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【犬客さんのコメント】
特選 6 つくしんぼ我も我もと空を指す つくしの習性を見事に表現しています。 入選 26 税務署の帰りにひとつ桜餅 40 土筆摘むいつか片膝つきてをり 42 土筆和え小作暮らしを祖父言はず 45 佳き事のある日の雛や顔やさし 46 大土手の朝日が土筆引き伸ばす 50 春の野やわれもまじりてわらべ歌 |
【まゆ子さんのコメント】
特撰 7 土筆摘む祖父の匂ひのする野良着 もう亡くなられたお爺さんの野良着から懐かしい匂いがして、自分が身に着けていて土筆の匂いもしてきて、 などという光景が目に浮かんできました。 入選:9,19,27,31,34,43 9 ヘルパーの身の上話に春灯る 19 花摘みのやうに摘みをり土筆かな 27 土筆伸ぶ九九を覚えてうれしい子 31 来た道に戻れずにゐて春寒し 34 土筆採りひかりのどかな土手を行く 43 土筆摘む何するわけにあらねども |
【山本洋さんのコメント】
特選 9 ヘルパーの身の上話に春灯る 身の廻りの世話をしてくれるヘルパーさんが、 部屋のテーブルを拭きながら、ぽろりと身の上ばなしをしてくれた。 苦労してきた人ならではの言葉の温かさに悲観的になっていた気持ちも綻んだ。 いろいろな身の上ばなしを思うが、それが語り手の人柄を思わせる。 入選 11 富士塚のつくしは富士と高さ競る 12 行つたきり帰つて来ない土筆摘み 26 税務署の帰りにひとつ桜餅 31 来た道に戻れずにゐて春寒し 39 動くもの煌めくものよ水ぬるむ 45 佳き事のある日の雛や顔やさし |
【芽笹のコメント】
特選 12 行つたきり帰つて来ない土筆摘み そんなこともありますよね。春ですから。 春の楽しい雰囲気をうまく表していると思いました。 まさかとは思いますが、土筆摘みで神隠しにあったとかではないですよね。 そんなふうに考えると、ホラーな一句です(笑) 入選 2 はくれんは一花をつけて人住まず 4 啓蟄の地に輪を描きて子は遊び 25 春光や天満宮の村芝居 31 来た道に戻れずにゐて春寒し 34 土筆採りひかりのどかな土手を行く 45 佳き事のある日の雛や顔やさし |
【松子さんのコメント】
特選 17 春霖に幻めくや傘の波 なるほどなと、思いました。 この時の傘の色は何色だろうかとか、しばらく考えていました。 2 はくれんは一花をつけて人住まず 11 富士塚のつくしは富士と高さ競る 15 落椿掃いて息子を思ひをり 25 春光や天満宮の村芝居 26 税務署の帰りにひとつ桜餅 37 涅槃西風ゆうやけ一つあらばよし |
【凡々さんのコメント】
特選 20 川風に土筆とをれば暮れてゆく 日没が遅くなったので、焦ることなく土筆を採っている春の夕暮れ。 のんびりした春の気分が出ている句だと思いました。 普通選 4 啓蟄の地に輪を描きて子は遊び 22 沈丁花の香に送られて卒業す 25 春光や天満宮の村芝居 26 税務署の帰りにひとつ桜餅 29 耳澄ます春まだ浅き川に来て 43 土筆摘む何するわけにあらねども |
【珍辰さんのコメント】
特選 31 来た道に戻れずにゐて春寒し 呆けてしまったわけではないけど、あれ、と思うことが増えた今日この頃。 ただ、この句は道を思い返せないという現実から一歩踏み込んで 人生そのものもやり直しができない嘆きでもありますね。 とはいうものの、救いは「春寒し」の季語。 確かに寒さに震えるのだけれど、「春」なんです。これから温かくなる日が増えるのです。 老いに後ろ向きにならず、前を向こうという思いが「春」に込められています。 季語に内包された思いが生きていますね。 普通選 1 頑固さを春陽ぬくぬくほどきたる 2 はくれんは一花をつけて人住まず 25 春光や天満宮の村芝居 40 土筆摘むいつか片膝つきてをり 44 石段を上れば雛の家がある 49 下駄履きの男に託す雁供養 |
【朱胤さんのコメント】
【特選】 44 石段を上れば雛の家がある 何でもないことを言っているようで、かすかにシュールな感じもして面白い。 【選】 2 はくれんは一花をつけて人住まず 「人住まず」が利いている。朽ちかけた空き家でしょうか。感慨がわきます。 10 死といふは死を思ふこと鳥雲に テーゼには必ずしも同意しませんが、おもしろい句と思います。季語も合っていると思います。 15 落椿掃いて息子を思ひをり しみじみとしつつ、色々と想像がわきます。 18 快速の通過を待てば春の雪 ホームで過ごすしばしの時間の中で起きる出来事。印象的です。 21 春霖や湖は音無くさざめけり 「音なくさざめく」に惹かれます。淡い色調の絵のようです。 31 来た道に戻れずにゐて春寒し ちょっとした困惑と「春寒し」の季語が合っている。 今月もありがとうございました。
[386] 屁散人 > 選、たくさんありがとうございます!
