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【珍辰さんのコメント】
特選 52 秋風や父も晩年胸うすく 北澤瑞史師の五風十雨のなかに「胸薄く」を使った句があることを 思い出しました。どんな句だったか思い出せないのだけれど、 「胸うすく」だから痩せた身体が思い浮かべられます。 逞しかった父の胸板も老いに痩せてしまったのですが、気か付けば 自分もそういう姿に似てきている。「父も晩年」からそのように受け止められます。 秋風の季語の働きで、それが一層際立ってきます。詩情ある作ですね。 普通選 2 新米の香で客を待つ厨かな 32 秋思消ゆ飛行機雲はまつすぐに 39 ずつしりと越の新米胸に抱く 43 熊除けの鐘の一打や秋の暮 46 すぢ肉をことこと煮込み居待月 55 来し方の話ばかりやむかご飯
[313] 屁散人 > 特選、ありがとさんです!
瑞史の句は「岸壁に胸うすく寝て夏の雲」かな。 確かにこの句が年頭にあったと思いますね。 親父は小柄だったけど筋肉質で力も強かった。 でも、晩年は当然といえば当然だけど、胸の筋肉もなくなってしまいました。 その年齢に自分もあと一歩というところであります。 39 ずつしりと越の新米胸に抱く もありがとさんです。 (2023年11月01日 (水) 19時54分) |
9月の句会のコメントを書き込みました。
どうぞご覧になってください。 また、自由にご意見を書き込んでくださいね。 10月もよろしくお願いします <(_ _)> |
【山本洋さんのコメント】
特選 8 檸檬齧つて良い子装うことやめる 楽だという理由だけで、これまでだらだら続けてきた良い子の振り。自分でも座りの悪さを感じてきたが、今日檸檬を齧って決めた。もうヤメた。これからは自分のあるがままの姿で生きよう。檸檬がくれた私の決意。 若者の弾けるような自分への違和感が爽やか。 入選 3 檸檬酸き味わつている片思ひ 7 母思へば芽のほつほつと曼殊沙華 12 かみ合わぬ夫婦の想いレモン酸し 25 島を去る君に檸檬を投げ渡す 50 祖母の愚痴聞き流したり檸檬切る 52 遠来の客と思へし檸檬かな
[298] 珍辰 > 特選ありがとうございます。ちなみに装うは装ふでした。檸檬と若者、あるあるパターンですが。 (2023年10月02日 (月) 17時15分)
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【珍辰さんのコメント】
特選 20 檸檬買ふ誰に訪はるることもなく 檸檬はその存在だけで詩情に満ちた姿を 容易に想い浮かべられますよね。 レモンという言葉が印象強いだけに、他の言葉でどういう情景を設定するかで 俳句の描く世界が深まったり、逆に陳腐になったりするものかと思います。。 技量を問われる季題だと思います。 特選句はその壁を払って、さりげなく静かな世界を描きました。 作者の生活感、もっと平たく言えば生活臭とか、意外に深く感じました。 普通選 1 古稀過ぎぬのらりくらりと新酒酌み 6 檸檬の香一人住まひの部屋に満ち 7 母思へば芽のほつほつと曼殊沙華 16 一病で足りぬ齢や秋暑し 19 檸檬切る恋愛小説遠き事 45 灯ともして檸檬の陰を払ひけり
[294] 屁散人 > 特選、ありがとざんす〜♪
以前はなんやかやと人が集まってくれたけど、ぷっつん頭になってからはそれも出来なくなり、ごちゃごちゃした賑わいはなくなりました。静かといえば静かで落ち着いた感じもまた良いものです。かなぁ(笑) 1 古稀過ぎぬのらりくらりと新酒酌み 6 檸檬の香一人住まひの部屋に満ち もありがとさんです! (2023年10月02日 (月) 09時53分) |
【犬客さんのコメント】
特選 20 檸檬買ふ誰に訪はるることもなく 誰かに訪ねてほしい願望が表現されています。 入選 1 古稀過ぎぬのらりくらりと新酒酌み 26 揚げたてに檸檬を添へてAランチ 27 掌の中にレモン半分隠れをり 36 渦潮の光に檸檬磨かるる 41 駅までの近道昼を地虫鳴く 44 レモン甘くなるかも阪神優勝し
[295] 屁散人 > 特選、ありがとさんです!
