる鳥の影
[131] 芽笹 > まゆ子さま
18番、ありがとうございます。 日向ぼっこは、半ばあこがれでもあります。 毎日日向ぼっこして過ごしたい! (2022年12月30日 (金) 14時56分) |
【屁散人さんのコメント】
特選 54 亡き友と登りし山も眠りけり 何も書くこおとがないほど、友に対する思いの深さ、ともに過ごした時間への 思いが静かに伝わってきます。 眠る山がそれを温かく包んでくれています。 普通選 3 かすかなる稲の匂ひの冬田かな 4 夜更けの湯年つまる音聞いてをり 28 夕日濃き甲斐の山々冬至かな 37 大根煮る夫の小言は聞き流し 48 パンジーの花壇を歩む冬の鳩 56 菊二輪父母に手向けて年暮れぬ |
【珍辰さんのコメント】
特選 54 亡き友と登りし山も眠りけり 山のバディを失って、その思い出に浸りつつ山を眺めると、冬の静まりに包まれている。 何となく暗い、寂しい作ではありますが、一方で春になったら、眠りから覚めたら、 また登りに行ってバディに会いに行くよ、と呼び掛けているようにも思えてきます。 表面的な理解に止まらず、一歩だけ作者の心の奥を想像してみました。 普通選 18 この世でもあの世でもなく日向ぼこ この世でもあの世でもなく、正にその通り。老境の日向ぼこですね。 27 その下に隧道のある蜜柑山 蜜柑山の下にトンネルがあるよ、というだけの句ですが、どこか惹かれます。 それも感動、共感だと思います。 33 午後からの船は欠航石蕗咲けり 暖かに石蕗が咲く陸地と冬並みの立つ海が目の前に広がっている。 朝は穏やかだったのに、その変化に驚く作者がそこにいます。 37 大根煮る夫の小言は聞き流し 最近向田邦子の小説をまとめ読みしているのですが、女性のしたたかさを活写することでは 超一流の作家でしたね。そうした小説の一コマのようです。 40 何がなし不安の募る年の暮 年の暮れは即ち一年歳を重ねるということ。 早く大人になりたいと思っていたころと、今の齢を重ねると何とも言えぬ不安に共感を覚えます。 44 極月やし残すことの多すぎて 40への共感の一方、暮れになるとやはり一年を振り返り反省、検証、点検と いろいろ振り返り、あれもしなかった、終わらなかったという思いになります。 それも確かに、年々増えているようですな。
[127] 芽笹 > 珍辰さま
18番、40番ととっていただきありがとうございます。 年々一年が過ぎるのが速くなっています。この先どうなるのでしょうか。 地球の自転・公転が速くなっているのだと思います。 (2022年12月29日 (木) 15時29分) |
【山本洋さんのコメント】
特選 55 歳晩の夜警小さき声で散る どこにでもある、年末の光景。「小さき声」が冷たい空気のなかに暖かく響きます。 入選 3 かすかなる稲の匂ひの冬田かな 4 夜更けの湯年つまる音聞いてをり 7 残りたる玉菜採りきる年の暮 34 あめつちのあはひを息の白くして 42 噴水に立ち止まらざる年の暮 43 どこの灯も暗し節電年の市 興味をひかれた句 2 対岸に四人見え五人目は冬 |
皆さま、お待たせいたしました。
11月の句会のコメントを書き込みしました。 どうぞご覧になってください。 |
【珍辰さんのコメント】
特選 21 くつくつと花豆を煮る夜寒かな 神無月という題も難しいし、この時季のお題も作りにくいもの。 そういう時に、こうした生活感のある句はほっとさせられます。 夜寒を感じ冬の到来が近いという中、マメを煮る風景は心温まります。 普通選 18 人づての友の訃報や石蕗の花 45 日を踏めば十一月の空深し 48 もう会えぬ人また増えて落葉踏む 54 まだ夢を追ひ求めては木の葉髪 57 大根の重きを提げて暮早し 58 橋上に烏の抜け羽暮の秋 |
【屁散人さんのコメント】
特選 30 深海の探査始まる神無月 変な話、この句、横書きだとピンとこないけど、縦書きにするとどういうわけかスッと胸に入ってくる。 神様が不在になって、深海の探査が始まる。 鬼のいぬ間に、というわけでもないでしょうが、何やってたのか神様の所業を見てやろう、 みたいなフンイキがあって面白い。 句がすらりと読めるのもいいですね。 普通選 6 晩年の言葉しみじみ返り花 35 川波の光り止まずよ冬に入る 38 土間仕事ふゆるばかりよ神の留守 49 助手席は気の抜けぬ席神の旅 53 雨待ちて阿夫利嶺の神旅立てり 54 まだ夢を追ひ求めては木の葉髪 |
【山本洋さんのコメント】