2 はくれんは一花をつけて人住まず おっしゃる通り、いつの間にか無住になっていて、塀が倒れたので誰かがロープで結んで、あるような荒れた家。その庭の低いハクモクレンが毎年少ない数の花をつけます。 10 死といふは死を思ふこと鳥雲に 心に確固としたものが出来てないので不十分な言い方になってしまいました。うまく詠えなかったです。 15 落椿掃いて息子を思ひをり 隣の家の息子さんがもうずいぶん姿を見せません。外を覗いたら、そのお母さんが黙って道の落椿を掃いていました。 (2024年04月03日 (水) 13時19分) |
【屁散人さんのコメント】
特選 50 春の野やわれもまじりてわらべ歌 唱歌でもなく、童謡でもなく、わらべ歌を知っている子供が今いるのかな、という気はしたけれど、 子どもたちが伝承してきた歌が自ずから今の世代に伝わっていたのでしょう。 もしかしたら作者の思い出なのかもね。 いずれにせよ、こののびやかな素朴で感じは春の野のうらうらとした感じにぴったり。 普通選 4 啓蟄の地に輪を描きて子は遊び 23 遠山にまだ雪残り土筆生ふ 27 土筆伸ぶ九九を覚えてうれしい子 29 耳澄ます春まだ浅き川に来て 30 おはやうと挨拶交わし蕗の薹 40 土筆摘むいつか片膝つきてをり |
今月も投句・選句とありがとうございました。
来月も、どうぞよろしくお願いします。 |
【珍辰さんのコメント】
特選 18 母の忌の春日に布団干してをり 母の忌日に干された布団の温かさが伝わりますね。 読者の心に間違いなく響く一句で、俳句を知らなくても「共感」する句ですね。 時がたっても同じ思いが継承されていくことでしょう。 文学を支える「普遍性」をもっている一句ですね。 普通選 12 母に似ぬ不器用恥じて針供養 16 よちよちと通院の道春の朝 41 春めけば眩しき席を後悔す 43 早春の旅ポケットに文庫本 44 筆刷けば絵にも流るる春の川 54 春寒し奥歯の被せ物取れて
[372] 屁散人 > 特選、ありがとさんです!
今年はお袋の27回忌でありました。 墓参りにの行かず、洗濯したり、布団干しをしてました。 「共感」「普遍性」とは身に余る思いであります。 (2024年03月01日 (金) 10時18分) |
【山本洋さんのコメント】
特選 18 母の忌の春日に布団干してをり ようやく暖かくなり、布団を干している。 母もこんな日に逝ったのだと思うと日差しの暖かさがありがたく身にしみるように思われる。 普通選 2 梅匂ふ昼暗がりの藪を出て 27 啓蟄やアリア流るる治療室 30 金縷梅のほぐるるほどの風の中 35 雪富士の輝く春の田に立てり 36 欄干に鷺の動かず春浅し 56 涅槃日のあかあか沈む六日月
[373] 屁散人 > 特選、ありがとうございます!