静かな生活も良いもんだけど、また前のようにみんなでどがちゃかやりたい感じもありますね。 檸檬を買うってことは、そんな願望が潜んでいるのかも。 1 古稀過ぎぬのらりくらりと新酒酌み もありがとさんです♪ (2023年10月02日 (月) 09時56分) |
【凡々さんのコメント】
特選 24 さざ波の鴨の胸打ち八月尽 暑い夏が過ぎるうれしさと寂しさがある句だと思います。静かに秋の到来を喜んでいるのがいいです。 普通選 12 かみ合わぬ夫婦の想いレモン酸し 15 秋風にちさきサンダル洗いけり 20 檸檬買ふ誰に訪はるることもなく 30 寝足りては薄く上手にレモン切れ 41 駅までの近道昼を地虫鳴く 45 灯ともして檸檬の陰を払ひけり
[296] 屁散人 > 特選、ありがとさんです!
横須賀港に通し鴨が一羽いて、ヴェルニー公園から見ることが出来ます。 海面がさざ波に覆われるようになると、秋の到来を感じますね。 20 檸檬買ふ誰に訪はるることもなく もありがとうございます♪ (2023年10月02日 (月) 09時59分) |
【松子さんのコメント】
特選 24 さざ波の鴨の胸打ち八月尽 心臓の鳴る音が聞こえ、小さな心臓のぴくぴくと動くのが見えるようです。 暑い夏を乗り切ったという静かな喜びも。 入選 2 共学に母校変りぬ檸檬の香 ああ、男子校も女子高も共学に。隔てられて妄想ばかりの青春でありました。 7 母思へば芽のほつほつと曼殊沙華 曼殊沙華の季節ですね。芽を見たことがないのですが、 ほつほつとはこんなかなあんなかなと想像しました。 8 檸檬齧つて良い子装うことやめる ゆめれやめれ、応援するわ‼ 32 たなごころ揺り籠のごと檸檬受く びっくりだ。揺り籠かあ。手の形まで見えます。 42 檸檬噛む光のレンズ溶けてゆく びっくりだ。光のレンズってなんだろうか。それが溶けるってどうなっているんだろうか。 体験したことがない驚きの檸檬体験だわ。 52 遠来の客と思へし檸檬かな そうだ。遠くから来たお客様だ。上座に座布団敷いてお座りいただかねば。 なんだかわからないが、檸檬は神々しい。 気になった二句です 瀬戸内海の海が広がりました。檸檬と言えば瀬戸内海なのですね。 36 渦潮の光に檸檬磨かるる 53 花嫁は檸檬の島より船で来し
[297] 屁散人 > 特選、ありがとうございます!
「心臓が鳴る音」という捉え方は凄いなぁ。 自分にはない発想であります。 横須賀港で夏を過ごした独り鴨も、もうじき仲間がやってくるのを待っているのかもね。 7 母思へば芽のほつほつと曼殊沙華 今年はお彼岸が過ぎてから1週間も経ってやっと彼岸花が咲きそろいました。3本だけだけど♪ 彼岸花の芽は地面に顔を出すとあっという間に伸びますね。1日5センチ、10センチは伸びるんじゃなかろうかと思うほど。 今年は、お墓参りにも行きませんでした。 (2023年10月02日 (月) 10時07分) |
【屁散人さんのコメント】
特選 25 島を去る君に檸檬を投げ渡す こんなことあるかなぁ、と思いつつ、このスッキリとした風景がいいですね。 投げるのも受け取るのも若い男でしょう。 行く先に青春が待ってる、そんな感じ。 かつて宮古島で見送りの風景を見たことを思い出しました。 指笛が鳴り、踊りながら桟橋の先まで見送る。 見送られる人の後ろにはヤギが乗っていて、見送りのテープを美味そうに食べておりました♪ 入選 2 共学に母校変りぬ檸檬の香 6 檸檬の香一人住まひの部屋に満ち 11 鰯雲ついに消えたり高炉の火 12 かみ合わぬ夫婦の想いレモン酸し 32 たなごころ揺り籠のごと檸檬受く 36 渦潮の光に檸檬磨かるる
[299] 珍辰 > こんなこと、あるのですよ。何かTVドラマであったようなシーンですな。
男が男になげたらジャニーズぽいから、少女が憧れの男に投げた、とイメージしたいね。 (2023年10月02日 (月) 17時18分) |
【芽笹のコメント】
特選 25 島を去る君に檸檬を投げ渡す 若者の旅立ち、見送る友人の様子がさわやかに描かれています。 青春の一ページ! 入選 1 古稀過ぎぬのらりくらりと新酒酌み 6 檸檬の香一人住まひの部屋に満ち 12 かみ合わぬ夫婦の想いレモン酸し 20 檸檬買ふ誰に訪はるることもなく 24 さざ波の鴨の胸打ち八月尽 36 渦潮の光に檸檬磨かるる
[300] 珍辰 > 特選ありがとうございます。 (2023年10月02日 (月) 17時20分)