特選 34 冬枯れにものみな神となりにけり 冬枯れを神と表現した視点が秀逸。そうだったんだと思わず手を打った。 入選 17 冬菫神さまの名を誰か知る 19 神の留守たこ煎餅がよく売れて 22 風花は神の残せし指紋とも 28 枝川の流れも続き神の留守 41 辞す刻のにわかに暮るる石蕗の門 44 天体もかくれんぼして神の留守 |
【朱胤さんのコメント】
【特選】 35 川波の光り止まずよ冬に入る 波のひとつひとつが「冬が来た」と言っているようです。 【入選】 18 人づての友の訃報や石蕗の花 「人づての」が利いています。 34 冬枯れにものみな神となりにけり 寂しさと崇高さが渾然一体となっているように感じます。 41 辞す刻のにわかに暮るる石蕗の門 「にわかに」がこの句の扇の要のようです。 43 厨には大きな紙に火の用心 なんでもないことを提示しているだけですが、心に残ります。 47 神無月いく筋飛行機雲伸びて 大空のどこを探しても立ち去った神はみつからない、飛行機雲だけを残して。 58 橋上に烏の抜け羽暮の秋 抜け羽は何かの「知らせ」としてそこに置かれたのだろうか。 今月もありがとうございました。
[113] 屁散人 > 58 橋上に烏の抜け羽暮の秋
選、ありがとうございます! 句は江の島大橋を渡った時のもので、海は少し荒れていた記憶があります。 つい最近のことなのに、何のために江の島に渡ったんか記憶がないのはどういうわけなんでしょうね(笑) 鳥の羽を橋上に見つけたのは確かだけど、それが烏だったのか鳩だったのか……。 が、確かに橋の上にいたか飛んで通ったのかわからないけれど、鳥がいたのは確か。 「何かの知らせ」と言われると、そんな感じがしますね。 (2022年12月10日 (土) 10時04分) |
【凡々さんのコメント】
特撰 45 日を踏めば十一月の空深し 本格的な寒さが来る前の穏やかな日を詠んだ気持ちのいい句だと思います。 普通選 6 晩年の言葉しみじみ返り花 37 達筆な友の文読む一葉忌 41 辞す刻のにわかに暮るる石蕗の門 47 神無月いく筋飛行機雲伸びて 53 雨待ちて阿夫利嶺の神旅立てり 59 雷雨の夜明けては神無月に入る |
【まゆ子さんのコメント】
特選 48 もう会えぬ人また増えて落葉踏む 落ち葉踏む、という季語が哀しかったです。 入選 1 子らの声どこかひそやか神無月 18 人づての友の訃報や石蕗の花 35 川波の光り止まずよ冬に入る 44 天体もかくれんぼして神の留守 54 まだ夢を追ひ求めては木の葉髪 57 大根の重きを提げて暮早し |
【犬客さんのコメント】
特選 53 雨待ちて阿夫利嶺の神旅立てり 相模の大山は、別名阿夫利嶺(あぶりね)、雨降山とも呼ばれよく雨が降ります。 阿夫利嶺の神が雨を呼び寄せるという見立てで、 雨が降るまでは、神様も山を離れられないのでしょう。 入選 19 神の留守たこ煎餅がよく売れて 30 深海の探査始まる神無月 35 川波の光り止まずよ冬に入る 37 達筆な友の文読む一葉忌 48 もう会えぬ人また増えて落葉踏む 50 鯛焼と坂を登れば沖の見え |
【松子さんのコメント】
特選 55 浮雲も小春に憩ふ仲間かな なんだか仲間というと一人じゃないみたいでうれしい。寂しくなんかないもん。 どこまで行くんだろうなあ、あの雲。 入選 6 晩年の言葉しみじみ返り花 しみじみと語る方か、聞く方か。ちょっと気になった。 9 一握の米を捧げむ神の旅 このお米は、新米なんだろうな。まだ新米食べてないがのう。 13 何通も詐欺メール来る神無月 ほんと嫌になる。どんどん捨てながら、国税庁から毎日来るのが特にやだ。 37 達筆な友の文読む一葉忌 自分の書いた字が読めないこの頃。 丁寧に書こうとして、字がゆらゆらしているのが悲しいけど、おかしい。 41 辞す刻のにわかに暮るる石蕗の門 石蕗の黄色い花が咲きました。太陽のように明るい。昼間だけ来てください、お客様。 48 もう会えぬ人また増えて落葉踏む 今のうちに会いたいと思っても、会いに行くのがままならぬのです。 |
【芽笹のコメント】
特選 56 花梨の実がんこな子どものふくれ面 固い花梨の実、頑固な子どもとよく合っています。 いびつな花梨とふくれ面の取り合わせもいいですね。 6 晩年の言葉しみじみ返り花 18 人づての友の訃報や石蕗の花 19 神の留守たこ煎餅がよく売れて 21 くつくつと花豆を煮る夜寒かな 30 深海の探査始まる神無月 41 辞す刻のにわかに暮るる石蕗の門 |
皆さま、お待たせいたしました。
10月の句会のコメントを書き込みしました。 どうぞご覧になってください。 |
【屁散人さんのコメント】