2月9日がお袋の命日でした。 明るくてよく笑う人でしたから、こんな句が出来たのかもしれません。 30 金縷梅のほぐるるほどの風の中 35 雪富士の輝く春の田に立てり もありがとうございます! (2024年03月01日 (金) 10時24分) |
【松子さんのコメント】
特選 34 春を待つ子の枕辺に時刻表 春休みの旅でしょうか。枕辺がいい感じです。 私だったら、春を待つ子が抱いて寝る時刻表、とかになってしまいそうです。 夢の中でも旅をしていそうですね。 入選 17 崖窪に咲き増えたりや黄水仙 咲き増えたり、がいい感じです。水仙は自生では球根が痩せるので、そんなに増えない気がします。 でも、増えている場所っていいな、見てみたいなと思いました。 18 母の忌の春日に布団干してをり 暖かいような、淋しいような、微妙な感じが伝わりました。 29 妻の歩に遅れ春の句拾ひをり お散歩。お幸せそうな感じが、春っぽいのかな。 30 金縷梅のほぐるるほどの風の中 るる、という言葉が使いたいので、ほぐるるに出会って、ほーっと思いました。 32 啓蟄や瞼を透けてくる光 瞼の中が真っ赤になるのですね。むずむずしますね、人間も。 52 虹色の光纏ひてシャボン飛べ シャボン飛べ、がめちゃくちゃ好き。きらきらが目に見えるようです。
[374] 屁散人 > 18 母の忌の春日に布団干してをり
選、ありがとうございます! 日にほかほかと膨らむ布団は、お袋のイメージがありますね。 あったかいしね♪ 30 金縷梅のほぐるるほどの風の中 選、ありがとうございます! 今年は椿など花が遅くて、金縷梅も遅かった。 あの4弁のひらひらはいかにも風に揺れやすい感じ。 実際は、違うんでしょうけどね。 「るる」ちゃん、いっぱい愛してあげてね♪ (2024年03月01日 (金) 10時29分) |
【芽笹のコメント】
特選 34 春を待つ子の枕辺に時刻表 一読して情景が目に浮かびました。 鉄道好きの子どもなのでしょう。 暖かくなると旅心がむくむくと湧き上がってきますね。 入選 3 寒明や渡りて橋の名を知らず 12 母に似ぬ不器用恥じて針供養 18 母の忌の春日に布団干してをり 40 寒明の波に小石の光りけり 43 早春の旅ポケットに文庫本 45 横浜の春を爆竹目覚めさす |
【まゆ子さんのコメント】
特撰 34 春を待つ子の枕辺に時刻表 春になったらどこかへ行きたいのでしょうか。時刻表が具体的で魅かれました。 入選 7 春雨のやみても変らざるしじま 14 早春の日差しに肩の和らぎぬ 24 オーボエの音の夕暮れ春隣 30 金縷梅のほぐるるほどの風の中 44 筆刷けば絵にも流るる春の川 48 立春のトンネル出れば海光る |
【屁散人さんのコメント】
特選 34 春を待つ子の枕辺に時刻表 春になったら旅に出よう、と思っているお子さんなのでしょうか。 あるいは、時刻表を見ながら、すでに想像の中で旅をしているのかもしれません。 どの路線、どの時間……と想像は膨らむばかり。 「春を待つ子の枕辺に」というところに、成長してゆく子を見つめる、親の優しい視線を感じます。 時刻表が、単に電車バスの時刻を超え、子が育ってゆく時間を示しているようです。 普通選 9 目が合へばじやれつく犬よ春隣 29 妻の歩に遅れ春の句拾ひをり 33 春節の龍校門の中に消ゆ 36 欄干に鷺の動かず春浅し 40 寒明の波に小石の光りけり 48 立春のトンネル出れば海光る |
【朱胤さんのコメント】
【特選】 35 雪富士の輝く春の田に立てり かがやかしい句。すがすがしく、一読晴々とします。 【選】 6 なにもせず、なにもおもはず、春浅し ストレートに心象が表現されており惹きつけられる。 13 うすぐもりのち本曇り大試験 上句、中句の「曇」の展開が面白い。 15 早春の野にただじつとたたずんでみる 破調だがすっと入ってくる。一行詩の魅力。 24 オーボエの音の夕暮れ春隣 オーボエの美しい音色とともに暮れゆく空の色が浮かぶ。また、そこで終らず、「春隣」がこれから来る明るみを見せる。 29 妻の歩に遅れ春の句拾ひをり 歩調の揃わない二人の様子が浮かぶ秀逸な描写。夫が拾っているのが句であるというのもよい。 57 春来たり朝の雀の争ひに 雀の活発な動きが目に浮かぶ。そこに春が来るという面白い着想。かつ不自然なところの全くない句。
[375] 屁散人 > 特選、ありがとうございます!
秦野に向かう途中、田んぼの向こうに真っ白に輝く富士が見えました。 さすが富士は、貫禄がありますね♪ (2024年03月01日 (金) 10時32分) |
【凡々さんのコメント】
特選 45 横浜の春を爆竹目覚めさす 中華街の春節の風景でしょうが、春を目覚めさすというのがいい表現だと思います。 普通選 3 寒明や渡りて橋の名を知らず 18 母の忌の春日に布団干してをり 24 オーボエの音の夕暮れ春隣 28 五重塔跡にかぶさる芽吹きかな 56 涅槃日のあかあか沈む六日月 57 春来たり朝の雀の争ひに |
【犬客さんのコメント】
特選 53 のんびりと調剤を待つ春の午後 実感があります。春の午後らしい景。 入選 3 寒明や渡りて橋の名を知らず 12 母に似ぬ不器用恥じて針供養 13 うすぐもりのち本曇り大試験 38 春雨や去年の風倒木香る 40 寒明の波に小石の光りけり 44 筆刷けば絵にも流るる春の川 |
今月も投句・選句とありがとうございました。
来月も、どうぞよろしくお願いします。 |