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【まゆ子さんのコメント】
特撰 32 たなごころ揺り籠のごと檸檬受く レモンには充実した確かな重みがあり大きさもちょうど掌におさまるのでしょう。 揺りかごにゆられるように。 入選 3 檸檬酸き味わつている片思ひ 7 母思へば芽のほつほつと曼殊沙華 27 掌の中にレモン半分隠れをり 43 島裏へ渡る船客秋の顔 49 黄昏の部屋に檸檬とふたりきり 52 遠来の客と思へし檸檬かな |
【朱胤さんのコメント】
【特選】 43 島裏へ渡る船客秋の顔 適格な描写が「秋の顔」の詩的な表現を引き立てていて惹かれました。 【選】 8 檸檬齧つて良い子装うことやめる 思春期の心象でしょうか。「檸檬齧って」がよく合っている。 15 秋風にちさきサンダル洗いけり 「ちさき」が利いていて、全体をよくまとめている。 18 赤とんぼてんでに飛んでも群れてをり 言われてみればほんとうにその通りですね。 36 渦潮の光に檸檬磨かるる 「光に磨かるる」に惹かれました。 51 満月の裏がもっとも寂しけれ 独創的で真実を射る着眼ですね。特選に迷いました。 53 花嫁は檸檬の島より船で来し 物語性があり、雰囲気のある句ですね。 【惹かれた句】 4 挨拶はしたもん勝ちや秋の空 そのとおりですね。 22 妊れりレモンの色の目眩して 男には窺い知れないことですが惹きつけられます。 25 島を去る君に檸檬を投げ渡す 思い出でしょうか。 27 掌の中にレモン半分隠れをり 即物的でおもしろい。 34 草の道ひらきてゆける野分かな 秀逸な切り取りかた。 41 駅までの近道昼を地虫鳴く 昼聞こえる地虫もいるのですね。 42 檸檬噛む光のレンズ溶けてゆく 美しい。 以上 |
8月の句会のコメントを書き込みました。
どうぞご覧になってください。 また、自由にご意見を書き込んでくださいね。 9月もよろしくお願いします <(_ _)> |
【山本洋さんのコメント】
特選 18 鉄路錆ぶ残暑の夕日逃れ得ず 錆びた廃線鉄道と残暑の夕日のとりあわせが絶妙です。 それを「逃れ得ず」と結んでいるところもニクイとしかいいようがない。 普通選 7 髪上げて残暑の項白々と 12 末伏を過ぎたる蔓が空探る 27 終点の一つ手前の残暑かな 30 水面に動かぬ金魚残書かな 32 青春のここで終わりと雲の峰 57 あと一番碁をせがまるる残暑かな
[279] 屁散人 > 特選、ありがとうございます!
我が横須賀逸見駅の風景です。 廃線ではないけど、そんな雰囲気がありますね。 寂れまくってます。 12末伏の句もありがとうございます。 (2023年09月02日 (土) 06時47分) |
【珍辰さんのコメント】
特選 35 包丁研ぐニュースは台風接近と 包丁で指切って四針縫ったばかりだけに、身につまされました。 普通選 9 夕蝉に恙なき日の裏戸閉づ 12 末伏を過ぎたる蔓が空探る 17 向日葵も頭を垂れて終戦忌 21 日記にも本音は書けず流れ星 26 爺と婆今日も残暑を嘆きあふ 58 厨窓大きく開けて今朝の秋 |
【朱胤さんのコメント】
【特選】 41 別れ来て車窓の花火の紅きかな 情熱とはかなさ、喜びと悲しみ、感慨を刺激される句です。一句のなかに時間と空間の広がりもあり、物語があります。 【選】 2 島裏に雲の崩るや秋近し 「雲の崩る」に惹かれます。間然するところがない一句。特選にいただこうか迷いました。 18 鉄路錆ぶ残暑の夕日逃れ得ず これぞ残暑という景色ですね。 20 水澄むや日本病といふ言葉 いろいろなことを考えさせられる、余韻のある句。 32 青春のここで終わりと雲の峰 そう言われるとそういう気がする。 35 包丁研ぐニュースは台風接近と 包丁と台風の取り合わせがおもしろい。 45 水音にまどろみ背泡立草 「まどろみ」が魅力的です。 【惹かれた句】 4 大黒湯廃業したる残暑かな 固有名詞が利いています。 15 残暑なる呑み屋小路を抜けてみる 残暑のけだるさの中でついとった意味のない行動でしょうか。 39 夏負や同じページを又読んで 夏ばては、このとおりですね。 42 カンパネルラと呼び掛けてみる星月夜 ほとばしる抒情。 44 吾もまた枯れ苔となる残暑かな ひとつの諦念でしょうか。 58 厨窓大きく開けて今朝の秋 秋の訪れにはっとする。 今月もありがとうございました。
[280] 屁散人 > 選、ありがとうございます!