特選 13 シベリアの記憶抱きて鳥渡る 白鳥や鴨などは、夏シベリアで繁殖し、冬は日本で過ごす。 「シベリアの記憶」は、鳥たちの春から夏の記憶に違いありませんが、 人間、特に日本人には先の大戦後のシベリア抑留、強制労働の記憶と重なります。 鳥と人間の間の記憶のギャップが、重層的に我々の心に沁み込んで来る句です。 普通選 4 無言館色無き風の吹き抜けて 21 拭き上げし廊下の艶や小鳥来る 34 男根神老に背負はれ豊の秋 36 手袋やポン・ヌフ橋の落とし物 41 鰯雲ベルリンに壁ありし日よ 51 月上げてアルハンブラに水の音
[92] 芽笹 > 屁散人さま、特選にとっていただきありがとうございます。
白鳥の飛んでくる季節になり、彼らが夏の間過ごしていたシベリアは どんなところだろうかと思ってつくった句です。 シベリア抑留のことは念頭になく、シベリア鉄道のことを想像していました。 深く読んでいただき、ありがとうございます。 (2022年10月27日 (木) 14時18分) |
【風子さんのコメント】
特選 13 シベリアの記憶抱きて鳥渡る 鳥は、星座を知っていて、星座の方向を、向かう方向と重ね合わせて飛んでいるようです。 との記事を見ました。そうだったら素敵な事ですね。 私たちは天気が悪くて星を見られない夜もありますが、鳥は一度方向を定めたら 間違えずに飛んで行けるのかな。 入選 32 預かりし児の髪を梳く今朝の秋 36 手袋やポン・ヌフ橋の落とし物 41 鰯雲ベルリンに壁ありし日よ 49 歳時記をひらく音して十三夜 51 月上げてアルハンブラに水の音 57 ぶどう酸しナポリ男の愛想よき
[93] 芽笹 > 風子さま、特選にとっていただきありがとうございます。
ちょうど今頃の季節、飛行機でシベリア上空を通過したことがあります。 何時間経過しても風景がまったく変わらないのに驚きました。 人の手の入っていない広大な大地から飛来する白鳥や鴨たち、 どんな風景を見ていたのでしょうか。 そんなことを想像しながらつくった句です。 (2022年10月27日 (木) 14時22分) |
【山本洋さんのコメント】
特選 32 預かりし児の髪を梳く今朝の秋 長閑な秋のひとときにほっこりしました。 預けられた女の子のやや緊張した息遣いが聞こえてきそうです。 普通選 7 灯火親しまたも鉛筆削りをり 16 球場に歓喜の坩堝秋尽くる 37 パリジェンヌたちより秋の深みゆく 49 歳時記をひらく音して十三夜 50 自転車の津波ハノイの秋暑し 56 秋寂や時報の鳴らぬビッグベン |
【犬客さんのコメント】
特選 37 パリジェンヌたちより秋の深みゆく パリジェンヌのファッションの変化に季節の移ろいを感じる。 海外詠として実感を伴います。 入選 1 二杯目の茶にロンドンの霧晴るる 17 台北の夜市の燈下親しけり 18 シャンゼリゼ道を訊かれて秋の昼 27 老夫婦猫と話して初紅葉 57 ぶどう酸しナポリ男の愛想よき 61 点滴のほたりゆらりと秋麗ら 良いと思った句 5 りんご噛めばロンドンの空薄曇り 9 カナダより手紙の届く秋の暮 14 秋深し城に灯点るエジンバラ 32 預かりし児の髪を梳く今朝の秋 56 秋寂や時報の鳴らぬビッグベン
[99] 珍辰 > はい、我ながら上手くできたと思います。
(2022年10月29日 (土) 10時01分) |
【朱胤さんのコメント】
【特選】 39 稜線の月へ秀を出す槍ヶ岳 有無を言わせない格調の高さに惹かれました。 【選】 1 二杯目の茶にロンドンの霧晴るる 茶と霧がこのように結びつくとは。 15 月代や歩道橋には誰も居ず おもしろい景色ですね。 19 迷ひ来し小径の先は芒原 なにか怖い物語が始まりそうです。 50 自転車の津波ハノイの秋暑し 一言で描ききる写生力が秀逸です。 55 月落ちて眼内レンズ発光す シュールな味わいに惹かれます。 61 点滴のほたりゆらりと秋麗ら 「ほたりゆらり」の表現力に圧倒されます。
[95] 屁散人 > 選、ありがとうございます!
55 月落ちて眼内レンズ発光す 9月の末に白内障の手術をしました。眼内レンズを入れると、街灯だの月だの光もんを見ると、リング状に発行します。 まぁ、いちんち金環日食って感じです。 医師は「慣れます」というけど、ダメでしょね♪ (2022年10月28日 (金) 20時58分)
[101] 犬客 > 特選、ありがとうございます。先日の燕岳山荘でのほぼ実景です。月と槍の秀は時間差があります。(つまり、夕暮れ時には、月は、天空い位置でした)「秀を出す」か、「秀を上げ」か、まだ迷ってます。 (2022年11月05日 (土) 06時22分)
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