2 島裏に雲の崩るや秋近し 横須賀本港と長浦湊の間にある島です。 もともと地続きったけれど、掘割水路が出来たため、島になりました。 本港側から見た風景。 18 鉄路錆ぶ残暑の夕日逃れ得ず 横須賀逸見駅の風景ですが、なぜか線路が赤く錆び、廃線を思わせます。 (2023年09月04日 (月) 10時10分) |
【犬客さんのコメント】
特選 42 カンパネルラと呼び掛けかけてみる星月夜 カンパネルラは、宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」の主人公ジョバンニの親友。 星空に呼びかける作者の幻想的な姿も見えてくる。 入選 9 夕蝉に恙なき日の裏戸閉づ 19 絨毯に唐草模様踏む秋暑 36 足音ののぼりおりする秋暑かな 40 呆然と更地に佇てる残暑かな 55 油蝉谷戸波打つてきたりけり 58 厨窓大きく開けて今朝の秋 |
【まゆ子さんのコメント】
特撰 51 赤とんぼ残暑鎮めに群れ来たり まだ赤とんぼは見てないのですが、群れてきたら、秋が来たことを感じてほっとすると思うのです。 入選 2 島裏に雲の崩るや秋近し 12 末伏を過ぎたる蔓が空探る 32 青春のここで終わりと雲の峰 37 夜明け前すずめ鳴きたる残暑かな 39 夏負や同じページを又読んで 54 緑蔭の庭退院の師を訪ひぬ |
【松子さんのコメント】
特選 油蝉谷戸波打つてきたりけり 暑さの波、空気の波、蝉の鳴き声の波、それぞの重たい波の様子が伝わってきました。本当に暑い夏でした。 入選 3 ちくとちく残暑の針目整はず ちくちくがちくとちくに途切れたところ、すごく共感しました。そういう時、針で指を突いたりします。 12 末伏を過ぎたる蔓が空探る 蔓が何にも絡まずに、くねくねしながら空中に伸びている姿。藪枯しが今年は特にそんな姿です。 42 カンパネルラと呼び掛けかけてみる星月夜 ああ、そんな気分です。どこかへ行きたい。 45 水音にまどろみ背泡立草 ああそうだなあ。私も眠たい。 46 笹藪に疲れの見えて夏の果 今年は笹の先が日焼けで色が変わっています。初めて見ます。笹がなあとため息です。まだまだ暑さが続くのに。 54 緑蔭の庭退院の師を訪ひぬ 喜ばれたことと思います。うれしそうな、恥ずかしそうなお顔が目に浮かびます。
[281] 屁散人 > 特選また選もありがとうございます!
にいにい蟬のうちは「波打つ」感じはあまりしないけれど、油蟬はまさにこんな感じ。 谷戸自体も谷戸の空気もうねりだす感じ。 12 末伏を過ぎたる蔓が空探る 今年の末伏は8月10日で、屁見庵の窓から見えた風景です。 暦の上では暑さ極まる候だけれど、実際は末伏を過ぎてから、がんがん暑くなりましたなぁ。 (2023年09月04日 (月) 10時18分) |
【芽笹のコメント】
特選 55 油蝉谷戸波打つてきたりけり 大音量の蝉の声が迫ってくるただならぬ様子が伝わってきます。 暑い夏ですねえ。 2 島裏に雲の崩るや秋近し 12 末伏を過ぎたる蔓が空探る 18 鉄路錆ぶ残暑の夕日逃れ得ず 21 日記にも本音は書けず流れ星 39 夏負や同じページを又読んで 58 厨窓大きく開けて今朝の秋
[282] 屁散人 > 特選および選もありがとうございます!
今回は7句選のうち、5句もお眼鏡にかない、まことに光栄しごくであります♪ 谷戸が波打つというのは実感で、みんみん蟬や熊蟬なんかだとこういう感じではありませんね。 9月3日を境に、蟬の声がしなくなりました。 (2023年09月04日 (月) 10時21分) |
【凡々さんのコメント】
特選 57 あと一番碁をせがまるる残暑かな 好きな碁をもう一局打つ気も萎える残暑。うんざり感がある句だと思います。 普通選 2 島裏に雲の崩るや秋近し 3 ちくとちく残暑の針目整はず 11 世界地図めくりて馳する夏の旅 21 日記にも本音は書けず流れ星 27 終点の一つ手前の残暑かな 55 油蝉谷戸波打つてきたりけり |